伝染病-人食-

くろいぴあすのひと。

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伝染病

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[皆さん!東京都中央区で巨大な化け物が暴れています!今すぐ避難を・・・!]

そこで声は途切れる。そしてそこで目が覚める。

ああ、夢か・・・と汗をかいて湿った体をベットから起こす。すごく嫌な夢だ・・・

と思いながら目を擦りながら食パンを電子レンジに入れる。

高校三年生にもかかわらず親がいない。

というのも引っ越ししたのではなく親は病により死んだ、というのが正しい。

レンジから出したトーストを皿に乗せかぶりつく。

上手いとも不味いとも感じることなく空腹を満たすためにのみ食す。

この家の中でだけ自分は暗くなる。

いつもの制服に着替え鞄を持ち、返事の返らない空間に「いってきます」と一言零し外へ出る。

一軒家のドアを開ければ幼馴染の女子。東海寺さやかが待っていた。

「おはよー、待った?」

「待った、遅い!」

なんて会話をして学校まで歩く。先に沈黙を破ったのは幼馴染だった。

「・・・顔色悪いけど、また見たの?」

幼馴染は自分の異変にすぐ気付き指摘してくれる。

「うん、今度は、かなり・・・」

自分はたまに予知夢を見る。長いこと幼馴染な相手は予知夢を見たことも気付くらしい。

ただ、あれが予知夢なのだとしたら・・・

自分は考えるのが苦手だ。だから考えるのをやめる。

「・・・ああ、もう着いたみたいだね」

沈黙が続きいつの間にか学校についている。

まあ、クラスが同じだからここからも同じなんだが・・・

「ねえねえ、またショウ君とさやかさん一緒に登校してるよ」

「付き合ってるのかな」

そんなことを同級生から言われる。

確かに男女が一緒に登校していたらそう見えるのかもしれない。

ただし当の自分たちはただの幼馴染という関係であり邪な気持ちはないというのが事実だ。

はあ、とため息を漏らし3-Bと書かれた看板のある教室に入る。

しばらくして眠ってしまった。

勉強が嫌いなわけではないが唐突な睡魔に襲われた。

気付いて起き上がるともう下校時刻だ。

幼馴染は部活だったか、と鞄を持ち通学路を歩く。

すると景色こそ変わらないが空気感が変わったような気がしてあたりを見回す。

・・・悪夢の、始まりだった。
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