俺は、魔力0の最弱魔族!〜学園ランキング最下位の俺だが、理不尽跳ね除けトップへと成り上がる!〜

sizuma

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第一章 入学! オルエイ高等学園!

1.配属先は、最下位!?

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「名前はエスタさんであってますね。試験は合格、学年順位は最下位で、配属先はFクラスです。」

「はっ?」

 試験官にそういわれた時、頭が真っ白になった。

 その一言はあまりにも衝撃が大きく、何も考えられなくなった。

「俺が…最下位?」

 それまで確かにバクバクと動いていた心音は、全く聞こえなくなり、時が止まったかのように周囲の音がパタリと聞こえなくなった。

 なんで。
 

 そんな言葉が頭の中に思い浮かんだ。




 今日は高等学校入試試験の結果発表だった。

 入試を受けた学校の名は、オルエイ高等学校。

 この国で最も優れているといわれている教育機関だ。

 持っている敷地は直径十キロもあり、卒業しただけで将来は超安泰。

 所属している生徒は皆、騎士団に所属すれば、団長以上の実力を持っているという噂まで立っている。

 それゆえに、倍率は百倍近くまで行く事もある名門中の名門。

 俺の長年の目標だった。

 だからこそ、この結果に俺は絶望する。

 まさか、自分の成績が、合格者の中で最下位だなんて…

 先に言っておくが、最下位だろうがここに入学できる時点でとんでもなく凄い。

 国中でたった百二十人しか入学が許されないのだ。

 合格するなんて至難の業。

 例えば、自分の住む国で最も難関と言われる学校を想像してほしい。

 その学校が倍率百倍もあり、一学年で百人近くしか入れないとする。

 普通、大半の人は自分には無理だと諦めるだろう。

 ここはそういう場所だ。

 だから多くの人は、例え最下位だとしても合格出来た俺に対して、贅沢言うなと不満をぶつけるだろう。
 
 だが聞いてほしい。

 俺はオルエイの模試で、上位一桁以外とったことがない。

 この国の学力レベルが低いのもあるが、それでも俺は頭が滅茶苦茶いい。

 そして、戦闘レベルも非常に高い。

 十歳という若さで、ハイオークと言われる、討伐に一般男性数十人が必要な魔物を単独で仕留めた事がある。

 当時はまだ子供だったのに、これはものすごい快挙である。

 周囲の人達からは、百年に一度の天才だの、神童だの色々言われた。

 そう、俺は天才なのだ。

 この学校でだって、余裕で一位をとれるはずなのだ。

 だからこそ、俺は動揺で固まった口を無理やり動かして質問する。

「え? 何かの間違いではないんですか?」

「いえ、間違いはありません。正しくあなたを評価した結果です。」

 目の前のスーツ姿を着た女性は淡々とそう述べる。

 俺は全くもって納得出来なかった。

 成績が下の方ならばともかく、最下位なんて…

「なん…で…」

 俺の口からは自然とそんな言葉が漏れた。

 納得できなくて、俺はただがむしゃらに彼女に食いつく。

「納得できません、せめて全ての科目の成績を見せてください!」

「はい、元々そのつもりです。」

 そう言って、試験官である彼女は、手元に用意していた資料を開く。

 俺はその光景をただ呆然と眺めていた。

「ではまず、学力から。百点満点中、九十五点。学年二位です。すごいですね。」

「だろ! 流石に一位はとれなかったが、充分な成績だろ? 小さい頃から頭はめちゃくちゃ良かったんだ!」

「そうですね。これは優秀であると言わざるを得ません。歴代の成績を見てもかなり上位に食い込みます。」

「そうだ! だからこれで学年最下位なんて有り得ない!」

「では次、剣術。百点満点中、九十八点。学年一位ですね。おめでとうございます。」

「当たり前だ! 昔から神童と恐れられてきたんだ!」

「歴代の成績を見ても、上位五名に入ります。とてつもないですね。」

「だから言ったろ!」

「次は身体能力。百点満点中、九十六点。こちらも学年一位です。」

「ハッ! ハイオークと対等に渡り合った俺の力舐めんな!」

「こちらも歴代上位五名に入ります。」

