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万歳!
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ひとまず目的を達成し、三花がワイシャツのボタンをとめても、板垣はまだ目を覚まさない。
「さて、縛りますか」
三花は板垣の体を仰向けにさせた。薄目を開けた表情で固まり、口角から顎にかけて一条の血の跡が残っている。
刺さった矢を引き抜き、服を脱がせる。死亡している男女三人のベルトや靴紐を拝借し、雲梯の踏みざんの一本に両の手首を縛りつける。繋ぎ合わせて即席ロープを作り、支柱と両の足首を結びつけ、両脚を肩幅に開いた状態で固定する。
拘束を完了した途端、疲労感を自覚すると共に、戦っている間は全く気にならなかった血の臭いを強く感じ、軽い嘔吐感を催した。
腰に両手を当て、緊縛された板垣を眺めていた三花が、おもむろに青龍刀を拾い上げた。殺気立った雰囲気が尋常ではない。片手が塞がる前と同様、裸体を眺めていたが、不意に鼻を鳴らしたかと思うと、いきなり得物を振り下ろした。右乳房に縦に傷が刻まれ、ワンテンポ遅れて板垣の絶叫。一糸まとわぬ体が激しく波打つ。
「中々目を覚まさないから、起きてもらった。まあ、すぐにまた寝ることになるけどね。――永遠に」
板垣は裸になった自らの体を、乳房に刻まれた傷を、過呼吸気味に呼吸しながら見下ろしていたが、「永遠に」の一言に反応して顔を上げた。三花と目が合うと、精いっぱい強がってみせたというような、引きつった笑みを浮かべる。
「早乙女三花、これはどういうことだ? 佐藤友也にレイプされた挙げ句、晒し者にされたとでもいうのか?」
「この状況で憎まれ口を叩く余裕があるなんて、大した根性ね。でも、それもあと少しの間。これからあなたを、拷問した上で殺すから」
「殺す……」
板垣の顔から笑みが消えた。
三花は口角を吊り上げて微笑むと、いきなり人差し指を相手の乳房の傷口に捩じ込んだ。ひぐぅ、という呻き声。指を小刻みに動かす。
「あうっ、あっ、あぐ……」
「どう? 痛い? 痛いに決まってるよね。だって傷口を直に弄ってんだもん」
「やめ……っくぅ! あう、うあ……あああぁっ!」
指を動かす時間が長引くにつれて、傷口から流出する血の勢いが増していく。手を離した時、三花の右手は手首まで真っ赤に染まっていた。
「どう? 穴の内側をいじくり回された感想は」
「中々クレイジーだよ、早乙女三花……。でも、私としては、下についた穴にもっと太いのが欲しいかな」
肩で息をしながらも、板垣はふてぶてしく微笑んでみせる。
「なあ、早乙女三花。君の恋人が、佐藤友也が望むのなら、セックスしてあげてもいいよ。だから解放してくれ。頼むよ、なあ。何なら狭い方の穴を使ってくれてもいい。一樹様の手で開発済みだから。ていうかむしろ、そっちじゃないと気持ちよく――」
三花の右拳が板垣の顔面に炸裂し、鼻骨が砕ける音がした。拳が引っ込められると、ひしゃげた鼻の穴から鮮血が流れ出す。
「お前のケツの穴の事情なんて知るかよ、ブス」
地面に転がったバールを手に取る。その場にしゃがみ、凶器を垂直に立て、その先端を板垣の性器の入口へ。
「……何をするつもりだ」
問い質す声は、震えを帯びている。開かれた状態で固定された両脚は、鋼鉄のように緊張している。三花は板垣の顔を見ずに答える。
「あんたの望みを叶えてあげる。広い方の穴だけどね。さーん」
「えっ……ちょっ……」
「にーい」
「えっ、やめろよ。ちょ、マジで――え? えっ? えっ?」
「いーち」
「ああっ! 嫌だっ! ちょっと! お願い! あーっ! あー! あー! やだやだやだやだやだ――」
「ぜろ」
バールが一気に二十センチほど板垣の体内に埋まり、股間から滝のように血が溢れ出す。眼球が上方向に回転して黒目が隠れ、全身が激しく痙攣する。血に混じって尿が流れ落ち始めた。
「きたなっ」
