114 / 139
異世界、再び
しおりを挟む
気付くと俺は、また暗闇の中に浮かんでいた。
周りを見渡しても俺の身体以外は何もなく、ただただ無限に漆黒が続いているようだ。
「……リン」
どこか遠くの方で誰かの声が聞こえたような気がする。
それを今度は聞き逃すまいと耳を澄ました。
「……ダーリン」
確かに聞こえたその瞬間、俺はベッドの上で目を覚ました。
もう暗闇はなく、目に映るのは涙を流して顔をクシャクシャにした女神と借りている宿屋の天井である。
「あれ? 俺は、いったい何をしてたんだっけ?」
まだ、頭の中がぼんやりする俺に女神の傍らに立って驚きの表情をしたオリビアがこう返した。
「お前、本当に大丈夫なのか? もう、何時間も心臓が止まってたんだぞ」
その言葉に今度は、俺が驚いて横を向くと女神は涙を裾で拭って嗚咽しながらもコクコク頷き肯定する。
俺は、あらためて自分の体がどうなっているのか確認する為に手のひらをグー・パーしてみたり天井をみたり足下をみたり。何となく頭のこめかみ部分を触ってみたりしたが、身体には何の異常も確認出来ず。
いったいどういう状況なのか教えをこうべく再び女神の顔を見ると、落ち着きを取り戻しながら彼女は話始めた。
「あなたは、こっくりさんの呪いで一度、死にました。
当然、魂のリンクでつながっている私たちも一緒に地獄に落ちることは前にも教えたと思いますが今回、そうとはなりませんでした。
なぜなら、あなたの魂は死亡と同時にこの場で完全に消滅したのです。
私も初めて見る現象で何が起こったのかは分かりませんが、魂が消滅した場合、当然ですが二度と生き返ることが出来ません。それどころか、どんな世界にしても転生や転移もありません。次の人生など存在しない正真正銘の根幹存在の終わりなのです。
しかし、驚くべきことにあなたの魂は再構成されて、その容器である肉体も時間が戻るように生き返りました。
奇跡です。
これ程の奇跡を起こせるのは、神の中でも最上位に近い存在だけでしょう。
出来れば、わたしにも教えてくれませんか?
あなたの魂が消滅していた時、いったい何が起こったのかを」
自分が知りたいことなのに、逆に質問を返されて俺は躊躇した。
死んでいる時間の記憶などあるはずがない。
そう、あろうはずもないのだが……。
おぼろげな記憶の中、ひとつの単語が俺の頭の中に浮かび言葉として漏れた。
「……、恵ノ神様」
そのひと言を聞いた瞬間、女神が明らかに驚愕した。
周りを見渡しても俺の身体以外は何もなく、ただただ無限に漆黒が続いているようだ。
「……リン」
どこか遠くの方で誰かの声が聞こえたような気がする。
それを今度は聞き逃すまいと耳を澄ました。
「……ダーリン」
確かに聞こえたその瞬間、俺はベッドの上で目を覚ました。
もう暗闇はなく、目に映るのは涙を流して顔をクシャクシャにした女神と借りている宿屋の天井である。
「あれ? 俺は、いったい何をしてたんだっけ?」
まだ、頭の中がぼんやりする俺に女神の傍らに立って驚きの表情をしたオリビアがこう返した。
「お前、本当に大丈夫なのか? もう、何時間も心臓が止まってたんだぞ」
その言葉に今度は、俺が驚いて横を向くと女神は涙を裾で拭って嗚咽しながらもコクコク頷き肯定する。
俺は、あらためて自分の体がどうなっているのか確認する為に手のひらをグー・パーしてみたり天井をみたり足下をみたり。何となく頭のこめかみ部分を触ってみたりしたが、身体には何の異常も確認出来ず。
いったいどういう状況なのか教えをこうべく再び女神の顔を見ると、落ち着きを取り戻しながら彼女は話始めた。
「あなたは、こっくりさんの呪いで一度、死にました。
当然、魂のリンクでつながっている私たちも一緒に地獄に落ちることは前にも教えたと思いますが今回、そうとはなりませんでした。
なぜなら、あなたの魂は死亡と同時にこの場で完全に消滅したのです。
私も初めて見る現象で何が起こったのかは分かりませんが、魂が消滅した場合、当然ですが二度と生き返ることが出来ません。それどころか、どんな世界にしても転生や転移もありません。次の人生など存在しない正真正銘の根幹存在の終わりなのです。
しかし、驚くべきことにあなたの魂は再構成されて、その容器である肉体も時間が戻るように生き返りました。
奇跡です。
これ程の奇跡を起こせるのは、神の中でも最上位に近い存在だけでしょう。
出来れば、わたしにも教えてくれませんか?
あなたの魂が消滅していた時、いったい何が起こったのかを」
自分が知りたいことなのに、逆に質問を返されて俺は躊躇した。
死んでいる時間の記憶などあるはずがない。
そう、あろうはずもないのだが……。
おぼろげな記憶の中、ひとつの単語が俺の頭の中に浮かび言葉として漏れた。
「……、恵ノ神様」
そのひと言を聞いた瞬間、女神が明らかに驚愕した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる