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笑顔に潜む、策士の罠
第17話
しおりを挟む帰宅した僕は、疲れ切った身体を引きずるようにしてシャワーを浴びて、夕飯の下ごしらえと洗濯を済ませた。
適当に野菜炒めを作って、夕飯を先に済ませて、母親が帰宅する頃には布団に潜り込んだ。
ピロリロリーン。
スマホを覗き込むと、槇さんからのメッセージだった。
『お久しぶり。
忍者ショーの準備は結構、順調に進んでるよ。
で、来週か再来週に、会場の動きをチェックする為に、スタッフでの打ち合わせをしたいんだ。
スタッフといえ、少人数だけど。
で、出来ればなんだけど…有村君にも同席して貰いたいんだ。
顔合わせをしておいた方が、当日の作業も意思の疎通が出来るだろ。
まだ、日程は決まってないけど、考えておいて欲しいんだ。
あ、もちろん、バイト代は払う。
打ち合わせだって仕事だ。
とりあえず、今日は連絡まで。
あと、衣装チェックが済んだから、写真を添付しておくよ。
想像以上にカッコいいよ。
安上がりの衣装には見えない。
じゃあ、また。』
添付されていた写真には、忍者パフォーマンスの役者が、まるで宣材写真のようにポーズを取っていて、決まっていた。
うわぁ。
カッコいい!
衣装だけで考えていた時よりも、躍動感が溢れていた。
『お久しぶりです!
写真、ありがとうこざいました!
感動してます!早く、ショーが観たいです。
打ち合わせ、なるべく行けるように調整します。
連絡、心待ちにしてます。
宜しくお願いします。』
送信。
ふう。
そういえば、ここのところ、忘れかけてた。
忍者ショーの外国人記者クラブでのお披露目が6月初旬…。
出来れば、その前までに図書室の怪人を解決したい。
さもないと、僕のこんな頭脳じゃキャパオーバーしちゃう。
……布団の中で、スマホを握りしめながら、僕はそのまま寝落ちした。
槇さんと神谷先輩に両腕を引っ張られて苦しむ悪夢にうなされながら。
モテる夢といえば、モテる夢だけど、やっぱり夢でもいいから、女の子にモテたかったな。
奈落じゃないけど…。
そんな事を考えながら、目覚めた朝。
窓の外ではポツポツと雨音が耳をかすめていた。
「雨か…今日は運命の日だってのに。
まったく、神様は意地悪だなぁ。
不吉だよ…夢見も悪かったのに。」
雨か…大降りでもないかな。
雨漏りするほどの豪雨じゃ無さそうだけど…。
図書室に何か異変はあるかな?
どうせ、これじゃ屋上から宮地を監視も出来ないし、図書室を覗いてから保健室へと向かおうかな。
神谷先輩も監視してるだろうし。
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