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帰宅
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シャルロットは部屋に戻って落ち着くと、アルベールに泣いているところを見られたのが急に恥ずかしくなった。これからどんな顔で会えばいいのかと心配していたが、それは杞憂だった。再び顔を合わせる前に、迎えの馬車がやってきたのだ。
「……」
会えないとなると、寂しい気持ちが沸き上がってきた。人の心というのは、勝手なものだと思う。会いたいからと言って、本館に押し掛けることもできない。シャルロットは荷物を纏めると、ヴァロワ家のメイドとともに部屋を出た。
アルベールたちは、見送りには来ない。混乱を防ぐためと、賄賂を防止するためだ。
「アルベール様たちによろしくお伝えください」
「かしこまりました」
シャルロットがメイドに別れを告げてポンサール家の馬車に乗り込もうとしたとき、「ちょっと待ってください!」と呼び止められた。
「ステファンさん!」
「こちら、お忘れ物でございます」
ステファンから渡されたのはハンカチだったのだが、それはリッシュに会ったときにシャルロットが落としたものではなかった。
「あの」
自分のではないと言おうとしたとき、ステファンはパチンと片目を瞑った。シャルロットの手にはいつの間にか、ハンカチとともに手紙が二枚握らされていた。送り主は、誰と聞かなくても分かった。シャルロットはハッとした表情で、顔を上げた。
「お気をつけてお帰りください」
「ありがとうございます。……良ければ、これを捨てておいてもらえませんか?」
シャルロットが渡したのは、ヴァロワ家の紋章を縫ったハンカチだった。アルベールたちへのお礼のために用意していたものだが、リッシュに変な誤解をされてから、どうも渡しにくくなってしまったのだ。
「かしこまりました」
ステファンは恭しくハンカチを受け取ると、頭を下げた。
「おかえりなさいませ、シャルロットお嬢様」
「うん。ただいま」
ポンサール家の馬車には、メイドのメアリーの姿もあった。家に帰るまで約一週間もかかるため、身の回りの世話をするために同乗したのだ。
「ヴァロワ家はいかがでしたか?」
「色々、体験させてもらったよ。凄く、濃い一カ月だった」
次期公爵のロジェと友達になったことを話すと、古くからの付き合いであるメアリーも流石に驚いていた。
メアリーとの会話が弾んだ後。日が暮れる前に、シャルロットは静かに手紙を開けた。
ロジェからの手紙には、剣をやめて弓を習い始めたこと、魔力は残念ながらなかったことが書かれていた。さらに、ロアナに何やら事情があることも、アルベールの元に何度も足を運んで聞き出したらしい。ロアナを守れるぐらいの人になるという決意の言葉と、そう思えるようになったのはシャルロットのお陰だという感謝の言葉で手紙は締めくくられていた。
最初に会ったときはもじもじと気弱だったのに、好きな人のために一歩ずつ歩き始めている友人のことが、シャルロットは誇らしく感じた。
シャルロットは幸せな気持ちのまま、もう一通の手紙を開けた。それは、想像していた通りアルベールからのものだった。シャルロットは慎重に封を開けて、中身を取り出した。すると、手紙とともに、小さな袋が出てきた。
手紙には短く、『穏やかな夜を過ごせますように』と書かれていた。慎重に小さな袋を開けると、乾燥した花弁が見えた。その小さな袋は、ポプリだった。
「……いい匂い」
シャルロットは目を閉じて香りを感じると、しばらくそのまま馬車の揺れに身を委ねた。
一週間後、シャルロットはポンサール家に戻ってきた。たった一カ月なのに、酷く久しぶりな気持ちになる。荷物はメアリーに任せ、両親へ顔を見せに向かった。
「お父様、ただいま戻りました」
「ああ。無事に帰ったか」
執務室に向かうと、父が書類から顔を上げた。仕事中は厳めしい顔をしている父が、珍しく目元を緩めている。シャルロットはこういうとき、自分は父から大切にされているんだなと思う。
「失礼なことはしなかったか?」
一瞬アルベールの前で泣いてしまったことを思い出したが、頭を振って消し去った。きっとアルベールはあの時のことを、失礼なことだとは思っていないはずだ。
「はい」
シャルロットは頷くと、報告すべきことを報告した。そのついでに、ダルブレ家について尋ねてみる。
「特に不穏な噂は聞いたことはないな」
「……そうなんですね」
それがいいことなのか、悪いことなのか、シャルロットには分からなかった。シャルロットが不安そうな顔をしていると、父は「心配するな」と声を掛けた。