三花はバールを握り締めていた手を離して立ち上がり、後ろ歩きをして板垣から距離を取った。凶器は三秒ほど現状を維持し、力なく地面に落ちる。先端部に付着した血は黒ずんでいる。
やがて失禁がやんだ。それに前後して、陰部から流れ出す血の勢いが弱まり始めたが、まだ止まらない。
三花は青龍刀を掴み上げ、雲梯の踏みざんと板垣の両手首を結ぶ紐を切り落とした。傷だらけの裸体が俯せに地面に横たわる。両脚を開かせたロープも切り、足で蹴って仰向けにさせ、顔面に唾を吐きかける。腹部を力強く踏みつける。
「おい、まだ死んでないだろ。起きろよ、板垣」
徐々に力を強めながら繰り返し踏みつけているうちに、板垣の双眸に黒目が復帰した。それに少し遅れて、唇から微かな掠れ声が漏れた。三花は足踏みをやめ、青龍刀の刃を板垣の首に突きつける。
「たっぷり痛めつけるつもりだったんだけど、発言がいちいちむかつくから、もう終わりにするね。言いたいことがあるなら、一言だけ口にする権利をあげる。あたしを激怒させるような、最低最悪の罵言を吐いてみろ」
凛とした光が湛えられた瞳と、衰弱しきった瞳が交差した。板垣は笑顔らしき表情を作り、震える唇を懸命に動かして叫んだ。
「万歳! 一樹様、万歳! 二葉様、万歳! 万ざ――」
板垣の頸部が深々と切り裂かれ、血飛沫が迸った。俺の目には、首から血が噴き出した後で切創が刻まれ、切創が刻まれた後で青龍刀が振るわれたように見えた。
「一言だけって言っただろうが。人の話聞けよ。……ったく」
青龍刀のきっさきを地面に突き刺した直後、遠くでサイレンの音が聞こえた。駐車場の方角からだ。
「三花、このサイレンは――」
「ひっくり返っている軽トラを見て通報した人がいるみたいね。息絶えたアリッサの方かもしれないけど」
アリッサ。その言葉の響きは、酷く懐かしいものに聞こえた。そういえば、須藤亜理紗にアリッサというニックネームをつけたのは俺だった。
「何はともあれ、逃げた方がよさそうね。いつここまでやって来るか分からないし。反対側の出入口を目指そう」
「分かった。歩ける?」
「何とか自力で。じゃあとりあえず、落ち着けるところまで」
俺たちは寄り添い合うようにして歩き始めた。
「さて、縛りますか」
三花は板垣の体を仰向けにさせた。薄目を開けた表情で固まり、口角から顎にかけて一条の血の跡が残っている。
刺さった矢を引き抜き、服を脱がせる。死亡している男女三人のベルトや靴紐を拝借し、雲梯の踏みざんの一本に両の手首を縛りつける。繋ぎ合わせて即席ロープを作り、支柱と両の足首を結びつけ、両脚を肩幅に開いた状態で固定する。
拘束を完了した途端、疲労感を自覚すると共に、戦っている間は全く気にならなかった血の臭いを強く感じ、軽い嘔吐感を催した。
腰に両手を当て、緊縛された板垣を眺めていた三花が、おもむろに青龍刀を拾い上げた。殺気立った雰囲気が尋常ではない。片手が塞がる前と同様、裸体を眺めていたが、不意に鼻を鳴らしたかと思うと、いきなり得物を振り下ろした。右乳房に縦に傷が刻まれ、ワンテンポ遅れて板垣の絶叫。一糸まとわぬ体が激しく波打つ。
「中々目を覚まさないから、起きてもらった。まあ、すぐにまた寝ることになるけどね。――永遠に」
板垣は裸になった自らの体を、乳房に刻まれた傷を、過呼吸気味に呼吸しながら見下ろしていたが、「永遠に」の一言に反応して顔を上げた。三花と目が合うと、精いっぱい強がってみせたというような、引きつった笑みを浮かべる。
「早乙女三花、これはどういうことだ? 佐藤友也にレイプされた挙げ句、晒し者にされたとでもいうのか?」
「この状況で憎まれ口を叩く余裕があるなんて、大した根性ね。でも、それもあと少しの間。これからあなたを、拷問した上で殺すから」
「殺す……」
板垣の顔から笑みが消えた。
三花は口角を吊り上げて微笑むと、いきなり人差し指を相手の乳房の傷口に捩じ込んだ。ひぐぅ、という呻き声。指を小刻みに動かす。
「あうっ、あっ、あぐ……」
