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心凍る公爵様
しおりを挟む「っあ、・・ん、公爵さまぁ・・・ぁん」
「は、・・・っ、く。」
鼻につく香水を山ほど振りかけた女を毎夜のように抱く。
何かを埋めたくて、だが、何も埋まらない。
「中に、中に出してぇ・・・」
煩い嬌声は耳につき、俺を萎えさせる。
だが、何もないよりマシなようにも感じる。
女の蜜壺からソレを抜き白濁の液を女にかける。
もっともっとと求めてくる女に嫌気がさし娼館を後にする。
妊娠でもして俺に娶られようとする魂胆が見え見えだ。
少なからず中に入れてるのだから可能性はあるだろうが、仮に妊娠したところで俺の子なのかわかるわけがない。
「・・・疲れた。」
独り言が周りの音に掻き消される。
冷たい空気が頬を撫でる
「埋まらない、何も」
何を埋めたいのかもわからないものを埋めるのに必死になる自分に嫌気がさす。
クロヴィス・アーベライン公爵。
アーベライン公爵領の領主だ。
長い黒髪と赤い目。
表情を崩さない俺のことを領民は冷徹の悪魔と呼んでいるらしい。
悪魔でもなんでも良い。
嫌われていようがこの領地で畑を耕し、恙無く生活をする。
税を納め国に貢献する民を守るのが俺の役目だ。
そう教わり、そう育てられた。
父は俺と同じように表情の変わらない人だ。
無駄な話はせず、常に領民が優先だった。
見た目で言えば父の方が魔王のようだったが、領民にはとても好かれていた。
だが、俺にはとても厳しい人だった。
無駄な話はしてはいけない、笑い声等出そうものならひとたまりもない。
殴られて泣けば泣き止むまで殴られた。
俺は父が50歳の頃に産まれた、母はその頃20歳だった。
産後に血が止まらず俺が産まれて3日で死んだ。
最愛の妻を亡くし残ったのは俺だけで当たり散らすモノを探していたんだろう。
俺にとって地獄のような生活だった。
父は俺が20歳になると同時に俺に公爵の爵位を譲り、ある日突然旅に出ると言ったっきり帰ってこなくなった。
20歳から15年。
領民の為に領地を治め、それについて来れない部下は追放したり、犯罪を犯したものは処罰してきた。
すると、いつの間にか俺は『冷徹な公爵』と言われていた。
屋敷へ帰ると執事のハリーが手紙を手渡してきた。
「旦那様、こちら隣国の社交パーティーへの招待状です。」
「隣国の?」
「はい」
「未婚の20歳以上の貴族男子を招待しているようだな。」
ようは、両国の交流と未婚の貴族同士を引き合わせてより強固な関係だと周辺国へのアピールか。
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「どうなさいますか。いつも通り欠席と致しますか?」
「陛下直筆で俺に必ず参加せよと書かれているからな。参加するしかないようだ。」
「さようでございますか。良いご縁談があると良いですね。」
ハリーは妙に嬉しそうにこちらを見る。
何が嬉しいんだかわからん。
そんな事を思いながらハリーを見る。
「旦那様は長きに渡り孤独な時を過ごしてきましたので、良いご令嬢がおられたらその方と良い人生を送られるのが私の喜びです。」
「・・・そうか。」
ハリーは俺が生まれる前からこの屋敷で執事をしている。
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「では、万が一にでもそんな令嬢がいたら娶るとしよう」
「はい、ぜひ。楽しみにしておりますよ。」
そう話した後湯浴みをし、寝衣に着替えベッドへ沈む。
「良い縁談か・・・」
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だが、人心は金や地位では手に入らない。
もちろん地位は人を引きつけるが、それは悪事を考えるものや下心がある物それだけだ。
出発は1ヶ月後か、、それまでに処理する仕事の事を考える方が先か。
そう思いながら就寝した。
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