愛の檻

ニレヒの罪

この話はある禁忌の書の一冊である
その書の名前は…

『ニレヒの罪』

昔とある村に1人の女がいた。

その女は大層見目麗しく優しかったが人間なゆえ、とても非力で弱かった

いい値で買われればある商人の家を転々とさせられ、ある貴族の目に止まったのならば、また貴族の家を転々とさせられた

買われた家はほとんどがヴァンパイアやヴァンピールの家だったため、血を極限まで吸われることが多々あったらしい

血がなくなるまで飲み続けられることもあれば、ベッドの中で足腰立たなくなるまで犯されることもあると言う

玩具のように、乱雑にされることもあれば、慈しむように愛られることもあったと言う

しかし、その女は、くじけることなく強くたくましく生きていた。そんな女の姿に数多の男が惹かれた

不思議なことにその女が離れると、その女の血を吸ったものたちは、狂ったように、その女を欲しがるらしい

その女は惑わす色香を放っていたからだ

しかし、女は人間な為そのことに気づかない

あるものどもは自分がそばにいる権利を得るためにの全てを捧げるため、国を捧げ、財産を捧げ、愛を捧げ、時間を捧げ、民を捧げ、……


そういったことが続き、彼女の元には王国ほとんどのものが手に入ってしまった。しかし、彼女はちっとも嬉しくはなかった

なぜなら、欲しくもないものを捧げられ、捧げられた代償としてある塔へと監禁されてしまったのである

彼女は昔から憧れていたものがある。それは愛と自由である。ある人からの慈しみの心、どこへでも行ける広々とした景色…そういったものが欲しかった

ある時、女はあるヴァンパイアの男との交わりで子供を身籠った
好きではなかった男でも子供には罪はないとその子を産んだ

しかし、その子はバンビールの女だった

成長するにつれて見た目が少し冷たい印象を与えたが母の女と同じくらい優しかった
母となった女は自分と同じような目に子供があうのを恐れた

ただし、逃げようとしても、捕まり、死のうとしても、寸前で止められる

女は狂い始めてしまった

「ごめんっ、なさい…産まなくてよかったはずなのに、少し考えればっ、こんな思いするのは分かってたのに」

「どうすれば、どうすれば、一緒に生きられるの…」

「そう言えば、、、、」




「これで　　　」



子供を自分が描いた魔法陣の中に置いた

子供はなんのことかわからず笑ったまま母に手を伸ばそうとした

「またいつかあえるひをまっていて」




その後、子供と女の姿は誰も知らない


この女が去ってからというもの男たちは悲しみの浸り何もかもが退屈に思えてしまい、見目麗しかった風貌見せぬほどに変わり果てたとか、国をも歪めることになったとか

これを恐怖と捉えるものや、これを熱烈だと捉えるものが出て来た。そのためこの様になることを総じて“ 運命”と呼んだ

この世の中には1人は運命がいると思われている。それの人と結ばれることが2人の幸せかは、、、

　　　　　　　その人達次第


だから、自分を狂わすような匂いをした人がいたら気をつけましょう。その人は、きっと、あなたの運命でありあなたを幸福にも、不幸にも導く存在であろうから