「どう? 痛い? 痛いに決まってるよね。だって傷口を直に弄ってんだもん」
「やめ……っくぅ! あう、うあ……あああぁっ!」
指を動かす時間が長引くにつれて、傷口から流出する血の勢いが増していく。手を離した時、三花の右手は手首まで真っ赤に染まっていた。
「どう? 穴の内側をいじくり回された感想は」
「中々クレイジーだよ、早乙女三花……。でも、私としては、下についた穴にもっと太いのが欲しいかな」
肩で息をしながらも、板垣はふてぶてしく微笑んでみせる。
「なあ、早乙女三花。君の恋人が、佐藤友也が望むのなら、セックスしてあげてもいいよ。だから解放してくれ。頼むよ、なあ。何なら狭い方の穴を使ってくれてもいい。一樹様の手で開発済みだから。ていうかむしろ、そっちじゃないと気持ちよく――」
三花の右拳が板垣の顔面に炸裂し、鼻骨が砕ける音がした。拳が引っ込められると、ひしゃげた鼻の穴から鮮血が流れ出す。
「お前のケツの穴の事情なんて知るかよ、ブス」
地面に転がったバールを手に取る。その場にしゃがみ、凶器を垂直に立て、その先端を板垣の性器の入口へ。
「……何をするつもりだ」
問い質す声は、震えを帯びている。開かれた状態で固定された両脚は、鋼鉄のように緊張している。三花は板垣の顔を見ずに答える。
「あんたの望みを叶えてあげる。広い方の穴だけどね。さーん」
「えっ……ちょっ……」
「にーい」
「えっ、やめろよ。ちょ、マジで――え? えっ? えっ?」
「いーち」
「ああっ! 嫌だっ! ちょっと! お願い! あーっ! あー! あー! やだやだやだやだやだ――」
「ぜろ」
バールが一気に二十センチほど板垣の体内に埋まり、股間から滝のように血が溢れ出す。眼球が上方向に回転して黒目が隠れ、全身が激しく痙攣する。血に混じって尿が流れ落ち始めた。
「きたなっ」
三花はバールを握り締めていた手を離して立ち上がり、後ろ歩きをして板垣から距離を取った。凶器は三秒ほど現状を維持し、力なく地面に落ちる。先端部に付着した血は黒ずんでいる。
やがて失禁がやんだ。それに前後して、陰部から流れ出す血の勢いが弱まり始めたが、まだ止まらない。
三花は青龍刀を掴み上げ、雲梯の踏みざんと板垣の両手首を結ぶ紐を切り落とした。傷だらけの裸体が俯せに地面に横たわる。両脚を開かせたロープも切り、足で蹴って仰向けにさせ、顔面に唾を吐きかける。腹部を力強く踏みつける。
「おい、まだ死んでないだろ。起きろよ、板垣」
徐々に力を強めながら繰り返し踏みつけているうちに、板垣の双眸に黒目が復帰した。それに少し遅れて、唇から微かな掠れ声が漏れた。三花は足踏みをやめ、青龍刀の刃を板垣の首に突きつける。
「たっぷり痛めつけるつもりだったんだけど、発言がいちいちむかつくから、もう終わりにするね。言いたいことがあるなら、一言だけ口にする権利をあげる。あたしを激怒させるような、最低最悪の罵言を吐いてみろ」
凛とした光が湛えられた瞳と、衰弱しきった瞳が交差した。板垣は笑顔らしき表情を作り、震える唇を懸命に動かして叫んだ。
「万歳! 一樹様、万歳! 二葉様、万歳! 万ざ――」
板垣の頸部が深々と切り裂かれ、血飛沫が迸った。俺の目には、首から血が噴き出した後で切創が刻まれ、切創が刻まれた後で青龍刀が振るわれたように見えた。
「一言だけって言っただろうが。人の話聞けよ。……ったく」
青龍刀のきっさきを地面に突き刺した直後、遠くでサイレンの音が聞こえた。駐車場の方角からだ。
「三花、このサイレンは――」
「ひっくり返っている軽トラを見て通報した人がいるみたいね。息絶えたアリッサの方かもしれないけど」
アリッサ。その言葉の響きは、酷く懐かしいものに聞こえた。そういえば、須藤亜理紗にアリッサというニックネームをつけたのは俺だった。
「何はともあれ、逃げた方がよさそうね。いつここまでやって来るか分からないし。反対側の出入口を目指そう」
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