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デバッグ
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とある平日の昼下り、俺はリビングでくつろいで、ゲームをしていた。
そのゲームはというと、仮想世界にフルダイブする、VRMMORPGである。
今日も今日とて、俺は学校にも行かず、VRヘッドセットを装着して、ネットの友達と狩りに勤しんでいた。
もう少しで、神殿深くにいる、アブラダブラという、超巨大ドラゴン系モンスターが倒せるというとき、その事件は起こった。
突如、視界がブラックアウトして、目の前は神殿の最奥部ではなく、家のリビングの風景に変わった。
俺の姉貴、阿澄朱里が、ヘッドセットのコードを突然抜いたのである。
「おい姉貴、殺すぞ」
ドスをきかせた声でそう言い、横にいる姉貴を睨み付けた。
「そんな怖い顔しないでよー」
「うるせー! なんでいきなりコンセント抜いたんだよ!」
「突然だけど、暇な海人かいとに、あるゲームのデバッグをやってほしいのよ
「俺の話を聞け! 今ちょうど忙しかったのに、全部姉貴がパーにしたんじゃねーか!!」
「こんなところでゲームしてるからよ」
姉貴は呆れた声でそう言うと、コンセントを繋ぎなおした。
「待てよ、俺はまだ姉貴の仕事の手伝いをするなんて一言も言ってないぞ」
「あんた、学校にも行かずに家でVRMMOのゲームばっかやってるじゃない、ちょっとくらい手伝ってくれてもいいじゃん」
「それとこれとは関係ないだろ。それに、今からまた忙しくなるから」
俺は、再びヘッドセットの側面に配置してあるボタンを押して、ゲームを起動しようとしたが、姉貴は それを阻止するために、ゲームのカセットをヘッドセットから抜いた。
「おい、それ返せよ!!!」
「忙しいって、ネットの友達とモンスターの討伐クエストやってるだけでしょ、ほんとにちょっとだけでいいか、らゲームのデバッグやってよ」
姉貴は甘えた声で、両手を合わせて、お願いしてきた。
「だから、忙しいんだって。 また、アブラダブラの討伐クエスト行かなきゃいけないし……」
「そんなのは明日でもできるから」
「姉貴ちょっと横暴すぎるよ、頼み事があるならもっと誠意を見せてくれよ」
「じゃあ、1日デバッグやってくれるとこんだけお駄賃上げる」
姉貴はそう言ってから、人差し指を一本立てた。
「1万円?」
「いや、1000円」
「少なっ?! 日雇いのバイト1時間やれば普通に稼げるじゃん!!」
「あんた、バイトしたことないじゃん。 両親と私が入れてるお金で毎日ニートしてるだけじゃん」
突然正論を言われ、返す言葉に戸惑った。
「もうめんどくせーな…… ちょっとだけだからな、1時間だけプレイして終わり。それでいい?」
「ありがと!!自慢の弟よー!!」
「キモいから普通にやめてくれよ……」
姉貴は、俺の言葉を聞かなかったふりをして、自室に戻ってゲームを取りに行った。
阿澄朱里、すでに成人している俺の姉である。
年齢は23歳。髪はショートで、整った顔立ちをしている、わりと美人な女性である。
身長は167?くらいで、173?の俺より少しだけ低い。
詳しくは知らないが、とあるゲーム会社でゲーム開発をしているらしい。
俺たちの両親は共働きで、家に帰ってくることはほとんどなく、実質姉貴がこの家の主導権を握っている。
当の俺はというと、今は高校3年で、一応学校に在籍していることになっているが、後期に入ってから、今の12月まで一度も学校には行ってない。
その理由はというと、色々あるが、姉貴が家に持って帰ってきたVRMMORPGにドハマりしたからである。
その日から、学校にも行かずに家でゲームを楽しんでいる。
最初の数日は、姉貴も色々説教をしてきたが、もう何も言うことは無くなった。
俺は、高校や、外では少し荒れた生活を送っていたため、人様に迷惑をかけることが無くなったから、姉貴も深くは言ってこなくなったのだと勝手に解釈しているが、実際のところはわからなかった。
やがて、姉貴がゲームのカセットを持ってリビングに戻ってきた。
「じゃあとりあえず、カセット入れるから、そのまま座ってて」
「ちょっと待ってくれよ、何のジャンルか聞いてないんだけど。アクション? RPG?」
「いや、ADVゲームだけど?」
「ちょっと待ってくれよ!!ADVゲームとかやったことねーよ!!」
「とりあえず、女の子と仲良くなって、クリア目指すだけだから。今回のは、プレイしてバグがあるか試すだけだし、まあ気楽にやってよ」
姉貴はそれだけ言って、無理やり、VRヘッドセットにカセットを差し込み、側面にある電源ボタンを押した。
