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迷い込んだ世界は…
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「とりあえず、ゲームを強制終了させれば……!」
俺はそう思いたって、右手の人差し指を縦に振り、メニュー画面を呼び出そうとしたが、出てきたのは、セーブ&ロードの項目だけだった。
「は? メニュー画面に終了ボタンが無いんだが……。 ちょっと姉貴!!このゲームバグってるぞ!!!」
姉貴に向けて叫んでみたが、何の返答も来なかった。
バグ。その自分の言葉で思い出した。
俺は詳しい知識はないが、こういったゲームは、脳波を直接読み込んで、仮想世界に飛ばすという方法を取っているらしい。
ゲームを終了させる方法は、どのゲームも共通して、右の人差し指を縦に振りメニュー画面を開いて、終了ボタンを押すというものだ。
これは、ゲームごとに終了方法が違えば、プレイヤーが混乱するため、どのゲームも絶対に共通した措置を取られている。
ゲームを終了する方法が無ければ、どこかのデスゲームよろしく、仮想世界に囚われることになる。
そのため、そもそもゲームを起動することが出来ないはずなのだ。
それなのに、なぜかゲームは起動して、俺は今この世界にいた。
「異世界転生……? いまどき、そんな古いゲームみたいな展開ってあるか?」
俺は、そんなありえないことを考えたが、すぐにそれを否定した。
メニュー画面は確かに開いて、セーブ&ロードの画面は表示されているのだ。
「異世界、じゃなくて、ゲームの中に転生した……?」
そう考えるのが一番妥当な線だった。
ゲームの中に囚われるということは、システム上絶対にありえないからである。
「マジかよ、どうせこんなことになるなら、RPGとかの世界が良かったぜ……」
とりあえず、どこかにこの世界から脱出する方法があることを祈って、俺は家を探索してみることにした。
「お兄ちゃん!おはようございます!!」
動き出そうとした時、突然透き通った声の女の声がして、後ろを振り向いた。
そこには、姉貴よりも少し背の低い可愛い少女が立っていた。
少女は、襟がエンジ色の、高校の冬制服を着ている。
髪は肩のあたりまで伸びていて、前髪は、きれいにまっすぐ切りそろえられていた。
「誰お前、もしかして、お兄ちゃんって俺のこと?」
「そうだよ、お兄ちゃん。忘れちゃったの?」
俺をお兄ちゃんと呼ぶその少女は、不思議そうな顔で俺のことを見てきた。
「まあ、お兄ちゃん抜けてるとこあるし。もしかして、まだ寝ぼけてたりする? もう起きなきゃダメだよ!」
少女は、俺のほっぺたを両手でつねってきた。
「てめぇ、いきなり何しやがる! 俺に妹なんていないし、そんな舐めた口きいてると、顔面ぶん殴るぞ!!」
さっきの姉貴の時と同じく、俺はドスの聞かせた声でそう言った。
調子に乗っている奴はこういえば大抵黙り込む。
「わ!ビックリした!! お兄ちゃん不良の真似事? 今時そんなこと流行らないよ!!」
黙らなかった。
「えっ、なんで怖がらないの……」
人と接することが苦手なチキンの俺は、こうやって今まで人を追い払ってきたが、こんなケースは初めてで、つい素が出てしまった。
「い、いやいや、ほんとに殴るからな?!」
声が震えた。
「お兄ちゃん馬鹿なの? 早く用意しないと置いていくよ!」
精いっぱいの抵抗も一蹴されて、少女は俺の手を握ってきた。
「ちょ、ちょっと! 何すんの?!」
「お兄ちゃん、制服に着替えてるけど鞄持ってないじゃん! 早く部屋に取りに行くよ!!」
少女は俺を連れて階段を上り、2階まで連れてきた。
