限定版・学園ラブアンドファンタジーをやってみたin乙女ゲーム

してき猫

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お話

並べてみた!(web拍手小話)

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以前、web拍手のお礼小話としてweb拍手に掲載していたものです。
_______________________________


 月影家のインターホンが鳴った。
「はーい。」
月影家の居候、水原が出た。
「・・・・て、先輩」
インターホンが鳴ったので火室だとは思ってなかったようだ。
「と、植幸君!?」
そう、インターホンを押したのは別の人物。――――植幸だった。

「おい、真夜!!」
「お兄ちゃん。
勝手にオタク乙女の部屋に入らないでっていっつも言ってるで」
真夜が言い切る前に、
「よし!行け、優!!」
「うん。真夜先パーイ!!」
自室で乙女ゲームをplayしながら寝っ転がっていた真夜に植幸が抱き付いた。
「ワワワ!う、植幸君!?」
(植幸君+お兄ちゃん+My Home=・・・・・・・)
「お兄ちゃん!ついにあれをやるんですね!!」
「あぁ」
「今日は運がいいことにマコちゃん家にいますよ!」
「よし!」
お菓子と飲み物を持って、部屋の入り口でいつ入ろうかとタイミングを計っていた水原が「何の話!!?」となっていた。

「マコちゃーん♪」
真夜が真琴の部屋をドアをノックする。
「何・・・・・・?マヤねぇ・・・・・・・。」
真琴が部屋から出てきた。
「いいから来て!!」
「!?」
真夜が真琴の手を引き、階段を下りて真琴をリビングへと連れて行った。
「・・・・・・・・、お兄ちゃん・・・・・・・!!」
と言った後、「と誰?」という顔をした。とは言っても、ちゃんと真琴の表情を読み取れたのはいつものことながら真夜と火室だけだった。
「マコ」
火室は真琴に歩み寄り、いつもの雑なやり方で真琴の頭を撫でた。真琴は兄に頭を撫でられてうれしそうにする。その表情もまた、真夜と火室だけにしか理解されていない。
「優、こいつはマコ。俺の弟、つまり、お前の弟みたいなものだ。」
と真琴の頭を撫でながら、火室は植幸に言った。
「・・・・・・・・・・!!」
植幸が目を輝かせる。
どうやら、自分より数㎝ほど背が低く、真夜に瓜二つな顔をした真琴を一発で気に入ったようだ。そして、トットットッと真琴に近寄り、
「遊ぼう、遊ぼう!」
と言って真琴の手をクイクイッと引っ張った。
(萌・・・・・・・・・・・!)
というのは真夜の感想だが、火室も萌ていた。ただ、〝萌〟という感情がどんなものなのかを知らないため、自覚は全く無い。植幸の行動に対して、
「?」
となっている真琴。まだ、「この人誰?」状態。真琴は実の姉に眼で助けを求めた。
(やっぱ私の弟はかわいい・・・・・・・・・!)
困ってる真琴に真夜は萌た。だが、
(困ってる弟を助けるのも姉の勤め!)
と、萌から1回離れた。
「マコちゃん、植幸 優君だよ。生徒会の1年生。」
と真夜が言うと、「分かった。」と言うように真琴は1回首を縦に振った。そして、
「いいよ。」と言うように真琴は表情を柔らかくした。
「やったー!やったー!」
植幸は嬉しそうに両手を万歳させた。どうやら、植幸も真琴のポーカーフェイス表情を解読できるようだ。
(萌再降臨!!)
兄・姉がまた萌た。
「・・・・・・、何、する・・・・・・・・・?」
と真琴がボッソっとしゃべった。
「うーんとー・・・・・・・・、えーと・・・・・・・、
追いかけっこー!!」
と植幸が言うと、
「良いよ。」と言うように、真琴がコクンと頷いた。その後、
「こっちこっち」と言うように、
真琴が植幸の服の裾をチョンチョンと引っ張り、真琴と植幸は庭に出た。
「じゃー、僕が追いかけるね!」
と植幸が言うと、
真琴はコクンと頷いた後、走り出した。とはいっても、真琴が本気で走ると並みの人ではとても追つかないので、かなり手を抜いているのだが、真夜に並ぶ運動音痴な植幸ではそれでも全く追いつかない。ちなみに植幸は本気で走っている。それにも関わらず植幸は、
「待て待てー!」
と楽しそうに真琴を追いかける。
「も、萌・・・・・・・・・!
我が家の庭が萌の園と化している!!」
とリビングから弟2人の触れ合いを見ていた口元を手で覆いながら真夜が言う。
「しゅ、瞬くーん!ティ、ティッシュ!ティッシュ用意してー!!」
「はいはい。」
水原は言われた通りにティッシュを探しにいた。
「おい・・・・・。何でティッシュなんか・・・・・・・?」
と言った火室に真夜は、
「お兄ちゃんだってモエモエしてるくせにぃ!」
「な、何だ!?〝萌〟って!!?」
「お兄ちゃんが、
今、弟2人の触れ合いをみて抱いている感情のことです!!」
「そ、そうなのか!?」
「はい!」
「これが〝萌〟なのか!!?」
「Yes!」
何か会話が変だ。
「真夜ちゃーん。はい、ティッシュ。」
水原が真夜に箱ティッシュを差し出した。
「わー!ありがとう!」
真夜は箱からティッシュを出し、こゆりを作り出した。しかも何個も。
「何やってるんだ・・・・・・?」
「何って・・・・・・・、こゆり作ってるんですよ?っあ、お兄ちゃんも要りますか?」
「何に使うんだ?」
「萌が体で消化しきれなくなって、鼻血が出たときに鼻に詰めるのに使います。」
「消化し切れないと鼻血が出るのか!!?」
「はい。萌で世界征服もできます!」
「そ、そうなのか!!?」
「はい!」
「萌って恐ろしいな!!」
「先輩、すぐに騙されないでください・・・・・・・。」
真夜が萌を熱く語り、火室が萌の恐ろしさに衝撃を受けてる中、水原のみが冷めきってる目をしていた。
「瞬くーん、萌を理解しよぉーよー。」
「あのね、真夜ちゃん。僕は同性に萌える趣味は持ってないの。」
(いや、というか、異性どころか、真夜ちゃんにしか萌えたこと無いんだけど・・・・・・!)
という、丸分かりの水原の心の声が真夜に届くことは永遠に無い。
「え~~。でもー、お兄ちゃんはモエモエしてるよー?」
「真夜ちゃん。あの人と僕を一緒にしないでくれるかなぁ?あの人は小動物とか小動物っぽいのには何でも萌えるから、絶対に一緒にしないで。」
アホと一緒にされて水原は大変お怒りだ。
(一緒にされるくらいなら萌なんて永遠に理解できなくて良い!!)
と水原は思った。
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