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最終話 終戦
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「落ち着いたか?」
「うん、ありがとう」
「改めて見ると、やっぱり圧が凄いねぇ」
「そうなのか?」
ようやく落ち着いたようで、涙が止まっていた。
オズとわかっていても、姿は魔王であるため、圧が凄いらしくシェリーは少しビビっているようだ。
「アリア、雰囲気が変わったか?」
「実は、私も転生者だったんだ……」
「再誕できたんだな」
「えっ? 驚かないの?」
アリアはもの凄い暴露をしたつもりだったが、オズは全く動揺せず、普通に返事が来た。
「当たり前だろ。小さい時から何となくわかってたし。アリアも僕が転生者だと感づいていただろ?」
「頑張って隠していたのに、バレてたんだ……」
オズに自分が転生者だと気づかれていたことを知ったアリアは、しょんぼりしている。
オズは、キョロキョロと周りを見回す。
「そういえば、どうして街が元通りになってるんだ?」
「あ、それはね……」
そうしてアリアは、オズにハムとアウストヴァリリアの活躍を話した。
2体のお陰で、街を直して、オズも見つけられた。
そうして、街のみんなも助けられた。
「こいつら、凄いな」
「ブヒ!」
「オズ様のお陰です」
アウストヴァリリアは自信満々でドヤ顔を、ハムは謙虚に縮こまっている。
「それで、一度死んだ人は、どうやって生き返らしたんだ?」
そして、オズはどのようにして生き返らしたのかが気になったようで、ハムに尋ねる。
「私も想定外のことでして、気がついたらって感じです」
「ってことは、無差別にしたんだな?」
「はい」
「そうなのか……」
オズの表情が一気に曇りだす。
「暗い顔してどうしたの?」
「恐らくだが、奴も生き返っているぞ」
「……」
「「「本当だー!!!」」」
「おいおい、どうするんだよ!」
「もう戦いたくないですよ!(キラーン)」
みんなはオズのことばかり気にかけていたため、ジークのことは忘れていた。
まずいことに気が付き、慌てふためいている。
「こいつのことか?」
ボトン!
「シェリーとレイ?」
すると、ジークの家族の2人が何かを連れて現れた。
「ご、ごめんなさぁぁぁぁい!」
それは、ボコボコにされたジークであった。
恐らく、妻と娘にトラウマを植え付けられるほどの躾けがあったのだろう。
地面に顔を押し当てながら、オズたちに謝っている。
「「「よかったー!」」」
5人は、ジークが再び暴れないことが分かり、安心している。
そんな中、オズがジークに語り掛ける。
「僕たちに謝るんじゃなくて、街のみんなに謝りなよ」
「は、はい!」
「みんな、街の人たちを集めてくれないか?」
「わかった!」
そうして、街の人たち全員が広場に集められた。
ザワザワザワザワ
かなりの人数が集まっており、恐ろしいことが起こった後ということもあり、みんなの落ち着きがない。
そうして、少し高いところにはジークが居た。
「今回の件は、全て私が行いました。本当にごめんなさい!」
ドガン!
「地面に顔を叩きつけやがったぞ⁉」
ジークは最大限の謝罪の気持ちを表すために、勢いよく頭を地面に打ち付け、土下座した。
街の人たちは少し引いている。
しかし、被害を受けた側としての怒りはこの程度では収まらない。
「こんな奴、死刑だ!」
「「「そーだそーだ!」」」
1人の大きな声に続いて、全員が賛同の声を上げる。
ジークは、一度、唾を飲んでから息を大きく吸い込む。
「わかり……」
「ちょっと待ってくれないか!」
ジークが、死刑を受け入れようとした時、オズが割って入ってきた。
「こいつに、チャンスを与えてやってくれないか?」
「どうしてだよ! こいつは、街をめちゃくちゃにしたんだぞ! チャンスなどあるものか!」
オズの提案には、もちろん反対の声が大きい。
「頼む! こいつに、君たち人間の温かさを感じてほしいんだ! そうすれば、こいつも自分の愚かさに気付ける!」
「……」
オズの必死な頼みに、街の人たちは黙り込む。
「皆さん、気持ちの整理がつかないとは思いますが、オズの頼みを聞き入れてほしいです。私からもよろしくお願いします!」
「アリア……」
アリアが加えて頼み込んだ。
伝説とされていた勇者の発言は、かなりの力がある。
「魔王よ、人々の安全は保障できるのか?」
「「「聖騎士様⁉」」」
すると、目の前に聖騎士のアイシャが現れて、オズに対して質問をした。
「ああ、僕が魔法で力を封じるから危険はない」
オズが答えると、考えるような仕草をした後、群衆に向かって大きな声を上げる。
「私は、この者の言うことを受け入れようと思う! 反対する者はいるか!」
「……」
「決まったぞ」
「どうして受け入れてくれたんだ?」
ジークのことは決まったが、オズはどうしてアイシャが同意してくれたのかが気になった。
「命を懸けて街の平和を守ってくれた者の言葉だ。信じるしかないだろう」
「そうか。ありがとう」
そうして集まりは終わり、みんなは解散していった。
◆
「どうして私を守ってくれたのですか?」
誰もいなくなった後、ジークがオズの元へ来て尋ねた。
オズは、微笑みながら答えた。
「人間も魔族もみんな大好きだからだ」
バタバタ!
