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「爆破テロとの対面」
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夜の倉庫。
少し蒸し暑いアスファルトを踏みながら、
あの犯罪者がいるであろう倉庫の扉を開けた。
「...あァ、どうやら見つかったようだ」
...思っていたのとは違った。
そこに居たのは、若い女性だった。
10代と言っても通るようなその女性には
長い水色の髪があり、それを引き立たせるような真っ黒な、
吸い込まれそうな何かを持った双眸が埋め込まれていた。
「...はじめまして、になるのかな?
なぁ、柚木圭」
「...!?」
名前を呼ばれた。
初対面であるのは勿論、「はじめまして、になる」
というのはわからない。
...こいつは一体なんだ?
「...そうだ、私も名乗ろうか。
こんばんは。私がヘビ女だ。」
自分がした事を誇りに思っているような、
その態度にどうしてもイラついた。
「...巫山戯るなよ、」
「ああ、動かない方がいいぞ?
...あの連続殺人魔が来るかもしれないし、
ここが火の海になるかもしれないし、
もしかしたらお前の食うものに毒が含まれるかもしれないし...なあ?」
...こいつがここまで情報を晒すメリットは?
「...お前は目を覚ます気は無いんだな?」
「目を覚ます...なんのことだ?」
「...成程。この狂った世界をまだ続ける気なんだな?
こんな紅い空をした世界を。」
...本当に何を言っている?
空は紅くもないし狂ってもいない。
...一体何を?
「...ああ。時間のようだな。
そうだ柚木圭。ひとつアドバイスだ。
ヘビの交尾は何日も続くそうだ。
そのくらいの覚悟で私を捕まえるんだな」
そのままそいつは星の光る空に飛んでいった。
...一体なんだったんだ?
「...警部!」
「...李奈ちゃん」
そういえば外では爆弾処理をしていたはず。
...どうして、あいつは...?
「...おそらく、今大きくなってる事件は...全部、グルだね」
先程の言葉をそのまま捉え、ボソリと呟いたのだった。
◇◇◇◇◇
「あー!お帰り!」
「ああ、ただいま。」
...あいつはやっぱり何も分かってない...
このままだと、きっと...
このままでは、ダメだ...
少し蒸し暑いアスファルトを踏みながら、
あの犯罪者がいるであろう倉庫の扉を開けた。
「...あァ、どうやら見つかったようだ」
...思っていたのとは違った。
そこに居たのは、若い女性だった。
10代と言っても通るようなその女性には
長い水色の髪があり、それを引き立たせるような真っ黒な、
吸い込まれそうな何かを持った双眸が埋め込まれていた。
「...はじめまして、になるのかな?
なぁ、柚木圭」
「...!?」
名前を呼ばれた。
初対面であるのは勿論、「はじめまして、になる」
というのはわからない。
...こいつは一体なんだ?
「...そうだ、私も名乗ろうか。
こんばんは。私がヘビ女だ。」
自分がした事を誇りに思っているような、
その態度にどうしてもイラついた。
「...巫山戯るなよ、」
「ああ、動かない方がいいぞ?
...あの連続殺人魔が来るかもしれないし、
ここが火の海になるかもしれないし、
もしかしたらお前の食うものに毒が含まれるかもしれないし...なあ?」
...こいつがここまで情報を晒すメリットは?
「...お前は目を覚ます気は無いんだな?」
「目を覚ます...なんのことだ?」
「...成程。この狂った世界をまだ続ける気なんだな?
こんな紅い空をした世界を。」
...本当に何を言っている?
空は紅くもないし狂ってもいない。
...一体何を?
「...ああ。時間のようだな。
そうだ柚木圭。ひとつアドバイスだ。
ヘビの交尾は何日も続くそうだ。
そのくらいの覚悟で私を捕まえるんだな」
そのままそいつは星の光る空に飛んでいった。
...一体なんだったんだ?
「...警部!」
「...李奈ちゃん」
そういえば外では爆弾処理をしていたはず。
...どうして、あいつは...?
「...おそらく、今大きくなってる事件は...全部、グルだね」
先程の言葉をそのまま捉え、ボソリと呟いたのだった。
◇◇◇◇◇
「あー!お帰り!」
「ああ、ただいま。」
...あいつはやっぱり何も分かってない...
このままだと、きっと...
このままでは、ダメだ...
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