「ちょ?! 姉貴?!」
「じゃ、頑張ってね~」
視界がブラックアウトして、気が付くとリビングではなく、俺は、知らない家の廊下に立っていた。
そのゲームはというと、仮想世界にフルダイブする、VRMMORPGである。
今日も今日とて、俺は学校にも行かず、VRヘッドセットを装着して、ネットの友達と狩りに勤しんでいた。
もう少しで、神殿深くにいる、アブラダブラという、超巨大ドラゴン系モンスターが倒せるというとき、その事件は起こった。
突如、視界がブラックアウトして、目の前は神殿の最奥部ではなく、家のリビングの風景に変わった。
俺の姉貴、阿澄朱里が、ヘッドセットのコードを突然抜いたのである。
「おい姉貴、殺すぞ」
ドスをきかせた声でそう言い、横にいる姉貴を睨み付けた。
「そんな怖い顔しないでよー」
「うるせー! なんでいきなりコンセント抜いたんだよ!」
「突然だけど、暇な海人かいとに、あるゲームのデバッグをやってほしいのよ
「俺の話を聞け! 今ちょうど忙しかったのに、全部姉貴がパーにしたんじゃねーか!!」
「こんなところでゲームしてるからよ」
姉貴は呆れた声でそう言うと、コンセントを繋ぎなおした。
「待てよ、俺はまだ姉貴の仕事の手伝いをするなんて一言も言ってないぞ」
「あんた、学校にも行かずに家でVRMMOのゲームばっかやってるじゃない、ちょっとくらい手伝ってくれてもいいじゃん」
「それとこれとは関係ないだろ。それに、今からまた忙しくなるから」
俺は、再びヘッドセットの側面に配置してあるボタンを押して、ゲームを起動しようとしたが、姉貴は それを阻止するために、ゲームのカセットをヘッドセットから抜いた。
「おい、それ返せよ!!!」
「忙しいって、ネットの友達とモンスターの討伐クエストやってるだけでしょ、ほんとにちょっとだけでいいか、らゲームのデバッグやってよ」
姉貴は甘えた声で、両手を合わせて、お願いしてきた。
「だから、忙しいんだって。 また、アブラダブラの討伐クエスト行かなきゃいけないし……」
「そんなのは明日でもできるから」
「姉貴ちょっと横暴すぎるよ、頼み事があるならもっと誠意を見せてくれよ」
「じゃあ、1日デバッグやってくれるとこんだけお駄賃上げる」
姉貴はそう言ってから、人差し指を一本立てた。
「1万円?」
「いや、1000円」
「少なっ?! 日雇いのバイト1時間やれば普通に稼げるじゃん!!」
「あんた、バイトしたことないじゃん。 両親と私が入れてるお金で毎日ニートしてるだけじゃん」
突然正論を言われ、返す言葉に戸惑った。
「もうめんどくせーな…… ちょっとだけだからな、1時間だけプレイして終わり。それでいい?」
「ありがと!!自慢の弟よー!!」
「キモいから普通にやめてくれよ……」
姉貴は、俺の言葉を聞かなかったふりをして、自室に戻ってゲームを取りに行った。
阿澄朱里、すでに成人している俺の姉である。
年齢は23歳。髪はショートで、整った顔立ちをしている、わりと美人な女性である。
身長は167?くらいで、173?の俺より少しだけ低い。
詳しくは知らないが、とあるゲーム会社でゲーム開発をしているらしい。
俺たちの両親は共働きで、家に帰ってくることはほとんどなく、実質姉貴がこの家の主導権を握っている。
当の俺はというと、今は高校3年で、一応学校に在籍していることになっているが、後期に入ってから、今の12月まで一度も学校には行ってない。
その理由はというと、色々あるが、姉貴が家に持って帰ってきたVRMMORPGにドハマりしたからである。
その日から、学校にも行かずに家でゲームを楽しんでいる。
最初の数日は、姉貴も色々説教をしてきたが、もう何も言うことは無くなった。
俺は、高校や、外では少し荒れた生活を送っていたため、人様に迷惑をかけることが無くなったから、姉貴も深くは言ってこなくなったのだと勝手に解釈しているが、実際のところはわからなかった。
やがて、姉貴がゲームのカセットを持ってリビングに戻ってきた。
「じゃあとりあえず、カセット入れるから、そのまま座ってて」
「ちょっと待ってくれよ、何のジャンルか聞いてないんだけど。アクション? RPG?」
「いや、ADVゲームだけど?」
「ちょっと待ってくれよ!!ADVゲームとかやったことねーよ!!」
「とりあえず、女の子と仲良くなって、クリア目指すだけだから。今回のは、プレイしてバグがあるか試すだけだし、まあ気楽にやってよ」
姉貴はそれだけ言って、無理やり、VRヘッドセットにカセットを差し込み、側面にある電源ボタンを押した。
「ちょ?! 姉貴?!」
「じゃ、頑張ってね~」
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