漆黒の白魔族~最弱生徒の成り上がり~

sizuma

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一年生編 第一章 オルエイ入学

第十八話 わくわくお金稼ぎ

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午後二時。



狩りを開始してから二時間が経った。



現状狩れた魔獣は、ラットウルフが21匹、木とかげが17匹、大鳥が三匹。



合計41匹だ。



さっきは一時間で19匹だったので、かなり好調と言える。しかし、まだ全然足りないという事実は変わらない。



この調子だと、あと三時間は必要そうだ。



「な、なあ、シア。」



「ん? なにエスタ?」



このままだとあまりにも時間がかかりすぎる。



だから俺は彼女に一つの提案をしてみた。



「別行動しないか?」



「え? やだ。」



しかし、速攻で断られてしまった。



「いや、ぶっちゃけこの魔獣狩り一人で十分だろ? だったら更に二手に分かれたほうが効率がいいんじゃないかなって・・・」



「やだ。」



「このままだと更に三時間くらいかかるぞ?」



「それでもいいよ、だからやだ。」



物凄い頑なだった。



どう考えても二手に別れるべきだとは思うが、彼女が頑固に拒否するので、俺は諦めることにした。



代わりに別の提案をする。



「じゃあ、選り好みしないで、ミミズと大鳥も狩ろう。このままじゃあ埒が明かない。」



俺がそう言うと、彼女が絶望した表情で見つめてくる。



目を見開いて、眉間にしわを寄せて、無茶苦茶な顔を作っていた。



まるでこの世の終わりだとでも言うかのようだ。



そんなに嫌なのか、ミミズ。



でも、流石に今日明日のご飯の為だけにあと三時間も浪費したくない。



だから、俺は必死に彼女を説得することにした。







★☆★☆★







午後三時。



狩りを開始してら三時間が経った。



現状狩れた魔物は、ラットウルフが30匹、木とかげが26匹、大鳥が10匹、ミミズが6匹。



合計72匹だ。



シアにミミズを狩る事を頑張って説得しようとしたのだが、結局断られてしまった。



狩ろう、と言っても触りたくないの一点張りだった。



大鳥の方は納得してくれたのでそちらは二人で、ミミズは結局俺一人で狩る事になった。



「なあ、シアさんや、やっぱりミミズの討伐を手伝ってくれませんかね。」



「やだ。結婚してくれたら考えてあげる。」



ほんの少しの可能性をかけて聞いてみたが、彼女はフンっとそっぽを向いてしまった。



このやり取りを十分置きくらいで行っているが、正直諦めたほうが良さそうだ。



何を言っても、あのミミズの生理的な気持ち悪さには勝てないらしい。



「それはそうと、狩りの方はかなり順調になってきたな。」



(まあ、俺がミミズを狩った分が上乗せされてるのがかない大きいんだけど。)



俺が声を弾ませながらそう言うと、シアはほんの少し不機嫌そうに返した。



「私はもっとゆっくりでもいいんだけどな。その方がエスタともっと長くいられるし。」



「いや、俺はさっさと帰って修行したいんだが、、、」



「おお、流石エスタ、真面目さんだね。結婚しよう!」



「今の会話の流れでなんで結婚って単語が出てくるんだよ。」



何度考えてもやはり謎だ。



何故彼女はこんなに求婚してくるんだ?



というか俺、シアに会ったの初めてだよな? 前にあったとか、そんなことないよな?



