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第一章
魔王を討伐してしまった
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ソークのパーティーから追放されてから一週間後、俺は魔王城にいた。
俺がパーティーを追放された翌日、ゼルエン王国の国王が急に魔王討伐隊を募集し始めた。
魔王とはモンスターの最高権力者のことで、世界の北の果てにある魔王城に住んでいるらしい。
どうやら、もうすぐ人間の国に攻め込もうとしていることが発覚したらしく、それで討伐隊が結成されたようだ。
数々の一流冒険者が討伐隊に名乗りを上げる中、俺は他の依頼を受けるべくギルド本部に行った。
そして、そこで俺は出会ってしまったのだ。
同じ村出身の幼馴染であるヨリアという少女に。
「あ、カノス君久しぶり~」
ほんわかとした雰囲気でヨリアが近づいてくる。
「おう、久しぶりだな」
「カノス君ももしかして魔王討伐隊に申請する感じ?」
その一言を聞いて俺は改めて彼女との実力差を感じた。
ヨリアは綺麗な茶色の髪や少し小柄な可愛らしい見た目とは裏腹に、かなりの実力を持った冒険者である。
彼女は村にあった長年誰も抜けなかった聖剣を抜くことに成功し、それ以降数々の功績をあげてSランク冒険者になっていた。
そして、彼女はいつしか『勇者』と呼ばれるようになった。
俺は、そんな彼女に恋していた。
そして、そのことから俺は先ほどの質問に見栄をはってこう答えてしまった。
「そうだ。俺も魔王討伐隊に参加するつもりだ」
こうして後に引けなくなった俺は魔王討伐隊に参加することになり、ヨリアや一流冒険者たちと共に飼いならされたワイバーンに乗って魔王城へやってきたのだ。
ちなみに、よく見たらソークたちもいた。
魔王城に到着してから数時間後、俺とヨリアはどう見ても怪しい扉を見つけてしまった。
きっかけは魔王城内がいくつもの道に分かれていたことだ。
道が分かれるたびにみんなが別々に分かれたことで、最終的に俺とヨリアのみの状態になったのだ。
俺達は道中の敵を倒しつつ、ずっと続いてるとしか思えないような長い廊下を進んでいった。
その結果、めちゃくちゃデカくて恐ろしいほどの邪気を放つ扉を見つけてしまったのだ。
「どうする……これどう見ても魔王いるパターンじゃん……」
「そうだね……いったん戻ろうか」
ヨリアがそう提案したその時。
ドガチャン!!
扉がものすごい勢いで開いてしまった。
そして、扉の向こうから何者かが飛び出してきた。
「『防御魔法』発動!」
そう言ってヨリアが防御魔法を瞬時に発動させる。
俺達の面前に巨大なバリアが現れ、魔王と思われる何者かの突進を防ぐ。
魔王は衝突の衝撃で扉の向こうの部屋にまで飛ばされた。
『さすが聖剣使い…魔王であるワシの不意打ちを防ぐとはな…』
角の生えた男のような見た目をした魔王がそう言った。
「魔王、あなたの命は私がここで断ち切ってもらうよ」
ヨリアが勇者らしくカッコいいことを言う。
俺はその隙にヨリアに痛覚軽減魔法をかけた。
そして、魔王にもこっそり痛覚増幅魔法をかけた。
とびきり強力なやつを。
「ほう…では早速お前たちを絶望に染め上げよう…」
そう言うと魔王はヨリアが持っていた聖剣を念動力で引っ張り上げ、自分の手元に持って行った。
そして、聖剣を瞬く間に邪悪なオーラをまとう紫色の剣へと変えたのだ。
「そんな……聖剣が悪魔のような剣に……」
呆然とするヨリアをよそに、魔王が語り始める。
「今から数百年前、人間どもは俺たちの先祖が作った魔剣を奪って無理やり浄化して使おうとした。しかし、その反動で特定の人間しか扱えない剣になってしまったのだ」
「つまり、その姿が聖剣本来の姿ということか」
「聖剣使いの連れよ、なかなかに理解が早いな。つまり、この剣は長年人間に虐げられていたんだ。本来の使い方で使わせてもらうぞ!」
そう言って魔王は俺に切りかかってきた!
