俺は、魔力0の最弱魔族!〜学園ランキング最下位の俺だが、理不尽跳ね除けトップへと成り上がる!〜

sizuma

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第一章 入学! オルエイ高等学園!

2.エスタという魔族

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 俺、エスタには生まれつき魔力がない。

 少ないのではない、全くないのだ。

 これは生物学上あり得ない特異体質である。

 そもそも魔力とは何か? 言うなれば生命エネルギー。

 生きる力。

 故に、魔力の無い状態とは生きる力を失った死んでいる状態を指す。

 要するに何が言いたいかと言うと、俺は生きながらにして死んでいるという、矛盾した存在なのだ。

 そんな俺は、当然ながら周囲から相当気味悪がられた。

 ある時は呪われた子と恐れられ、ある時はアンデットと揶揄された。

 生後すぐに親に捨てられ、今の里親に拾われる。

 しかし、拾われた先では周囲の俺を見る目が冷たく、散々な目にあった。

 多くの酷い暴言を吐かれた。

 暴力を振るわれる事さえあった。

 それが俺。

 生まれつきの弱者である。

 しかしそれが嫌で、死ぬほど努力した。

 朝から昼までずっと鍛錬を続け、夜も里親に黙って外へ出て、修行した。

 森へ行き、ガムシャラに魔物を倒し、剣を振り、限界を超える。

 いつの間にか、俺にとっての修行がストレス発散になり、嫌なことを忘れるが為に魔物と戦うようになる。

 日常が嫌いだった分、夜の暗くなった森は、とても心地よかった。

 魔物を切って剣を振って魔物を切って剣を振って魔物を切って剣を振って魔物を切って剣を振って

 そんな日々を送っていたら、いつの間にか強くなっていた。

 この世界には、魔力が多い人が強く、少ない人が弱いという一般の共通認識があるが、俺の強さはそれを覆す程のものだ。

 長年の努力の末に力を手に入れた。

 この力を使って周りを見返したい。

 魔力0でも、世界の頂点に立てることを証明したい。

 そう思って、オルエイを受験したというのに……

「なんで俺がFクラスの、しかも最下位なんだよ!」

 俺は大声で目の前の女性に対して愚痴る。

 場所は俺が受験の為に宿泊していた宿。

 女性は、試験が終わったという事で、俺に結果を聞きに訪ねてきた。

 なので、怒りながら結果を伝えると、彼女はジト目でこっちを向きながら面白そうに笑っていた。

「やはりそうなったかww まあ、魔力が無い生徒なんて、普通は入学させたくないしなww」

「何ワロとんねん。」

 彼女の名前はエイリア・ウィルフォーン。

 オルエイ高等学校の現理事会長だ。

「あんたが絶対Aクラスに入れるっていうから、信じてたのに……」

「最初から無理だろうなとは思っていたよw」

「じゃあ、なんであんな事言ったんですか!?」

 彼女は、俺がオルエイ高等学校へ進学しようと決めた理由を作った人だ。

 俺は彼女に勧められて、オルエイを目指した。

 銀髪銀目でスタイル抜群、しかも超美人。

 何故俺がこの人物と面識を持っているのか。

 確か、出会いは七年前、俺が八歳の頃だった。

 当時の俺は、とある出来事によって悲しみに暮れており、それを忘れたいが為に魔物を狩りまくっていた。

 血みどろになりながら、自身より遥かに強い魔物と戦い続け、半分自暴自棄になっていた。

 正直いつ死んでもおかしくない状態だったと思う。

 そんな時、本当に偶然森の中でエイリア先生にあった。

 彼女は最初、俺に魔力が無いのを不思議がり、とても興味を持った。しばらくすると、俺の剣技に才能を見出し、「うちの学校に来ないか?」と勧められた。

 まさかその時は、勧められた学校が、国一番の教育機関であるオルエイ高等学校だとは夢にも思わなかったが……

 そんな訳で、今は年に一度くらい会う様になっている。

 去年会った時は、この調子で行けばAクラスに入れる。なんて言われたのに……

「いや、まさかあそこまで魔法系の配点が高いなんて、思いませんでしたよ。」

「言わなかったか?」

「言ってません。」

 彼女がキョトンとした様子で言うので、俺は真顔で返す。

 エイリアさんは、結構適当なところがある。

 数時間前と言っている事が違う事がよくあるし、かなり意味のない嘘をつく。

 しかし実力は凄く、滅茶苦茶に強い。

 特に剣技においては手も足も出ず、俺が入試の剣技にて高得点を取れたのは間違いなく彼女のおかげだ。

「まあ、合格できただけ良いじゃないか。魔力のない魔族が入学するという前例のない事を成し遂げたんだ、喜んでもいいだろう。」

 彼女は手をたたいて、気を取り直すように言う。

 そもそも魔力が無い魔族なんて、魔界を探しても俺くらいなもんだけどな。なんて、心の中で突っ込みながら、ひとまず返事を返す。

「そうですね。最下位なのは不服ですが、入学後で順位を上げていけばいい話ですし。」

「そうそう、とりあえずは喜べ。ほれ、手土産も持ってやった事だし。」

 そういうと、彼女は自身の手提げをあさり始め、黒い箱を取り出した。

 そして俺に向かって投げつける。

 俺は、咄嗟にその箱を受け取った。
 
「なんですかこれ?」

「開けてみ。」

 言われた通り箱を開けてみる。

「……靴下?」

「破れて使い物にならなくなったんでやる。」

「いらねぇよ!」

 俺は思いっきり箱を投げ返した。

 彼女はゲラゲラ笑いながら、いとも容易くキャッチする。

 そしてため息をつく。

「こんな美女の靴下なんてそうそう手に入らぬというのに勿体無い。売れば高値がつくぞ?」

「んなわけあるか。あったとしてもいらんわ。」

 そう返すと、少ししょんぼりとした表情で、使い捨ての靴下が入った箱を自身のバッグに入れ直す。

 つか、さらっと自分の事美女とか言ったなこの人。

 まあ、あながち間違えではないのだが……

 銀髪銀目で、美しい顔立ち。しかもスタイルまで抜群ときた。

 百人の男に聞いても1人残らず彼女を美人だと言うだろう。

「というか、あんた暇なんですか? わざわざ俺を揶揄いに来るなんて。」

「酷いなぁ、せっかく合格を祝いに来たというのに……  まあ、確かに入学試験が終わって暇だが、」

「つか、なんか酒臭くね? 絶対飲んできたろ……」

「あぁ、一日中酒場に入り浸っていたら追い出されたんだ。」

「やっぱ暇じゃねぇか。」

 ……これが国最高と言われる学校の理事長らしい。

 大丈夫か? 入学すんの不安になってきたんだけど。
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