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スパイ活動と保健室同盟(仮)
第2話
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午後の授業は国語と数学。
どちらも眠くなる教科だ。
窓辺から差し込む暖かい日差しに、目蓋を伏せそうになる。
ヤバイ…宮地が帰宅した事で気が緩んでしまう。
国語の時間中、僕は眠い目を擦りながら、消しゴムを拾うフリをして廊下側に座る田中と安村の様子をチラ見した。
田中は思いっきり教科書を立てて眠り、安村はスマホで何やら観ているようだ。
僕の方を気に掛けている様子はない。
もう少しで休み時間だ、距離を置いて尾行してみようかなぁ。
尾行なんて本格的!
まさにスリル満点~!
とにかく、黙っていたって始まらない。
何かを掴むにはまず、行動しなければ…。
あの幽霊の上級生みたいに足音って消せるのかな…?
どうやるのかな?
つま先立ち?それとも…摺り足?
どっちも変かな…。
僕は机の下で足をいろんな角度に動かしてみた。
やっぱり、上履きがペタペタ音がする…。
丁度、足を動かして目も覚めた頃、国語の授業が終わり、中休みに入った。
ガタ。ガタ。ザワザワ。
中休みに入った途端に生徒達は立ち上がり思い思いに、休憩に入った。
田中と安村はすぐに席を立ち上がると、両手を上げて、大きな伸びをしながら廊下へ移動した。
僕はなるべく気配を消しつつ、2人を追った。
廊下では距離を保って歩いてるせいか、2人の会話があまり聞こえてこない。
中庭の自販機前で2人はパクックの飲み物を購入して、飲み始めた。
その2人の間に、彼等に不似合いな感じの三つ編みのおさげ髪の女子生徒が入っていった。
遠くて話しが聞こえないのでゆっくりと物陰から物陰に移動しながら、彼等に近づいた。
「…そう。
じゃあ、彼はお母さんの為に早退したのね。」
「早川、ついでに帰りにクラスに寄ってくれよ。
提出物とかのプリント、安村や俺が帰りに持ってくには遠回りになるんだよ。
お前の方が近いだろ。
何せ、宮地の彼女だし!」
「彼女じゃなくて、幼馴染みなだけよ。
じゃあ、帰りにプリント取りに行くわね。
彼の家、色々大変だから夕飯のおかず持って行くついでに、渡しておくわ。」
「悪りぃな。
あと…少し宮地を励ましてやってくれ。
あいつ、ゴールデンウィーク全滅だったからかなりストレス溜まってるみたいだし。」
「お!安村優すぃ~!
確かに、朝からイライラ度合いマックスだったなぁ。
有村のチャリのカゴ蹴りまくってたし。
だははは!」
…だはははじゃねーよ!
でも、宮地のストレスの吐け口が僕になってるのは間違いなかった。
僕が何かしたからとかじゃなく、自分の個人的なストレスを他人にぶつけてるんだ。
確かに、家庭の事情は複雑そうだ。
けど…僕の家だって、母子家庭で生活に余裕があるわけじゃない。
これが、加納先生が言っていた自分よりも下の人間を作るって事なのか?
僕を蔑んで、自分の方がまだマシだって思いたいのか?
単なる、ごまかしで逃げてるだけじゃないか!
そんな事したって、何一つ変わる世界じゃないだろう!
「なあに?何か誰かにしたの?
ダメじゃない!またくだらない事して。
止めてあげてって言ったでしょ。
私は別のクラスで目が行き届かないんだから!」
早川さんが2人の耳を引っ張って、怒った。
「イテテ!」
「痛いよ!早川!」
「今度、また何かやったらクラスに怒鳴りに行くわよ!」
姿形に似つかわしくない行動だった。
しかも…宮地の知り合いなのに、言っている事は至極まともな事だった。
正義感溢れる行為だ。
田中と安村は耳を引っ張る早川さんの手を払いのけた。
「ほら!次始まっちまう!」
「じゃあな!早川!後でな!
行くぞ安村!」
「もうっ!」
さすがに中休みは時間が短い…。
僕も後に付くように、教室を目指した。
あの、早川さんって隣のクラス?
見掛けないけど…もう一つ向こうのクラスかな?
