断食の聖

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聖婚

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101日目。
噂は既に世界に駆け巡っており、各地からアレンの姿を拝もうと人々が断食郷に集まっておりました。
その中にはヒッポラとアドレの姿もありました。
兄弟は特別の許可を得て、アレンの前に進み出てひれ伏してからヒッポラが言いました。
「私達の尊い弟のアレン様、あなたの兄のヒッポラとアドレでございます。私達があなたの優しさと弱い立場を利用して行った数々の無礼をどうか許して下さい」
「あなた方がいたからこそ今のリアルがあるのだ、むしろありがとうと言わねばなりません」
「はーっ!ありがとうございます」
ヒッポラとアドレは、弟アレンの神々しさに圧倒されていました。
アレンはもはや薄汚れた修行僧ではなく、立派な衣装を纏った琥珀の王子の姿になっていました。
「ヒッポラとアドレよ、あなた方はここで修業を積み上げて、弱き人々を助ける伝道師に成りなさい」
「はい、分かりました」
こうしてヒッポラとアドレは農家の仕事を辞めて断食郷で真面目に修業をしたそうです。

兄弟の対面が終わると、大聖となったアレンを祝う開眼大祭が行われました。
アレンすなわち琥珀の王子に縁のある者達が駆けつけていました。
中でも人目を引いたのは、アレンの開眼と共に呪いが解け馬車を走らせてやって来ていたサンドラーチェ女神と従者ウラハン、そして森の動物達の一行でした。
この日の為にウラハンが丹精込めて作り上げた豪華な馬車から麗しき女神が登場すると、群衆から歓声と拍手が沸き起こりました。
サンドラーチェ女神と琥珀の王子の恋の物語を知らぬ者はいなかったからです。
サンドラーチェは進み出て琥珀の王子と口吻をしました。
空が二人を祝福して七色のアーチをかけていました。
「サンディー、僕達はこれで結婚の約束を果たしたようだ」
「そうねヤン、これ程素敵で幸せな結婚式を挙げた花嫁さんが今迄いたかしら?」
「始めてかもしれないね」
これはいわゆる聖婚でした。
二人に起こった奇跡の物語が、集まった群衆一人ひとりの心に種となって浸透してゆく感覚を、大聖アレンは見ていました。

人々の興奮が落ち着きを取り戻すと、かつての河神ガルバトスがやって来ました。
「ヤントス王子、お久しぶりにございます」
「やぁ、ガルバトス君」
「あなたのお陰で私は人間になり、今は日々修業しております」
「私もあなたのお陰で人々や生き物を守る龍神の経験をうることが出来た、ありがとう」
「どうぞお幸せに!」
「君の幸せも祈っています」
大聖アレンから集まった人々に幾つかの言葉があって祭りは終わりました。
この日集まった人々は、歓喜に満たされたまま家路に帰ってゆきました。
信念は達成される事を学んで帰り、他の人達にも教えたと言う事です。

おしまいです!

大聖アレンから、皆さんにメッセージがあります。

「もし、昨日家族や友人に冷たくしてしまったなら、今日は優しく温かい言葉をかけて下さい。
それが恋人や配偶者なら、歯の浮くような素敵な言葉をかけてあげても良いです。
独り寂しくしている人を見かけたら、声をかけて友達になってあげて下さい。
心はとても大きな世界からの贈り物です。大事に使って下さい。
私は期待していますよ。

                琥珀の王子より」

それでは、これで本当にお別れです、さようなら。



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