愛の檻

瑠花

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興味

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《sideキルシュ》
模擬戦が終わり帰った後も、なぜか身体が高揚した。

(久々に剣を振ったから、体力が誤作動を起こしているのか?)

と思いつつ、先ほどからずっと剣を振るってみたが、その都度喉が渇いたように思うし、腹が空いたようにも思える。

(なんだろう不思議な感覚だな…)

そんなことを思っていると、

「珍しいねぇ~キルが剣を振るってるのって、授業でやったから?」

そこへ幼馴染のセシルがやってきた。セシルは王族だが、昔から王家に貿易関係で活躍する我が家は、たまに家族絡みで遊んだりしていたので、今でも喋ったりする。

「まぁそんなところだ。珍しいなセシルがこっちに来るなんて」
「えー僕もキルと喋りたいんだよ。最近喋れてないなーって思って。なのに、中々教室から出られないし、出たら出たでなぜかお疲れに見えるから血を吸ってほしいとか言われるしぃ」

ムッとしながら頬を膨らませている光景は、男にしては可愛いと部類されるため一定いるマニアには好評に見えるだろうが、俺にそんな趣味はない。

「まぁ可愛い女の子とかはたまに吸うけどねぇ。美味しければなお良しだし!」
「お前なぁ…節度くらい覚えろよ…」
「キルもたまには本物から吸えばいいのに、輸血パックじゃなくてさ。」

そう、別に今の時代直接吸わなければ飲めないわけではない。鮮度や味を落としてもいいなら輸血パックでも生きていける。ただそれは少数派なため高額で取引される。

「どんなやつかわからないのに、吸って不味いとか最悪じゃないか」

と言い返したが

(でも、メルビンの血は…)

と考えそうになりその思考を打ち消した。

(いや、さっき知り合ったばかりでどんなやつかはあまりわかっていないんだぞ…なんてことを)

「そういえばさ、キル、女の子に模擬戦苦戦してたねぇ。そんなに強かったの?」
「なんだ見てたのかよ…てか、授業聞いてろよ。」
「聞いてるよーでも、座学って退屈でさ。それで外を見たらキルが誰かと戦ってるんだもん。誰かなーって思ったら女の子だったからさ。」

どうやら一部始終見ていたらしい。自分を肯定してくれる人間をもたまにおなざり扱うため扱いづらいと有名なセシルが珍しく人間に興味を持った。

「あぁ、剣を扱うレベルも令嬢とは思えないくらいなのに頭の回転がいいのか、すぐさま機転を効かせていたからな、日々取り組まなければあそこまでにはならないだろう。」
「珍しい、キルがここまで剣術で褒めるなんて…。僕でもあんまり負かせないのに」

技術だけならキルが上だが魔能力で言えばセシルの方が上なため合わせるとセシルの方が有利となってしまうので中々勝てない。

「で?誰なのそのご令嬢は」
「なんでそんなこと聞くんだ?」

と聞き返すと、

「だってキルがそんなに言うんだからどんな子か気になるじゃん。教室からだと見えなかったんだよ顔は、僕も会ってみたい!」

と、ニコニコと効果音がつきそうなほどの笑顔で言い切った。なんだか癪に触って、

「お前には教えてない」

と、言ってやった
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