「ヴァロワ家なら、きちんと調査を行うだろう。何かあれば、アルベール様はきっと動いてくださるはずだ」
想像以上に、父がアルベールのことを信頼していることに驚いた。
「命を懸けて魔物を討伐し、国を守るなんて誰にでもできることではないからな」
「確かに、そうですね」
シャルロットは深く頷いて、父の言葉に同意した。
それから、シャルロットは父に別れを告げ、母の元に向かった。母は年の離れたシャルロットの妹のところに居た。まだお喋りはできないので、目が離せないようだ。
ちなみに、シャルロットにはもう一人、兄もいる。兄は跡取り息子なのだが、現在は結婚して別の館に住まいを移している。小さな町を運営し、ポンサール家の当主の座を継ぐ前の経験を積んでいるのだ。
「お母様。ただいま戻りました」
「おかえりなさい、シャルロット」
母は妹を乳母に預けると、シャルロットを抱き締めた。
「さぁ、顔を良く見せて頂戴。元気にしていたかしら」
「はい」
シャルロットは母の腕の中で、帰ってきたことを改めて実感した。一カ月間楽しかったことも多かったはずなのに、ふっと両肩が軽くなったような気がした。
うとうとしている妹に別れを告げ、母とともにバルコニーに移動する。シャルロットたちの動きを察知したメイドが、テキパキとお茶とお茶菓子を運んできた。
シャルロットは父のときと同じように、ヴァロワ家で起こったことを話した。その中には、父には話せなかったリッシュのことも含まれている。
「オドレー嬢の発言はもちろん褒められたものではないけど、家が大変なことは知ってるから、なんだか複雑ね」
「……そんなに大変なんですか?」
シャルロットが知っている事情は、母親が長男を溺愛していることと、リッシュのことを放置していること、両親が不仲なことぐらいだった。母は女主人として、ある程度他家の事情にも詳しい。夫婦仲が悪い家なら同時にパーティーに招待してはいけないなど、配慮しなければならないことが増えるからだ。
シャルロットが10歳を迎えたぐらいから、母は社交界で仕入れてきた情報を話すようになった。そうやって令嬢たちは、女主人としての仕事を少しずつ覚えていくのだ。
「ええ。まさか、淑女教育をしていないとは、流石に思ってもいなかったけれど……」
母は困った表情を浮かべた。
「淑女教育をしていないと、結婚相手を見つけるのは難しいんじゃないですか?」
シャルロットの疑問に、母はティーカップをコトリと置いた。頬に手を当てながら、はぁと小さくため息を吐く。
「そうよ。このままだと、どこにも嫁げなくなってしまうわ」
「オドレー嬢のご両親は、心配じゃないんでしょうか?」
「きっと、なんにも気にしておられないのよ。オドレー家の領地は安定しているから、政略結婚をする必要もないし」
シャーロットはぎゅと眉を顰めた。政略結婚をする必要がないから淑女教育を施さないなんて、聞いたことがない。
「オドレー嬢のお母様は、どうしてご長男のことだけ溺愛するんでしょうか?」
「跡取りだからという人もいるけど、私はきっと、ご当主様に似ているからだと思うわ」
「え?」
予想外の母の言葉に、シャルロットは驚いた。
「ご夫婦とも相手に興味がないと言われているけど、本当は奥様はご当主様のことを愛しておられるのよ。もし嫌っておられるなら、よく似ているご長男のことを溺愛するはずないでしょ?」
「……」
そういうものなのかと、シャルロットは唖然とした。そして、もしそうなら、なんて悲しいんだろうと思った。
「ご長男もご当主の代わりということなら、それは愛とは程遠いと思います」
「その通りね……」
眉を顰めるような親子の関係だとしても、オドレー家となんの関わりもないシャルロットが口を挟むことはできなかった。
シャルロットはリッシュのことも心配になった。もしかしたら彼女は家を出るために、今回のお見合いに懸けていたのかもしれない。シャルロットの想像が事実なのだとしたら、あそこまで取り乱し、シャルロットに八つ当たりをした気持ちも理解できた。
「こんなことを考えていたら、また良い子ちゃんだって言われてしまうかもしれないですね」
シャルロットが自虐的に微笑むと、母はシャルロットの手を握り締めて、ポンポンと軽く叩いた。
「良い子ちゃんでもいいじゃない。要は、あなたがどう思うかよ」
「私がですか?」
「ええ、そうよ。あなたが相手に優しくしたいと思えばそうすれば良いし、怒りたいと思えばそうすればいいのよ」
「それは自分勝手すぎませんか?」
母のアドバイスに、困った表情を浮かべた。
「いいのよ。あなたは自分勝手を心掛けるぐらいで」
「……」
そうなのだろうか。シャルロットは頭の中で、母の言葉を反芻した。