不思議だった。



何故彼女を俺を好いているのか。



俺が色々思考していると、突然聞き覚えのある声がきこえてくる。



「あれ? シア達じゃん。」



そう声をかけて、こちら側へと歩いて来たのは、エリーゼだった。



ローズマリーと二人で組んでいたのに今は一人な所を見ると、狩りの非効率さから別々に分かれたのだろう。



彼女はこちら側へ歩いてくる。



そしてシアの方を一度見てから俺の方へと目を向けると、申し訳なさそうに質問した。



「ごめん、君の名前なんだっけ? 忘れちゃった。」



「ああ、エスタだ。」



「あ、そうだ、エスタ君だ。ごめんね、人の名前覚えるの苦手で。」



あるあるだ。



特に入学初日だと、覚えないといけない人が多すぎて、いちいち全員は覚えていられない。



「別にいいよ、俺もよくあることだし。」



気持ちはわかるのでそう返すと、彼女は本当に申し訳なさそうにした。



そして続けて質問する。



「二人は一緒に狩りを続けてるんだ。何匹狩れた?」



シアは誇らしげに返す。



「72匹だよ。」



「わあ、凄い数狩ってるね。」



彼女は目を大きく見開いて驚く。



驚くほど多いか?と頭の中で疑問に思う。



「エリーゼは何匹なんだ?」



「なんか言うの恥ずかしいな。ちょうどさっき50匹超えたところ。」



「おお、そっちこそ凄いな。もう明日の昼辺りまでなら食費代を賄えるじゃないか。」



「うん、だから今日の狩りは十分かなと思って、今から戻るところなんだ~。」



少し彼女が羨ましく見えた。



もう帰るのか。



こっちはあと一時間近くかかりそうだというのに。



「そうか、お疲れ。」

「お疲れ様だね~。また寮で~。」



俺達は同時にそう言った。



すると彼女は笑顔で返す。



「うん、また後でね~。」



その後、エリーゼは背中を向けて、狩りの受付所へと向かっていった。



俺達は、彼女の後ろ姿を消えるまで見守った。



「さて、じゃあシア、あと一時間とちょっとがんばろう。」



「一時間? 私はもう少しゆっくりでもいいよ?」



そう言い残す彼女を無視して俺は狩りに戻った。



注意深く辺りを散策し、魔獣を探す。



一方で、シアは無視されたのが少し悲しかったのか、頬を膨らませてすねだした。







★☆★☆★







午後四時十五分。



狩った魔物の数は、ラットウルフが41匹、木とかげが34匹、大鳥が12匹、ミミズが6匹。全体の合計が93匹。



目標の90匹は超えることが出来た。



最初のスピードだと、五時近くまでかかる計算だったから、結果は上々だろう。



「やっと終わったな。これで明日の昼までは賄える。」



「え? もう90匹狩っちゃったの? 早いなぁ~、もうちょっとエスタといたかったのに。」



「いや、俺はもういいよ、流石に疲れた。」



四時間、昼ご飯も食べてない状態で狩りを続けたのだ。



相当疲れた。



俺は彼女の顔を見る。



目が合って、シアはキョトンとしている。



口では手を抜いてゆっくりしたいとは言っていたものの、何だかんだでしっかり狩りはしてくれた。



彼女も疲れているだろうと思っていたが、なんだか平然としているようだった。



「シアは疲れたりとかしてないのか?」



「ん? 別に? あと倍くらいの時間なら動けるよ。」



動けるというのは、狩りを続けられるよということだろうか。



普通に体力が凄い。



俺なんか、ヘトヘトとまでは行かなくても、少し休みたいと思うほどには疲れがたまっているのに。



Hクラスとは言えども、彼女もオルエイの生徒ということだろう。



いや、逆に俺が不甲斐なさすぎるのか?



色々考えていると、シアが俺に話しかける。



「じゃあ、終わったってことだし、受付所に戻っちゃう?」



俺は頷いた。



「ああ、そうだな。今日はもうやることもないし、戻ろう。」



俺達は、狩りの受付所に向かって歩き出した。









受付所へ着くと、狩りの終了報告は案外すぐに終わった。



開始報告をした時とは違って説明することもなかったので、サインをするだけだった。



終了報告を終えた俺達は、同じ建物内の、狩り受付の隣のエリアにある換金所へと向かう。



言わずもがなお金をもらうためだ。狩りを頑張った所で、ご飯を食べる為のお金をもらえなかったら元も子もない。



他の生徒は一足先に終えているのか、あまり人はいなかった。



とりあえず、換金所の受付をしているお姉さんに魔石を渡してお金を貰った。



「はい、ではこちらが報酬の2325デルです。」



「「ありがとうございます。」」



93個の魔石が2325デルになるとすれば、だいたい一個当たり25デルということになる。



魔物一匹狩って25デルか。



渋いにも程がある。



とりあえず、お金を貰った俺達は、これを二等分にして分けた。



俺が1162デルで、シアが1163デル。



二等分にすると更に少ないのがわかる。



「一応これだけあれば、明日の昼までは持つのか? でも明日も同じくらい狩らないといけないんだよな?」



俺がそう呟くと、シアは反応する。



「エスタ、大丈夫だよ。明日はもう一つ上の難易度の場所へ行っていい、って受付の人言ってたじゃん。」



「ああ、確かに。じゃあ、明日は一匹当たりの単価が上がるのか。」



かと言って今日の様子を見ると、何だか期待はできないが。



不意に時計を見ると、もう四時三十五分だった。



外はそろそろ夜に差し掛かろうとしているくらいだろう。



四時間丸ごと狩りに費やしていたのだ。



よくよく考えれてみると、とんでもないな。



窓の外から、日の色が段々と暖かいオレンジ色になってくのを見て、俺はシアに問いかけた。



「シアはこの後どうするんだ? どこか寄ってく場所でもあるか?」



彼女は首を横に振って答えた。



「ううん。別にないよ。エスタは? もし特に用事がないなら、一緒に寮まで帰らない?」



「・・・そうだな。一緒に戻るか、寮に。」









俺達は、第八寮に向かって歩き出した。
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