「危ない!」
ヨリアが盾を持ってとっさに俺をかばう。
その結果、ヨリアの楯は粉々に砕けてしまった。
が、それと同時に魔王の顔に盾の破片で軽く当たった。
その時、勝負は決した。
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」
魔王が先ほどのドスの効いた声とは対照的なモンスターらしい甲高い悲鳴を上げる。
どうやら俺の痛覚増幅魔法によって、盾の破片が当たっただけでもかなりの痛みを感じたらしい。
「お前ええええ!!!!さてはかなり強力な痛覚増幅魔法をかけたなああああああ!!!!何倍に増幅したあああ!!!答えろおおおおお!!!!」
「3000倍だ!」
「ひぎゃああああああああ!!!!!しゃんじぇんばいいいいいいいいいい!!!!!!」
そう言ってから、魔王は息絶えた。
彼の身体は瞬く間に消え、魔剣と左右の角のみがその場に残った。
「もしかして私たち……」
「魔王を倒したのか……」
俺達は英雄になってしまった。
俺がパーティーを追放された翌日、ゼルエン王国の国王が急に魔王討伐隊を募集し始めた。
魔王とはモンスターの最高権力者のことで、世界の北の果てにある魔王城に住んでいるらしい。
どうやら、もうすぐ人間の国に攻め込もうとしていることが発覚したらしく、それで討伐隊が結成されたようだ。
数々の一流冒険者が討伐隊に名乗りを上げる中、俺は他の依頼を受けるべくギルド本部に行った。
そして、そこで俺は出会ってしまったのだ。
同じ村出身の幼馴染であるヨリアという少女に。
「あ、カノス君久しぶり~」
ほんわかとした雰囲気でヨリアが近づいてくる。
「おう、久しぶりだな」
「カノス君ももしかして魔王討伐隊に申請する感じ?」
その一言を聞いて俺は改めて彼女との実力差を感じた。
ヨリアは綺麗な茶色の髪や少し小柄な可愛らしい見た目とは裏腹に、かなりの実力を持った冒険者である。
彼女は村にあった長年誰も抜けなかった聖剣を抜くことに成功し、それ以降数々の功績をあげてSランク冒険者になっていた。
そして、彼女はいつしか『勇者』と呼ばれるようになった。
俺は、そんな彼女に恋していた。
そして、そのことから俺は先ほどの質問に見栄をはってこう答えてしまった。
「そうだ。俺も魔王討伐隊に参加するつもりだ」
こうして後に引けなくなった俺は魔王討伐隊に参加することになり、ヨリアや一流冒険者たちと共に飼いならされたワイバーンに乗って魔王城へやってきたのだ。
ちなみに、よく見たらソークたちもいた。
魔王城に到着してから数時間後、俺とヨリアはどう見ても怪しい扉を見つけてしまった。
きっかけは魔王城内がいくつもの道に分かれていたことだ。
道が分かれるたびにみんなが別々に分かれたことで、最終的に俺とヨリアのみの状態になったのだ。
俺達は道中の敵を倒しつつ、ずっと続いてるとしか思えないような長い廊下を進んでいった。
その結果、めちゃくちゃデカくて恐ろしいほどの邪気を放つ扉を見つけてしまったのだ。
「どうする……これどう見ても魔王いるパターンじゃん……」
「そうだね……いったん戻ろうか」
ヨリアがそう提案したその時。
ドガチャン!!
扉がものすごい勢いで開いてしまった。
そして、扉の向こうから何者かが飛び出してきた。
「『防御魔法』発動!」
そう言ってヨリアが防御魔法を瞬時に発動させる。
俺達の面前に巨大なバリアが現れ、魔王と思われる何者かの突進を防ぐ。
魔王は衝突の衝撃で扉の向こうの部屋にまで飛ばされた。
『さすが聖剣使い…魔王であるワシの不意打ちを防ぐとはな…』
角の生えた男のような見た目をした魔王がそう言った。
「魔王、あなたの命は私がここで断ち切ってもらうよ」
ヨリアが勇者らしくカッコいいことを言う。
俺はその隙にヨリアに痛覚軽減魔法をかけた。
そして、魔王にもこっそり痛覚増幅魔法をかけた。
とびきり強力なやつを。
「ほう…では早速お前たちを絶望に染め上げよう…」
そう言うと魔王はヨリアが持っていた聖剣を念動力で引っ張り上げ、自分の手元に持って行った。
そして、聖剣を瞬く間に邪悪なオーラをまとう紫色の剣へと変えたのだ。
「そんな……聖剣が悪魔のような剣に……」
呆然とするヨリアをよそに、魔王が語り始める。
「今から数百年前、人間どもは俺たちの先祖が作った魔剣を奪って無理やり浄化して使おうとした。しかし、その反動で特定の人間しか扱えない剣になってしまったのだ」
「つまり、その姿が聖剣本来の姿ということか」
「聖剣使いの連れよ、なかなかに理解が早いな。つまり、この剣は長年人間に虐げられていたんだ。本来の使い方で使わせてもらうぞ!」
そう言って魔王は俺に切りかかってきた!
「危ない!」
ヨリアが盾を持ってとっさに俺をかばう。
その結果、ヨリアの楯は粉々に砕けてしまった。
が、それと同時に魔王の顔に盾の破片で軽く当たった。
その時、勝負は決した。
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」
魔王が先ほどのドスの効いた声とは対照的なモンスターらしい甲高い悲鳴を上げる。
どうやら俺の痛覚増幅魔法によって、盾の破片が当たっただけでもかなりの痛みを感じたらしい。
「お前ええええ!!!!さてはかなり強力な痛覚増幅魔法をかけたなああああああ!!!!何倍に増幅したあああ!!!答えろおおおおお!!!!」
「3000倍だ!」
「ひぎゃああああああああ!!!!!しゃんじぇんばいいいいいいいいいい!!!!!!」
そう言ってから、魔王は息絶えた。
彼の身体は瞬く間に消え、魔剣と左右の角のみがその場に残った。
「もしかして私たち……」
「魔王を倒したのか……」
俺達は英雄になってしまった。
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