「そうだろ、そうだろ。俺は戦闘最強なんだから!」

「次は体力。百点満点中、百点。化け物ですね。」

「一日中魔物と戦える俺の体力舐めんな!」

「学年どころか歴代一位です。」

「満点なんだから、当たり前だろう。」

「次は拳法。百点満点中、九十四点。学年三位。」

「得意科目だしな。」

「次は戦闘センス。百点満点中、九十六点。伸び代たっぷりです。」

「そりゃ、いずれは魔王になる男だからな。」

「そして次は…」

 ダン、と耐えきれなくなって思いっきり机を叩く。

「今までの結果見たらわかるだろ! 超有望格じゃん!」

「ええ、ここまでの結果を見れば、下手をすれば将来の魔王クラスですね。」

「じゃあ、なんで一番下のクラス!? 国イチの才能を潰す気!?」

「なんででしょうね。心当たりはあるでしょう…」

「無い…!」

 きっぱりと言い切る。

 これだけの点数を取っておいて、心当たりなどあるはずがない。

 十分だろ。もうしっかり自分の実力は見せている。

 しかし試験官は俺を見て、大きくため息をついた。

「はぁ。自分が国イチの才能を持っているなんて豪語する人、久しぶりに見ましたよ。聞きます? 残り三教科の点数…」

「………」

「まず魔力。百点満点中0点。合格者どころか、全受験者の中でもぶっちぎり最下位。」

「………」

「次に魔力操作。百点満点中0点。」

「………」

「最後に魔法。百点満点中0点。」

「………」

「ちなみにこちらの二つも、最下位です。何か言いたい事はありますか?」

「………」

 俺が何も言わないのを見ると、彼女は再び大きくため息をついた。

 そして、手元の資料をじっと見つめる。

「こんなめちゃくちゃな点数の取り方をする人、初めてです。確かに凄い優秀ではありますが、合計点では最下位。諦めなさい。」

「………だって無理じゃん。」

「………は?」

「無理じゃん、こんなんッ! 不平等にも程があるだろッ! 魔力ないんだから、魔法系統の科目なんて全滅に決まってんだろッ!」

「なんで切れてるんですか! 私に言わないでくださいよそんな事! そもそも魔力ないってなんなんですか!? これでもたくさんの受験生を見てきましたが、魔力の項目で0点取る人なんて、初めて見ましたよ!?」

「知らねえよ! 無ぇもんは無ぇんだもん! 仕方ないだろ!」

「というか、よくこの結果で心当たりが無いとか言いきれましたね! 九科目中三科目が0点なのに、合格出来てることさえ奇跡ですよ!」

「知るか! 他の教科が全部九十点台なんだからAクラスに入ってもおかしくねえだろ! ってか入るべきだ!」

「なんですか、そのポジティブ思考は! 現実見ろこのクソガキ!」

「クソッ…!?」

 俺はやるせない気持ちを抑えて、拳を握りしめる。

 本当は思いっきり壁を殴りつけたいが、そんなことをすれば、ヒビが入るどころか粉砕しかねないので我慢するしかなかった。

 八歳の頃、この学校に入ると決めてから、死ぬ気で努力してきた。

 七年間もだ。

 七年間もの間、修行に修行を重ねて、人体の限界を超えた。

 自らを死ぬほど追い込み、時には自分が壊れてしまいそうな事もあった。

 もうやめたい。

 諦めてしまいたい。

 そう思う事もたくさんあった。

 それでも、俺はやり遂げた。

 十五歳という若さで途轍もない力を手に入れた。

 だからこそ、この結果に満足出来なかった。

 魔力という、生まれつきのハンデによって、トップを逃してしまった。

「理不尽だッ!」

 俺がそう叫ぶと、試験官も同じように叫び返す。

「仕方ないだろ! ガキじゃねぇんだからわめくな!」

 最初は敬語で喋っていた彼女も、いつの間にか口調が荒くなっていた。
 
 納得しろと言わんばかりに俺を睨みつける。

 だが、納得なんて出来るわけがない。

 この理不尽に屈するのを認められない。

 結果を受け入れられない俺は、この後十分間抗議し続ける。

 しかし、まだ後ろに結果発表を待つ受験生が大量に控えており、抵抗虚しく追い出されてしまった。

 最終的に、結局俺は学年最下位で、Fクラスという、一番下のクラスからのスタートとなった。

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