上 下
9 / 20

1日目②

しおりを挟む
朝、シーラは目覚めた。目覚めは良くない。

なんだか、疲れたわ…

シーラは朝の支度をしながら頭の中を整理していると、ドアがノックされ、アレンが訪ねてきた。

「シーラ、おはよう。朝食食べた?」

「おはようアレン、まだよ」

「なら、一緒にどうだい?君の好きなジャムを持ってきたんだ」

「ありがとう。うれしい。いただくわ」

「よし、いい天気だから東屋で食べよう」

アレンはシーラを東屋に連れて行き、朝食を持ってきた。

「さぁ食べよう」

アレンが持ってきたジャムをパンに塗りながら、

「シーラ、気分はどうだい?」

「そうね、なんだか落ち着かないわ」

「どうして?」

「夢で……ううん、きっと疲れているんだわ。」

「どんな夢?溜め込まないで話してよ」

「笑わないでね。なんだか、幼い頃のアレンとディアナと遊んでる夢とバーニーが嫌なこという夢を交互に見て。そうしたら…幸せなのと嫌な気持が上がったり下がったり。なんだか疲れちゃって」

「ははっ。面白いね。お疲れ様」

「もぅ!笑わないでって言ったのに…」

と、シーラが拗ねる。

「シーラがバーニーの不満言うなんて初めてだね」

アレンがふと漏らした言葉にシーラは驚き、

「それもそうね。あれ…?私…」

と言って考えに耽ってしまった。

アレンはその様子をじっと見ていた。

「さぁ、塗り終わったよ。食べよう」

「そ、そうね。いただきます。」

その後は他愛ない会話をして、朝食が終わり、アレンは仕事に戻っていった。

シーラは東屋に残り、今朝の夢を反芻していた。

私は……



その時、ガサッと裏口の茂みのほうで足音がした。

!!

そこにいたのは白髪交じりの男だった。
バーニーの父親、グレッグだ。

「おじさま、なぜここに?」

「シーラ、倒れたと聞いてな」

どうして裏口から…?

「ご心配おかけしました。この通り大丈夫です」

「そうか」


しばし、沈黙のあと


「あの…」

「…呪いの子、お前が守るべきはバーニーだ」

シーラの言葉を遮ってグレッグがいきなり呟いた。

それを聞いたシーラは真っ青になり、震えだした。
そのまま頭を抱えて蹲り、過呼吸になった。


グレッグはシーラの様子をみて、頷き、来たときと同じようなに裏口から立ち去った。


…ア…レン…
シーラは何処へとなく手を伸ばし、意識が途切れた。
しおりを挟む

処理中です...