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本編
第098話 追跡と面会準備⑥
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「いえいえ、怒るなど恐れ多い。私は純粋にアザエル様の力、その片鱗をこの目で見ることができて嬉しいのです。『あぁ……私が仕えるのはこの方なのだ』と。そして……『神としてこの惑星に君臨すべきは貴方様なのだ』と」
歓喜にその身を震わせながら敬愛の念をそのまま口にするゼクスに、アザエルはニンマリと人懐っこい笑みを浮かべて言葉を返す。
「そうかい? 僕としては、あれくらいのことは朝飯前なんだけどね。キミのお気に入りの場所を潰してしまったのは申し訳ないけど、手っ取り早く終わらせるのはあれが一番だからね。まぁ、その分ここで仕事をする上で不都合なことがあったら遠慮なく言ってよ。大概のことは叶えるように手配するから」
「ハッ! その御言葉だけで充分です」
「変わらぬ忠誠をありがとう。しっかし、キミも大概だねぇ。こんな神の成り損ないの僕に、地獄の底まで付き合うってんだから」
「何を仰います。アザエル様の掲げる理想――それを達成するまでは、他の『ナンバーズ』も皆同じ思いでありましょう」
柔かに笑いながら、ゼクスはその敬愛を態度で示すように胸へ手を当てて軽く頭を下げる。
「ハハッ、だといいんだけどね」
配下である彼の慇懃な礼をに対し、アザエルはまるで気の合う友人と談笑するかのように砕けた調子で語る。
「あぁそうだ……」
しかし、不意にその人懐っこい笑みに狂気が混じる。
それまで口の中で転がしていた棒付き飴を、バキッと音を立てて砕いたアザエルは、飴の付いていた棒を口から引き抜くと、ヒュッと無造作にゼクスに向けて投げる。
投げられた棒はゼクスの頬、その数ミリ横を通過し――ビシィッ! と音を立てて背後の壁に突き刺さった。
棒が突き刺さった壁は蜘蛛の巣状に亀裂が走り、その威力の凄まじさを暗に物語る。
「生意気にもキミのところにネズミを送り込んだ飼い主なんだけど……これに懲りずにまだ僕たちのことを嗅ぎ回るようなら――消しといてくれる? 何度もチョロチョロされるのはさすがにウザイから」
「承知いたしました」
「よろしくね~」
アザエルの言葉を受け、深々と頭を下げたゼクスは「それでは任務に戻ります」と告げて去っていった。
「あっ、いっけね。この壁の亀裂、どーしよ……まぁ第七位あたりに任せるか」
机の引き出しから新たな棒付き飴を取り出したアザエルは、コロコロと舐めながら一人呟く。
「ふふっ……あのラウンドガードを倒し、呪い竜の骨を砕く人間のおでましか。ふむ……退屈してたトコだし、今回はどの程度遊べる相手なのかな? うーん、楽しみだ」
ニコニコと微笑みながらポツリと呟いたアザエルは、とりあえず壁の修理を頼もうと呼び鈴を鳴らした。
◆◇◆
御水瀬神社での戦闘から早一週間後、ツグナたちはようやく日常の生活へと戻った。
(はぁ……やっぱり空振りだった……分かっちゃいたけど、何の手掛かりも無いって結構へこむなぁ~)
登校後、自席でカバンを降ろしたツグナはへたりと力が抜けたようにその右頬を机の上に付けた。昨夜、ようやくあの「爆発現場」を訪れた彼は、アルファやゼクス、そしてアザエルにつながる手がかりを得ようと、召喚獣たちの力も借りてくまなく捜索を行った。しかしながら、数時間かけても目ぼしいものは得られず、結局落胆して帰るはめになったのだった。
行きは魔闘技を用いた移動で1時間程度で到着したが、その落ちたテンションで行きと同じように帰る気力が湧かなかったため、ジェスターの道化門を使ってショートカットして戻る――という、結果から見れば「ただ魔力を無駄に使っただけ」に終わったのである。
(うはぁ……手がかりが無かったのもそうだけど、地味に魔力を無駄に消費したのがキツイな……)
