忘却の魔法

平塚冴子

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ナンバーズ

第14話

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「脳科学者の天外博士を知ってますか?」
俺は小坂准教授に確認してみた。
「つい最近、亡くなった方ですよね。
ニュースでは見ましたが…。
相楽教授と知り合いなんですか?」
「過去に一緒にデータ収集や研究の手伝いをしていたとか…。
欲しいのはその頃か、あるいはその前の研究内容でして…。」
「…となると、10年…いや20年前くらいかもしれませんね。」

小坂准教授はそう言うと、かなり下の端にあるファイルを取り出した。
「この中に確か昔の写真がいくつかあった筈です。
その、天外博士を見つけられますか?」
俺はファイルを見たパラパラとめくって、あるページで手を止めた。

「これは…!」
ハゲてない…!
ハゲてない若い天外博士が、数人の子供に囲まれて立っている。
相楽教授は後ろの端っこに立っている。
俺は写真を取り出した。
そして…日付けなど書いていないか写真の後ろをめくって見た。

『ナンバーズと共に』

「見つけた…『ナンバーズ』!この写真、スマホで撮らせて貰いますね。」
俺はスマホのカメラ機能で写真を撮った。

この子供達の事なんだ…おそらく、この子供達が『ナンバーズ』!
そして…この中に『18番』が!

「ほんとだ。
かなり昔の…ほら、真鍋先生も若い!」
「えっ…どれですか?
その、真鍋先生。」
「この髪の長い白衣のイケメンですよ。
今も素敵な方ですが、若い時もかなりのイケメンですよね。」
真鍋先生…天外博士と相楽教授の過去を知る人物。

「真鍋先生って、どんな方ですか?
小坂准教授は知ってられる方ですか?」
「相楽教授の唯一の親友だと聞いてます。
僕が知ってるのは、それくらいですよ。
あ、真鍋先生はお医者さんですよ。
小児科の先生。
大学講師と思ってる人がいますが。
開業医ですよ。」

…って事はつまり…!
「病院、そこの病院教えて下さい。
そこに行けば、会える可能性ありますよね!
真鍋先生に!」
「ええ。会えますね。
北海道ですけど。」
「…北海道…。」
よりによって、いきなり北の端かよ…。
「でも、観光としては最高ですよ!
S市内の一等地にある病院ですから。」
「はあ…。」
俺の頭の中は出費の事でいっぱいになった。
竹中さんか、金井頼りだよなぁ。

「そういえば…月1回の鈴さんの、診断も真鍋先生が行なっていましたね。
主治医なんじゃないですかね。」
「主治医なのに…北海道?」
「相楽教授でも、ある程度診られるからじゃないですかね。
相楽教授は勉強熱心で医療知識もありますから。」
「そう…なのかな…?」
なんか、その真鍋先生と相楽教授の関係に違和感を覚えた。

「では、真鍋先生の病院の所在地と代表連絡先のカードを差し上げます。
僕が貰った物ですが、小児科には行かないし、まして北海道なんて遠くて。」
「ありがとうございます。」

『真鍋産科小児科クリニック』

ここに行けば、新たな情報が手に入りそうだ。
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