何か手がかりになりそうな人だよな。
幼馴染みって言ってたから、同じ中学…。
教室に着いて、数学の教科書を立てながら、思考を張り巡らせていた。
確か、樹さんが宮地の同級生とコンタクトを取ってくれるって言ってた。
早川さんについても詳しく聞いてみよう。
いずれ、なんらかのアプローチをすれば、協力して貰えるかもしれない…。
どちらも眠くなる教科だ。
窓辺から差し込む暖かい日差しに、目蓋を伏せそうになる。
ヤバイ…宮地が帰宅した事で気が緩んでしまう。
国語の時間中、僕は眠い目を擦りながら、消しゴムを拾うフリをして廊下側に座る田中と安村の様子をチラ見した。
田中は思いっきり教科書を立てて眠り、安村はスマホで何やら観ているようだ。
僕の方を気に掛けている様子はない。
もう少しで休み時間だ、距離を置いて尾行してみようかなぁ。
尾行なんて本格的!
まさにスリル満点~!
とにかく、黙っていたって始まらない。
何かを掴むにはまず、行動しなければ…。
あの幽霊の上級生みたいに足音って消せるのかな…?
どうやるのかな?
つま先立ち?それとも…摺り足?
どっちも変かな…。
僕は机の下で足をいろんな角度に動かしてみた。
やっぱり、上履きがペタペタ音がする…。
丁度、足を動かして目も覚めた頃、国語の授業が終わり、中休みに入った。
ガタ。ガタ。ザワザワ。
中休みに入った途端に生徒達は立ち上がり思い思いに、休憩に入った。
田中と安村はすぐに席を立ち上がると、両手を上げて、大きな伸びをしながら廊下へ移動した。
僕はなるべく気配を消しつつ、2人を追った。
廊下では距離を保って歩いてるせいか、2人の会話があまり聞こえてこない。
中庭の自販機前で2人はパクックの飲み物を購入して、飲み始めた。
その2人の間に、彼等に不似合いな感じの三つ編みのおさげ髪の女子生徒が入っていった。
遠くて話しが聞こえないのでゆっくりと物陰から物陰に移動しながら、彼等に近づいた。
「…そう。
じゃあ、彼はお母さんの為に早退したのね。」
「早川、ついでに帰りにクラスに寄ってくれよ。
提出物とかのプリント、安村や俺が帰りに持ってくには遠回りになるんだよ。
お前の方が近いだろ。
何せ、宮地の彼女だし!」
「彼女じゃなくて、幼馴染みなだけよ。
じゃあ、帰りにプリント取りに行くわね。
彼の家、色々大変だから夕飯のおかず持って行くついでに、渡しておくわ。」
「悪りぃな。
あと…少し宮地を励ましてやってくれ。
あいつ、ゴールデンウィーク全滅だったからかなりストレス溜まってるみたいだし。」
「お!安村優すぃ~!
確かに、朝からイライラ度合いマックスだったなぁ。
有村のチャリのカゴ蹴りまくってたし。
だははは!」
…だはははじゃねーよ!
でも、宮地のストレスの吐け口が僕になってるのは間違いなかった。
僕が何かしたからとかじゃなく、自分の個人的なストレスを他人にぶつけてるんだ。
確かに、家庭の事情は複雑そうだ。
けど…僕の家だって、母子家庭で生活に余裕があるわけじゃない。
これが、加納先生が言っていた自分よりも下の人間を作るって事なのか?
僕を蔑んで、自分の方がまだマシだって思いたいのか?
単なる、ごまかしで逃げてるだけじゃないか!
そんな事したって、何一つ変わる世界じゃないだろう!
「なあに?何か誰かにしたの?
ダメじゃない!またくだらない事して。
止めてあげてって言ったでしょ。
私は別のクラスで目が行き届かないんだから!」
早川さんが2人の耳を引っ張って、怒った。
「イテテ!」
「痛いよ!早川!」
「今度、また何かやったらクラスに怒鳴りに行くわよ!」
姿形に似つかわしくない行動だった。
しかも…宮地の知り合いなのに、言っている事は至極まともな事だった。
正義感溢れる行為だ。
田中と安村は耳を引っ張る早川さんの手を払いのけた。
「ほら!次始まっちまう!」
「じゃあな!早川!後でな!
行くぞ安村!」
「もうっ!」
さすがに中休みは時間が短い…。
僕も後に付くように、教室を目指した。
あの、早川さんって隣のクラス?
見掛けないけど…もう一つ向こうのクラスかな?
何か手がかりになりそうな人だよな。
幼馴染みって言ってたから、同じ中学…。
教室に着いて、数学の教科書を立てながら、思考を張り巡らせていた。
確か、樹さんが宮地の同級生とコンタクトを取ってくれるって言ってた。
早川さんについても詳しく聞いてみよう。
いずれ、なんらかのアプローチをすれば、協力して貰えるかもしれない…。
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