2階には、2つだけドアがあり、手前は、『愛梨の部屋』、奥は『海人の部屋』という札がぶら下げてあった。
ゲームの中でも名前は海人なのかよ。
多分、この少女は愛梨という名前なのだと、推測した。
「ちょっと、愛梨離してくれ! ちゃんと話聞いて!!」
「お兄ちゃん、ちゃんと名前覚えてるじゃん、やっぱりさっきの忘れたふりだったんだね」
「いや、それは本当に知らないんだって……」
愛梨は、俺を無視して、『海人の部屋』という札が下げられているドアの前まで連れてきた。
「さ! 早くカバン取ってきて!!」
「そう言われてもな……」
「早く!!」
「す、すいません!!」
いきなり声を荒げられ、びっくりしてすぐに部屋の中に入った。
部屋はわりと狭くて、左側にベッドと、正面に勉強机しか置いてなかった。
机の隣に、黒いカバンが掛けられていたため、これだろと思い、俺はそのカバンを持って愛梨のところに向かった。
「持ってきました……」
「何でお兄ちゃん敬語使ってるの?」
「いや、ほんとなんでだろね……」
「変なお兄ちゃんだね、早く学校行くよ! お兄ちゃん今日から新学年なんだから、遅れたら怒られるよ!!」
「あ、今日から新学年なんだね」
「ほんとにどうしたの? 愛梨心配になってきたよ……」
愛梨にいらぬ心配をされた。
「大丈夫だよ……」
「とりあえず顔、洗ってきたら?」
「そうするよ、ところで洗面所ってどこだっけ?」
「お兄ちゃん、病院行った方がいいんじゃない……?」
とりあえず洗面所を案内してもらった。
「じゃあ、愛梨は玄関で待ってるから、早く顔洗って玄関来てね」
「うん、ありがとう愛梨」
素直にそう言って、俺は洗面所に入って、鏡を見た。
そこには、取り立てて魅力の無い、ほんの少しだけ目つきの悪い、いつもの俺が写り込んでいた。
「ゲームの中なんだから、もっとイケメンがよかった……」
とりあえず、顔を洗って、玄関に向かった。
俺はそう思いたって、右手の人差し指を縦に振り、メニュー画面を呼び出そうとしたが、出てきたのは、セーブ&ロードの項目だけだった。
「は? メニュー画面に終了ボタンが無いんだが……。 ちょっと姉貴!!このゲームバグってるぞ!!!」
姉貴に向けて叫んでみたが、何の返答も来なかった。
バグ。その自分の言葉で思い出した。
俺は詳しい知識はないが、こういったゲームは、脳波を直接読み込んで、仮想世界に飛ばすという方法を取っているらしい。
ゲームを終了させる方法は、どのゲームも共通して、右の人差し指を縦に振りメニュー画面を開いて、終了ボタンを押すというものだ。
これは、ゲームごとに終了方法が違えば、プレイヤーが混乱するため、どのゲームも絶対に共通した措置を取られている。
ゲームを終了する方法が無ければ、どこかのデスゲームよろしく、仮想世界に囚われることになる。
そのため、そもそもゲームを起動することが出来ないはずなのだ。
それなのに、なぜかゲームは起動して、俺は今この世界にいた。
「異世界転生……? いまどき、そんな古いゲームみたいな展開ってあるか?」
俺は、そんなありえないことを考えたが、すぐにそれを否定した。
メニュー画面は確かに開いて、セーブ&ロードの画面は表示されているのだ。
「異世界、じゃなくて、ゲームの中に転生した……?」
そう考えるのが一番妥当な線だった。
ゲームの中に囚われるということは、システム上絶対にありえないからである。
「マジかよ、どうせこんなことになるなら、RPGとかの世界が良かったぜ……」
とりあえず、どこかにこの世界から脱出する方法があることを祈って、俺は家を探索してみることにした。
「お兄ちゃん!おはようございます!!」