ツグナは机に身体を預けるように脱力する。彼はここに来てディエヴスが事前に告げていた「地球は魔力が皆無に等しい」というシビアさを噛み締めていた。
歓喜にその身を震わせながら敬愛の念をそのまま口にするゼクスに、アザエルはニンマリと人懐っこい笑みを浮かべて言葉を返す。
「そうかい? 僕としては、あれくらいのことは朝飯前なんだけどね。キミのお気に入りの場所を潰してしまったのは申し訳ないけど、手っ取り早く終わらせるのはあれが一番だからね。まぁ、その分ここで仕事をする上で不都合なことがあったら遠慮なく言ってよ。大概のことは叶えるように手配するから」
「ハッ! その御言葉だけで充分です」
「変わらぬ忠誠をありがとう。しっかし、キミも大概だねぇ。こんな神の成り損ないの僕に、地獄の底まで付き合うってんだから」
「何を仰います。アザエル様の掲げる理想――それを達成するまでは、他の『ナンバーズ』も皆同じ思いでありましょう」
柔かに笑いながら、ゼクスはその敬愛を態度で示すように胸へ手を当てて軽く頭を下げる。
「ハハッ、だといいんだけどね」
配下である彼の慇懃な礼をに対し、アザエルはまるで気の合う友人と談笑するかのように砕けた調子で語る。
「あぁそうだ……」
しかし、不意にその人懐っこい笑みに狂気が混じる。
それまで口の中で転がしていた棒付き飴を、バキッと音を立てて砕いたアザエルは、飴の付いていた棒を口から引き抜くと、ヒュッと無造作にゼクスに向けて投げる。
投げられた棒はゼクスの頬、その数ミリ横を通過し――ビシィッ! と音を立てて背後の壁に突き刺さった。
棒が突き刺さった壁は蜘蛛の巣状に亀裂が走り、その威力の凄まじさを暗に物語る。
「生意気にもキミのところにネズミを送り込んだ飼い主なんだけど……これに懲りずにまだ僕たちのことを嗅ぎ回るようなら――消しといてくれる? 何度もチョロチョロされるのはさすがにウザイから」
「承知いたしました」
「よろしくね~」
アザエルの言葉を受け、深々と頭を下げたゼクスは「それでは任務に戻ります」と告げて去っていった。
「あっ、いっけね。この壁の亀裂、どーしよ……まぁ第七位あたりに任せるか」
机の引き出しから新たな棒付き飴を取り出したアザエルは、コロコロと舐めながら一人呟く。
「ふふっ……あのラウンドガードを倒し、呪い竜の骨を砕く人間のおでましか。ふむ……退屈してたトコだし、今回はどの程度遊べる相手なのかな? うーん、楽しみだ」
ニコニコと微笑みながらポツリと呟いたアザエルは、とりあえず壁の修理を頼もうと呼び鈴を鳴らした。
◆◇◆
御水瀬神社での戦闘から早一週間後、ツグナたちはようやく日常の生活へと戻った。
(はぁ……やっぱり空振りだった……分かっちゃいたけど、何の手掛かりも無いって結構へこむなぁ~)
登校後、自席でカバンを降ろしたツグナはへたりと力が抜けたようにその右頬を机の上に付けた。昨夜、ようやくあの「爆発現場」を訪れた彼は、アルファやゼクス、そしてアザエルにつながる手がかりを得ようと、召喚獣たちの力も借りてくまなく捜索を行った。しかしながら、数時間かけても目ぼしいものは得られず、結局落胆して帰るはめになったのだった。
行きは魔闘技を用いた移動で1時間程度で到着したが、その落ちたテンションで行きと同じように帰る気力が湧かなかったため、ジェスターの道化門を使ってショートカットして戻る――という、結果から見れば「ただ魔力を無駄に使っただけ」に終わったのである。
(うはぁ……手がかりが無かったのもそうだけど、地味に魔力を無駄に消費したのがキツイな……)
ツグナは机に身体を預けるように脱力する。彼はここに来てディエヴスが事前に告げていた「地球は魔力が皆無に等しい」というシビアさを噛み締めていた。
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