今すぐ自分勝手に振舞うことはできないが、母が自分のために言ってくれていることは分かっていた。
「ありがとうございます。お母様」
「ええ」
そうして、妹が泣き止まないと乳母が来るまで、シャルロットは母と穏やかな時間を過ごした。
「……」
会えないとなると、寂しい気持ちが沸き上がってきた。人の心というのは、勝手なものだと思う。会いたいからと言って、本館に押し掛けることもできない。シャルロットは荷物を纏めると、ヴァロワ家のメイドとともに部屋を出た。
アルベールたちは、見送りには来ない。混乱を防ぐためと、賄賂を防止するためだ。
「アルベール様たちによろしくお伝えください」
「かしこまりました」
シャルロットがメイドに別れを告げてポンサール家の馬車に乗り込もうとしたとき、「ちょっと待ってください!」と呼び止められた。
「ステファンさん!」
「こちら、お忘れ物でございます」
ステファンから渡されたのはハンカチだったのだが、それはリッシュに会ったときにシャルロットが落としたものではなかった。
「あの」
自分のではないと言おうとしたとき、ステファンはパチンと片目を瞑った。シャルロットの手にはいつの間にか、ハンカチとともに手紙が二枚握らされていた。送り主は、誰と聞かなくても分かった。シャルロットはハッとした表情で、顔を上げた。
「お気をつけてお帰りください」
「ありがとうございます。……良ければ、これを捨てておいてもらえませんか?」
シャルロットが渡したのは、ヴァロワ家の紋章を縫ったハンカチだった。アルベールたちへのお礼のために用意していたものだが、リッシュに変な誤解をされてから、どうも渡しにくくなってしまったのだ。
「かしこまりました」
ステファンは恭しくハンカチを受け取ると、頭を下げた。
「おかえりなさいませ、シャルロットお嬢様」
「うん。ただいま」
ポンサール家の馬車には、メイドのメアリーの姿もあった。家に帰るまで約一週間もかかるため、身の回りの世話をするために同乗したのだ。
「ヴァロワ家はいかがでしたか?」
「色々、体験させてもらったよ。凄く、濃い一カ月だった」
次期公爵のロジェと友達になったことを話すと、古くからの付き合いであるメアリーも流石に驚いていた。
メアリーとの会話が弾んだ後。日が暮れる前に、シャルロットは静かに手紙を開けた。
ロジェからの手紙には、剣をやめて弓を習い始めたこと、魔力は残念ながらなかったことが書かれていた。さらに、ロアナに何やら事情があることも、アルベールの元に何度も足を運んで聞き出したらしい。ロアナを守れるぐらいの人になるという決意の言葉と、そう思えるようになったのはシャルロットのお陰だという感謝の言葉で手紙は締めくくられていた。
最初に会ったときはもじもじと気弱だったのに、好きな人のために一歩ずつ歩き始めている友人のことが、シャルロットは誇らしく感じた。
シャルロットは幸せな気持ちのまま、もう一通の手紙を開けた。それは、想像していた通りアルベールからのものだった。シャルロットは慎重に封を開けて、中身を取り出した。すると、手紙とともに、小さな袋が出てきた。
手紙には短く、『穏やかな夜を過ごせますように』と書かれていた。慎重に小さな袋を開けると、乾燥した花弁が見えた。その小さな袋は、ポプリだった。
「……いい匂い」
シャルロットは目を閉じて香りを感じると、しばらくそのまま馬車の揺れに身を委ねた。
一週間後、シャルロットはポンサール家に戻ってきた。たった一カ月なのに、酷く久しぶりな気持ちになる。荷物はメアリーに任せ、両親へ顔を見せに向かった。
「お父様、ただいま戻りました」
「ああ。無事に帰ったか」
執務室に向かうと、父が書類から顔を上げた。仕事中は厳めしい顔をしている父が、珍しく目元を緩めている。シャルロットはこういうとき、自分は父から大切にされているんだなと思う。
「失礼なことはしなかったか?」
一瞬アルベールの前で泣いてしまったことを思い出したが、頭を振って消し去った。きっとアルベールはあの時のことを、失礼なことだとは思っていないはずだ。
「はい」
シャルロットは頷くと、報告すべきことを報告した。そのついでに、ダルブレ家について尋ねてみる。
「特に不穏な噂は聞いたことはないな」
「……そうなんですね」
それがいいことなのか、悪いことなのか、シャルロットには分からなかった。シャルロットが不安そうな顔をしていると、父は「心配するな」と声を掛けた。
「ヴァロワ家なら、きちんと調査を行うだろう。何かあれば、アルベール様はきっと動いてくださるはずだ」
想像以上に、父がアルベールのことを信頼していることに驚いた。
「命を懸けて魔物を討伐し、国を守るなんて誰にでもできることではないからな」