動き出そうとした時、突然透き通った声の女の声がして、後ろを振り向いた。
そこには、姉貴よりも少し背の低い可愛い少女が立っていた。
少女は、襟がエンジ色の、高校の冬制服を着ている。
髪は肩のあたりまで伸びていて、前髪は、きれいにまっすぐ切りそろえられていた。
「誰お前、もしかして、お兄ちゃんって俺のこと?」
「そうだよ、お兄ちゃん。忘れちゃったの?」
俺をお兄ちゃんと呼ぶその少女は、不思議そうな顔で俺のことを見てきた。
「まあ、お兄ちゃん抜けてるとこあるし。もしかして、まだ寝ぼけてたりする? もう起きなきゃダメだよ!」
少女は、俺のほっぺたを両手でつねってきた。
「てめぇ、いきなり何しやがる! 俺に妹なんていないし、そんな舐めた口きいてると、顔面ぶん殴るぞ!!」
さっきの姉貴の時と同じく、俺はドスの聞かせた声でそう言った。
調子に乗っている奴はこういえば大抵黙り込む。
「わ!ビックリした!! お兄ちゃん不良の真似事? 今時そんなこと流行らないよ!!」
黙らなかった。
「えっ、なんで怖がらないの……」
人と接することが苦手なチキンの俺は、こうやって今まで人を追い払ってきたが、こんなケースは初めてで、つい素が出てしまった。
「い、いやいや、ほんとに殴るからな?!」
声が震えた。
「お兄ちゃん馬鹿なの? 早く用意しないと置いていくよ!」
精いっぱいの抵抗も一蹴されて、少女は俺の手を握ってきた。
「ちょ、ちょっと! 何すんの?!」
「お兄ちゃん、制服に着替えてるけど鞄持ってないじゃん! 早く部屋に取りに行くよ!!」
少女は俺を連れて階段を上り、2階まで連れてきた。
2階には、2つだけドアがあり、手前は、『愛梨の部屋』、奥は『海人の部屋』という札がぶら下げてあった。
ゲームの中でも名前は海人なのかよ。
多分、この少女は愛梨という名前なのだと、推測した。
「ちょっと、愛梨離してくれ! ちゃんと話聞いて!!」
「お兄ちゃん、ちゃんと名前覚えてるじゃん、やっぱりさっきの忘れたふりだったんだね」
「いや、それは本当に知らないんだって……」
愛梨は、俺を無視して、『海人の部屋』という札が下げられているドアの前まで連れてきた。
「さ! 早くカバン取ってきて!!」
「そう言われてもな……」
「早く!!」
「す、すいません!!」
いきなり声を荒げられ、びっくりしてすぐに部屋の中に入った。
部屋はわりと狭くて、左側にベッドと、正面に勉強机しか置いてなかった。
机の隣に、黒いカバンが掛けられていたため、これだろと思い、俺はそのカバンを持って愛梨のところに向かった。
「持ってきました……」
「何でお兄ちゃん敬語使ってるの?」
「いや、ほんとなんでだろね……」
「変なお兄ちゃんだね、早く学校行くよ! お兄ちゃん今日から新学年なんだから、遅れたら怒られるよ!!」
「あ、今日から新学年なんだね」
「ほんとにどうしたの? 愛梨心配になってきたよ……」
愛梨にいらぬ心配をされた。
「大丈夫だよ……」
「とりあえず顔、洗ってきたら?」
「そうするよ、ところで洗面所ってどこだっけ?」
「お兄ちゃん、病院行った方がいいんじゃない……?」
とりあえず洗面所を案内してもらった。
「じゃあ、愛梨は玄関で待ってるから、早く顔洗って玄関来てね」
「うん、ありがとう愛梨」
素直にそう言って、俺は洗面所に入って、鏡を見た。
そこには、取り立てて魅力の無い、ほんの少しだけ目つきの悪い、いつもの俺が写り込んでいた。
「ゲームの中なんだから、もっとイケメンがよかった……」
とりあえず、顔を洗って、玄関に向かった。
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