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16/対談
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あと数日で舞台初日を控えたある日、
パトリスは高級ホテルに来ていた。
とある雑誌で『太陽と月』の特集が企画された。
その中に舞台主演と原作者の対談というコーナーがあったので、パトリスは対談会場であるホテルのラウンジで企画の担当者と待ちあわせをしていた。
担当者にスイートルームへと案内され、中に入ると、今日の対談相手の原作者、サン・シェリヴがいた。
シェリヴは表舞台にほとんど顔を出さないことで有名だったので、顔を見たのは初めてだった。彼はパトリスが思わず見惚れてしまうぐらい、とても綺麗な顔立ちをした青年だった。
「先生、おまたせしました。こちらオトビスさんです。オトビスさん、こちらシェリヴ先生です」
「はじめまして。サン・シェリヴです。今日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、お待たせしてすみません。オトビス・アングラードです。よろしくお願いします」
オトビスとシェリヴは挨拶をし、握手をした。席に座り、インタビュアーが準備をしていると、シェリヴが少し砕けた口調で話しかけてきた。
「いつも舞台拝見させていただいていますが、アングラード君、いやぁ~とても美しいですね。惚れ惚れしちゃいます」
サン・シェリヴがオトビスをまじまじと見て褒めだした。
「いえいえ、ありがとうございます。先生も格好いいですよ。思わず見惚れちゃいました。一緒に舞台に立ちたいです」
「いや~。人気絶頂の俳優さんにそんなこと言われるなんて嬉しいですね」
インタビュアーの準備が終わったが、二人の雑談が盛り上がって止まらなさそうなので、インタビュアーが割り込んだ。
「楽しそうなところすみません…、時間に限りがあるので、そろそろ対談の方に入らせてもらってもいいですか?」
「あぁ、はい。いつでも」
「ははっ、すまないね。どうぞ、どうぞ」
オトビスとシェリヴはインタビュアーの方に体を向け、インタビュアーがコホンと咳払いをして対談を開始した。
「では、始めます。まず、先生、『太陽と月』感動しました。涙が止まりませんでした。この『太陽と月』ですが、どのような着想で始められたんですか?」
「この話はね、ある少年の実体験を元に想いを広げていった話なんだよ」
「実体験…ですか?」
「うん。どこがはナイショだけどね」
「なるほどなるほど…その後、その少年はどうなりましたか?本の結末ど一緒で恋は叶いましたか?」
「本とは違うけど、彼は今、とても幸せに暮らしているよ」
「では、オトビスさん、この『太陽と月』の太陽、ソリスを演じるにあたってどのような役作りを行いましたか?」
「そうだねぇ、恋心に関しては俺も長いこと恋煩わせちゃってるからソリスに共感することだらけだったよ。一番難しかったのは、死が近付いてきているのに一縷の希望に縋るところかな?命をとして彼女のことだけを想う…。出来そうで出来ないよね。俺なら諦めちゃいそう。はは。どうしたらたった一度会っただけの彼女に希望を見出だせるのか、そこを理解できるまで苦しかったな」
「かのオトビス・アングラードでも悩むことがあるんですね。ふむふむ…」
「なんとなく演じることはできるけど、俺は細部まで理解してから演じたくなっちゃうんだよね」
「なるほどなるほど~」
インタビュアーがせっせとメモを取り出し、続けて質問した。
「では、舞台化についてお互いに聞いてみたいことありますか?」
「そうだなぁ~。アングラード君が主演で僕は感激だよ。イメージピッタリだよね」
「ありがとうございます。でも、俺、そんなにキラキラしてないんですけどね」
「そうなの?ぜひ次回作のために人気俳優の恋物語を聞いてみたいとこだけど…」
「先生、やめたほうがいいです。先生の名に傷が残ります…」
「そこまで!?」
和やかに対談インタビューが終わり、パトリスが席を立とうとしたとき、
「アングラード君、現在進行形で恋してるんだね」
「そりゃしてますよ。先生。恋してないと恋演じられないですもん」
「今度、その恋について話聞かせてよ」
「本にするのは無理だと思いますよ。俺も先生の恋の話聞きたいです。参考にしたいっす」
「おっいいね!今夜空いてる?」
「もちろん、空いてます」
「よし飲みに行こう」
