泥酔魔王の過失転生~酔った勢いで転生魔法を使ったなんて絶対にバレたくない!~

近度 有無

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第41話 お出かけ

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「お待たせー!」
「あ……」
「どうかしたの?」
「いや、なんでもないぞ。行こうか」
「そうだね!」




 今日は休日なので、オズとアリアは、買い物に出かけている。
 今日は運動せずに、お出かけのみなので、アリアは普段とは違う可愛らしい白のワンピースを着て、髪を1つに結んでいた。
 それを見たオズは、あまりの可愛さに照れてしまっていたのだ。

「あの子、可愛いな」
「あんな美女と付き合えるなんて、羨ましすぎだろ」
「なんでみんな見てくるの?」
「わ、わからねぇな」
(アリアが可愛いからなんて、死んでも言えねぇよ!)

 街を歩いていると、多くの人がアリアのことを見る。
 そうして、みんなは口を揃えて可愛いと言う。
 それほど今日のアリアは、綺麗である。
 まあ、アリアの戦いを見たら、少しは印象は変わると思うが。
 しかし、アリアはそのようなことには一切気付かないので、たくさんの人に見られて気味悪がっている。

「まあ、いいや。修行以外で外に出るの久しぶりだね」
「そうだな」
「なんかワクワクするね!」
「た、楽しみだな」
(別人にしか見えねぇ!)
「歩くの早いよ?」

 いつも通りのアリアのはずなのだが、オズは今日だけ照れてしまう。
 1つ1つの仕草に魅了されてしまう。
 オズは、照れていることを隠しながら、目的地へと早歩きで行く。
 そうして、目的地へと5分もかからず到着した。

「着いたねー」
「そ、そうだな。早速入るか」
「こんにちはー」
「いらっしゃい」

 店の中に入ると、店員さんが笑顔で迎え入れてくれた。
 店の中には、たくさんの武器や装備がある。
 そう、ここは武器屋である。

「あの、テイム・モンスター大会の優勝者なんですけど……」
「ああ、それならこっちに来て頂戴」
「あ、はい」

 今日、武器屋に来た理由は、テイム・モンスター大会の優勝の報酬として、オズとハムの装備をオーダーメイドで作ってもらう為である。
 店員さんは、オズの身体の大きさを丁寧に測っていく。
 アリアは、楽しそうに展示されている武器を見ている。

「オッケー。じゃあ、次はテイム・モンスターの採寸をするよ」
「あの、こいつは大きくなったり、小さくなったりするんで、伸縮性のある装備って作ってもらうことできますか?」
「もちろんできるよ」
「それじゃあ、それでお願いします!」

 そうしてオズは、ハムを小さいサイズで召喚し、採寸をしてもらった。
 ちなみに、装備に使われる素材は、天使の羽と竜の鱗を組み合わせたものである。
 天使の羽は、魔法によるダメージを軽減する効果があり、竜の鱗は、物理ダメージを軽減する効果がある。
 この組み合わせは、最も防御力が向上するものと言われている。

「採寸は終わったよ。1週間くらいしたら届くから待っててね」
「はい、ありがとうございました!」

 採寸が終わり、オズは店員さんにお礼を言った。
 最強の魔法使いとモンスターに最強の装備となると、もう勝てるものはいないだろう。
 深く礼をするオズに、店員さんは近づいて耳元で囁いた。

「あと、可愛い彼女を大切にしなさいよ」
「そ、そんなんじゃあないですって! 帰ります! あ、ありがとうございました!」

 不意にアリアのことを言われ、照れてしまったオズは、顔を赤くして素早く店から出ていった。
 アリアは、急いでオズについていく。
 店員さんは、その姿を見て楽しそうに笑っていた。

「オズ、顔赤いけど大丈夫?」
「な、何でもない」

 そう言うと、オズは走って戻っていく。

「ちょっと、待ってよ!」

 アリアは、必死にオズのことを追いかけるが、オズが全力なので追いつけない。

「あんなこと言うから余計に意識してしまうじゃねぇか」

 その日の夜、オズはアリアを意識しすぎて全く眠れなかったらしい。
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