「確かに、そうですね」
シャルロットは深く頷いて、父の言葉に同意した。
それから、シャルロットは父に別れを告げ、母の元に向かった。母は年の離れたシャルロットの妹のところに居た。まだお喋りはできないので、目が離せないようだ。
ちなみに、シャルロットにはもう一人、兄もいる。兄は跡取り息子なのだが、現在は結婚して別の館に住まいを移している。小さな町を運営し、ポンサール家の当主の座を継ぐ前の経験を積んでいるのだ。
「お母様。ただいま戻りました」
「おかえりなさい、シャルロット」
母は妹を乳母に預けると、シャルロットを抱き締めた。
「さぁ、顔を良く見せて頂戴。元気にしていたかしら」
「はい」
シャルロットは母の腕の中で、帰ってきたことを改めて実感した。一カ月間楽しかったことも多かったはずなのに、ふっと両肩が軽くなったような気がした。
うとうとしている妹に別れを告げ、母とともにバルコニーに移動する。シャルロットたちの動きを察知したメイドが、テキパキとお茶とお茶菓子を運んできた。
シャルロットは父のときと同じように、ヴァロワ家で起こったことを話した。その中には、父には話せなかったリッシュのことも含まれている。
「オドレー嬢の発言はもちろん褒められたものではないけど、家が大変なことは知ってるから、なんだか複雑ね」
「……そんなに大変なんですか?」
シャルロットが知っている事情は、母親が長男を溺愛していることと、リッシュのことを放置していること、両親が不仲なことぐらいだった。母は女主人として、ある程度他家の事情にも詳しい。夫婦仲が悪い家なら同時にパーティーに招待してはいけないなど、配慮しなければならないことが増えるからだ。
シャルロットが10歳を迎えたぐらいから、母は社交界で仕入れてきた情報を話すようになった。そうやって令嬢たちは、女主人としての仕事を少しずつ覚えていくのだ。
「ええ。まさか、淑女教育をしていないとは、流石に思ってもいなかったけれど……」
母は困った表情を浮かべた。
「淑女教育をしていないと、結婚相手を見つけるのは難しいんじゃないですか?」
シャルロットの疑問に、母はティーカップをコトリと置いた。頬に手を当てながら、はぁと小さくため息を吐く。
「そうよ。このままだと、どこにも嫁げなくなってしまうわ」
「オドレー嬢のご両親は、心配じゃないんでしょうか?」
「きっと、なんにも気にしておられないのよ。オドレー家の領地は安定しているから、政略結婚をする必要もないし」
シャーロットはぎゅと眉を顰めた。政略結婚をする必要がないから淑女教育を施さないなんて、聞いたことがない。
「オドレー嬢のお母様は、どうしてご長男のことだけ溺愛するんでしょうか?」
「跡取りだからという人もいるけど、私はきっと、ご当主様に似ているからだと思うわ」
「え?」
予想外の母の言葉に、シャルロットは驚いた。
「ご夫婦とも相手に興味がないと言われているけど、本当は奥様はご当主様のことを愛しておられるのよ。もし嫌っておられるなら、よく似ているご長男のことを溺愛するはずないでしょ?」
「……」
そういうものなのかと、シャルロットは唖然とした。そして、もしそうなら、なんて悲しいんだろうと思った。
「ご長男もご当主の代わりということなら、それは愛とは程遠いと思います」
「その通りね……」
眉を顰めるような親子の関係だとしても、オドレー家となんの関わりもないシャルロットが口を挟むことはできなかった。
シャルロットはリッシュのことも心配になった。もしかしたら彼女は家を出るために、今回のお見合いに懸けていたのかもしれない。シャルロットの想像が事実なのだとしたら、あそこまで取り乱し、シャルロットに八つ当たりをした気持ちも理解できた。
「こんなことを考えていたら、また良い子ちゃんだって言われてしまうかもしれないですね」
シャルロットが自虐的に微笑むと、母はシャルロットの手を握り締めて、ポンポンと軽く叩いた。
「良い子ちゃんでもいいじゃない。要は、あなたがどう思うかよ」
「私がですか?」
「ええ、そうよ。あなたが相手に優しくしたいと思えばそうすれば良いし、怒りたいと思えばそうすればいいのよ」
「それは自分勝手すぎませんか?」
母のアドバイスに、困った表情を浮かべた。
「いいのよ。あなたは自分勝手を心掛けるぐらいで」
「……」
そうなのだろうか。シャルロットは頭の中で、母の言葉を反芻した。
今すぐ自分勝手に振舞うことはできないが、母が自分のために言ってくれていることは分かっていた。
「ありがとうございます。お母様」
「ええ」
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