「いいっすね!」
なんだかよくわからない理由で二人は意気投合し、飲みに行った。
パトリスは高級ホテルに来ていた。
とある雑誌で『太陽と月』の特集が企画された。
その中に舞台主演と原作者の対談というコーナーがあったので、パトリスは対談会場であるホテルのラウンジで企画の担当者と待ちあわせをしていた。
担当者にスイートルームへと案内され、中に入ると、今日の対談相手の原作者、サン・シェリヴがいた。
シェリヴは表舞台にほとんど顔を出さないことで有名だったので、顔を見たのは初めてだった。彼はパトリスが思わず見惚れてしまうぐらい、とても綺麗な顔立ちをした青年だった。
「先生、おまたせしました。こちらオトビスさんです。オトビスさん、こちらシェリヴ先生です」
「はじめまして。サン・シェリヴです。今日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、お待たせしてすみません。オトビス・アングラードです。よろしくお願いします」
オトビスとシェリヴは挨拶をし、握手をした。席に座り、インタビュアーが準備をしていると、シェリヴが少し砕けた口調で話しかけてきた。
「いつも舞台拝見させていただいていますが、アングラード君、いやぁ~とても美しいですね。惚れ惚れしちゃいます」
サン・シェリヴがオトビスをまじまじと見て褒めだした。
「いえいえ、ありがとうございます。先生も格好いいですよ。思わず見惚れちゃいました。一緒に舞台に立ちたいです」
「いや~。人気絶頂の俳優さんにそんなこと言われるなんて嬉しいですね」
インタビュアーの準備が終わったが、二人の雑談が盛り上がって止まらなさそうなので、インタビュアーが割り込んだ。
「楽しそうなところすみません…、時間に限りがあるので、そろそろ対談の方に入らせてもらってもいいですか?」
「あぁ、はい。いつでも」
「ははっ、すまないね。どうぞ、どうぞ」
オトビスとシェリヴはインタビュアーの方に体を向け、インタビュアーがコホンと咳払いをして対談を開始した。
「では、始めます。まず、先生、『太陽と月』感動しました。涙が止まりませんでした。この『太陽と月』ですが、どのような着想で始められたんですか?」
「この話はね、ある少年の実体験を元に想いを広げていった話なんだよ」
「実体験…ですか?」
「うん。どこがはナイショだけどね」
「なるほどなるほど…その後、その少年はどうなりましたか?本の結末ど一緒で恋は叶いましたか?」
「本とは違うけど、彼は今、とても幸せに暮らしているよ」
「では、オトビスさん、この『太陽と月』の太陽、ソリスを演じるにあたってどのような役作りを行いましたか?」
「そうだねぇ、恋心に関しては俺も長いこと恋煩わせちゃってるからソリスに共感することだらけだったよ。一番難しかったのは、死が近付いてきているのに一縷の希望に縋るところかな?命をとして彼女のことだけを想う…。出来そうで出来ないよね。俺なら諦めちゃいそう。はは。どうしたらたった一度会っただけの彼女に希望を見出だせるのか、そこを理解できるまで苦しかったな」
「かのオトビス・アングラードでも悩むことがあるんですね。ふむふむ…」
「なんとなく演じることはできるけど、俺は細部まで理解してから演じたくなっちゃうんだよね」
「なるほどなるほど~」
インタビュアーがせっせとメモを取り出し、続けて質問した。
「では、舞台化についてお互いに聞いてみたいことありますか?」
「そうだなぁ~。アングラード君が主演で僕は感激だよ。イメージピッタリだよね」
「ありがとうございます。でも、俺、そんなにキラキラしてないんですけどね」
「そうなの?ぜひ次回作のために人気俳優の恋物語を聞いてみたいとこだけど…」
「先生、やめたほうがいいです。先生の名に傷が残ります…」
「そこまで!?」
和やかに対談インタビューが終わり、パトリスが席を立とうとしたとき、
「アングラード君、現在進行形で恋してるんだね」
「そりゃしてますよ。先生。恋してないと恋演じられないですもん」
「今度、その恋について話聞かせてよ」
「本にするのは無理だと思いますよ。俺も先生の恋の話聞きたいです。参考にしたいっす」
「おっいいね!今夜空いてる?」
「もちろん、空いてます」
「よし飲みに行こう」
「いいっすね!」
なんだかよくわからない理由で二人は意気投合し、飲みに行った。
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