空には、黒と白の鳥が仲良く、真っ直ぐに飛んでいた。
「うん、ありがとう」
「改めて見ると、やっぱり圧が凄いねぇ」
「そうなのか?」
ようやく落ち着いたようで、涙が止まっていた。
オズとわかっていても、姿は魔王であるため、圧が凄いらしくシェリーは少しビビっているようだ。
「アリア、雰囲気が変わったか?」
「実は、私も転生者だったんだ……」
「再誕できたんだな」
「えっ? 驚かないの?」
アリアはもの凄い暴露をしたつもりだったが、オズは全く動揺せず、普通に返事が来た。
「当たり前だろ。小さい時から何となくわかってたし。アリアも僕が転生者だと感づいていただろ?」
「頑張って隠していたのに、バレてたんだ……」
オズに自分が転生者だと気づかれていたことを知ったアリアは、しょんぼりしている。
オズは、キョロキョロと周りを見回す。
「そういえば、どうして街が元通りになってるんだ?」
「あ、それはね……」
そうしてアリアは、オズにハムとアウストヴァリリアの活躍を話した。
2体のお陰で、街を直して、オズも見つけられた。
そうして、街のみんなも助けられた。
「こいつら、凄いな」
「ブヒ!」
「オズ様のお陰です」
アウストヴァリリアは自信満々でドヤ顔を、ハムは謙虚に縮こまっている。
「それで、一度死んだ人は、どうやって生き返らしたんだ?」
そして、オズはどのようにして生き返らしたのかが気になったようで、ハムに尋ねる。
「私も想定外のことでして、気がついたらって感じです」
「ってことは、無差別にしたんだな?」
「はい」
「そうなのか……」
オズの表情が一気に曇りだす。
「暗い顔してどうしたの?」
「恐らくだが、奴も生き返っているぞ」
「……」
「「「本当だー!!!」」」
「おいおい、どうするんだよ!」
「もう戦いたくないですよ!(キラーン)」
みんなはオズのことばかり気にかけていたため、ジークのことは忘れていた。
まずいことに気が付き、慌てふためいている。
「こいつのことか?」
ボトン!
「シェリーとレイ?」
すると、ジークの家族の2人が何かを連れて現れた。
「ご、ごめんなさぁぁぁぁい!」
それは、ボコボコにされたジークであった。
恐らく、妻と娘にトラウマを植え付けられるほどの躾けがあったのだろう。
地面に顔を押し当てながら、オズたちに謝っている。
「「「よかったー!」」」
5人は、ジークが再び暴れないことが分かり、安心している。
そんな中、オズがジークに語り掛ける。
「僕たちに謝るんじゃなくて、街のみんなに謝りなよ」
「は、はい!」
「みんな、街の人たちを集めてくれないか?」
「わかった!」
そうして、街の人たち全員が広場に集められた。
ザワザワザワザワ
かなりの人数が集まっており、恐ろしいことが起こった後ということもあり、みんなの落ち着きがない。
そうして、少し高いところにはジークが居た。
「今回の件は、全て私が行いました。本当にごめんなさい!」
ドガン!
「地面に顔を叩きつけやがったぞ⁉」
ジークは最大限の謝罪の気持ちを表すために、勢いよく頭を地面に打ち付け、土下座した。
街の人たちは少し引いている。
しかし、被害を受けた側としての怒りはこの程度では収まらない。
「こんな奴、死刑だ!」
「「「そーだそーだ!」」」
1人の大きな声に続いて、全員が賛同の声を上げる。
ジークは、一度、唾を飲んでから息を大きく吸い込む。
「わかり……」
「ちょっと待ってくれないか!」
ジークが、死刑を受け入れようとした時、オズが割って入ってきた。
「こいつに、チャンスを与えてやってくれないか?」
「どうしてだよ! こいつは、街をめちゃくちゃにしたんだぞ! チャンスなどあるものか!」
オズの提案には、もちろん反対の声が大きい。
「頼む! こいつに、君たち人間の温かさを感じてほしいんだ! そうすれば、こいつも自分の愚かさに気付ける!」
「……」
オズの必死な頼みに、街の人たちは黙り込む。
「皆さん、気持ちの整理がつかないとは思いますが、オズの頼みを聞き入れてほしいです。私からもよろしくお願いします!」
「アリア……」
アリアが加えて頼み込んだ。
伝説とされていた勇者の発言は、かなりの力がある。
「魔王よ、人々の安全は保障できるのか?」
「「「聖騎士様⁉」」」
すると、目の前に聖騎士のアイシャが現れて、オズに対して質問をした。
「ああ、僕が魔法で力を封じるから危険はない」
オズが答えると、考えるような仕草をした後、群衆に向かって大きな声を上げる。
「私は、この者の言うことを受け入れようと思う! 反対する者はいるか!」
「……」
「決まったぞ」
「どうして受け入れてくれたんだ?」
ジークのことは決まったが、オズはどうしてアイシャが同意してくれたのかが気になった。
「命を懸けて街の平和を守ってくれた者の言葉だ。信じるしかないだろう」
「そうか。ありがとう」
そうして集まりは終わり、みんなは解散していった。
◆
「どうして私を守ってくれたのですか?」
誰もいなくなった後、ジークがオズの元へ来て尋ねた。
オズは、微笑みながら答えた。
「人間も魔族もみんな大好きだからだ」
バタバタ!
空には、黒と白の鳥が仲良く、真っ直ぐに飛んでいた。
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