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大・大・大・大・大・大・大行列大

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 今、俺達は人の作る行列に並んでいた。

 行列も行列の見たこともない大行列だ。

 老若男女、家族連れ、恋人同士、学校のひとクラス、いろいろな団体はあるものの、殺風景な大地に理路整然と人が並んでいる。

 オンボロイドAI・シリーの計算によると、この先の見えない行列が10㎞以上も続いているという。

 なぜ、このような事態になっているのか?

 それは、全ては俺、自分ひとりのせいであった。

 そんなバカなと思いたいところなのだが、それはまごう事なき事実であることを俺は認めざるをえなかった。

 このような状況に陥った経緯を語るには、この長蛇の列がなんであるかを説明せねばなるまい。

 まず、この人の並びのゴール、つまり最先頭で待っているのは、誰もが知ってる地獄の代名詞、『閻魔大王』である。

 その閻魔大王は、そこまで辿り着いたひとりひとりに現世での所業を緩和見て、天国行きか地獄行きかを判決する。

 普段なら、その裁判を受けるまでは死んでから長くてもおよそ数時間。少しの時間ですむそうだ。

 だが、今回このような長蛇の列の大渋滞となり閻魔大王にたどり着くまで数週間かかるという異常事態となってしまっていた。

 この原因、実は俺が使った究極魔法のせいだ。

 俺は、魔法で都市上空にスペースコロニーを召喚し、コロニー落としを仕掛けてしまった。この影響で町に住む住民もコロニーで生活していた人たちも全て命を落して、その魂が地獄に押し掛けたのだ。

 地獄のシステムは、その異常な死者の爆増に対応できず一時的に裁判機能をシャットダウン。

 そして、地獄に来た難民たちは、なすすべなく長蛇の列となり、機能の回復を待っているのである。

「コミケの並びは地獄だよ」とは聞いていたが、地獄の並びは本物の地獄であった。(←なんのこっちゃ?by作者)



「オイッ!!! そこのお前っ!!!

 列からはみ出ているぞっ!!! すぐに戻らんかいっ!!!」



 今、自分がしでかしてしまったことを確認しようと長蛇の列から一歩、横にはみ出したその時、突然すごんでしかりつけてきた声の方に俺は顔を向ける。

 そこにいたのは、これも地獄の定番中の定番。

 『鬼』である。

 身長を2m越す大男で、頭に黄色と黒の縞々の角を生やし、大きなトゲトゲの金棒を持っている。

 特徴的なのは、肌の色で赤、青、黄色、パッションピンクと様々で、自分たちのことは鬼ではなくキャストと呼んでいた。

 ちょうど昔話の桃太郎や、今、流行りのアニメ:鬼滅の力、はたまたあなたの奥さん(鬼嫁)を想像して欲しい。(←ふり幅が大きすぎてワシには、無理れす by作者)

(´・ω・)
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