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包囲されたはじめての街
1590年4月15日・鬼煙の採取開始
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重伍から、鬼涌谷で鬼煙(硫化水素)の採集を開始するとの連絡があり、雄二と共に現場を視察することになった。
重伍によると、敵の夜間の峠道の通行が全くなくなったことと、昼間の通行が明らかに増えたのが決断の理由らしい。どうやら、狼をつかった襲撃作戦は上手くいったようだ。
ただ、硫化水素の噴出現場という大変危険な場所に、俺と雄二という風魔の首脳が二人同時に赴くことに、重伍からは危惧の意が示されたが、そんな危険を冒してまで視察する程に重要な作業であることを伝え、了承してもらった。
実際、小田原を勝利に導くには、この鬼煙の採取貯蔵こそが、最大の切り札になるのだ。その事を現場で作業する者にも重く認識してほしかったというのもある。
現場作業は全て風魔一党と三つ者によって行われる。なのでここでは、俺も風魔のお頭として顔を晒している。
因みに既に包囲が始まっている小田原城下だが、町人の恰好に変装を施したら、驚くほど簡単に城外に脱出できた。
この時代の包囲が現代人からすれば緩いのか、敵が圧倒的な優勢であるので油断しているのか、おそらく両方だな。
とはいえ、一応、敵の目を恐れて、現場までは藪、谷、崖と道なき道を行くのでかなりの強行軍である。現代の俺の体では絶対に不可能な行進だったが、先代様のこの体は、その程度は物ともしなかった。
さて、現場に来てビックリ。崖上から下に滑車とウインチがついた機械が5台設置されている。
重伍によると施工は三つ者が行ったという。毒に詳しいだけじゃなく施設設置も彼らはプロだという。ウインチも滑車も少なくとも俺は教えた覚えがないが、三つ者は、どうやってそんな技術を習得したのかな?なんともチートな集団だ!
そんな凄い人達がいながらなんで滅亡したんだろうね武田家?「甲斐の虎」って異名だったらしいから虎人族だったのかね?フシギ!
重伍から聞いた施工までの手順はこうだ。
1.縄の先に鼠を縛り付けて垂らす。
縄伝いにわかる暴れる鼠が静かになったら、その地点が鬼煙の上端
2.次に鉛の重しを縄の先に縛り垂らす。
縄が撓むようになったら下端、つまり地面である。
この測量の結果、鬼煙は崖下3mから存在し、地面までは約5mであることがわかった。
これを受けて木材(杉の木だそうだ)で、クレーンの大きさを決め設置、先端の滑車の先に甕を吊るし降下させて鬼煙を採集、ウインチで巻き上げて回収する設備が整ったとのこと。
ここまで説明を受けて、ようやく俺は問題に気が付いた。
硫化水素の比重はおよそ1.2だ。 空気よりは重いから崖下に甕を置けば確かに中に硫化水素は溜まるだろうが、80リットルもの大甕を満たすのに数日はかかるだろう。
運び人の安全を考慮して40リットルと見積もっても三日はかかる計算だ。
三日で甕5個=200リットル。硫化水素は水溶性だから梅雨前に出来るだけ確保して置きたい。
入梅まで、およそひと月弱、もう少しペースアップしたいところである。
と、この要望を三つ者に伝えたところ、クレーンをあと5つ増設してくれることになった。これで、採集量は二倍になる。
また、採集作業中の三日は見張り要員数名と護衛の狼使いに狼、危険探知役に籠に入れた鼠を置くことに決め、狼使いの護衛の下、採集場を後にした。
現代では絶滅している日本狼に会えたことでテンション爆上がりだったのはいうまでもない。
(史実での小田原陥落まで、あと82日)
重伍によると、敵の夜間の峠道の通行が全くなくなったことと、昼間の通行が明らかに増えたのが決断の理由らしい。どうやら、狼をつかった襲撃作戦は上手くいったようだ。
ただ、硫化水素の噴出現場という大変危険な場所に、俺と雄二という風魔の首脳が二人同時に赴くことに、重伍からは危惧の意が示されたが、そんな危険を冒してまで視察する程に重要な作業であることを伝え、了承してもらった。
実際、小田原を勝利に導くには、この鬼煙の採取貯蔵こそが、最大の切り札になるのだ。その事を現場で作業する者にも重く認識してほしかったというのもある。
現場作業は全て風魔一党と三つ者によって行われる。なのでここでは、俺も風魔のお頭として顔を晒している。
因みに既に包囲が始まっている小田原城下だが、町人の恰好に変装を施したら、驚くほど簡単に城外に脱出できた。
この時代の包囲が現代人からすれば緩いのか、敵が圧倒的な優勢であるので油断しているのか、おそらく両方だな。
とはいえ、一応、敵の目を恐れて、現場までは藪、谷、崖と道なき道を行くのでかなりの強行軍である。現代の俺の体では絶対に不可能な行進だったが、先代様のこの体は、その程度は物ともしなかった。
さて、現場に来てビックリ。崖上から下に滑車とウインチがついた機械が5台設置されている。
重伍によると施工は三つ者が行ったという。毒に詳しいだけじゃなく施設設置も彼らはプロだという。ウインチも滑車も少なくとも俺は教えた覚えがないが、三つ者は、どうやってそんな技術を習得したのかな?なんともチートな集団だ!
そんな凄い人達がいながらなんで滅亡したんだろうね武田家?「甲斐の虎」って異名だったらしいから虎人族だったのかね?フシギ!
重伍から聞いた施工までの手順はこうだ。
1.縄の先に鼠を縛り付けて垂らす。
縄伝いにわかる暴れる鼠が静かになったら、その地点が鬼煙の上端
2.次に鉛の重しを縄の先に縛り垂らす。
縄が撓むようになったら下端、つまり地面である。
この測量の結果、鬼煙は崖下3mから存在し、地面までは約5mであることがわかった。
これを受けて木材(杉の木だそうだ)で、クレーンの大きさを決め設置、先端の滑車の先に甕を吊るし降下させて鬼煙を採集、ウインチで巻き上げて回収する設備が整ったとのこと。
ここまで説明を受けて、ようやく俺は問題に気が付いた。
硫化水素の比重はおよそ1.2だ。 空気よりは重いから崖下に甕を置けば確かに中に硫化水素は溜まるだろうが、80リットルもの大甕を満たすのに数日はかかるだろう。
運び人の安全を考慮して40リットルと見積もっても三日はかかる計算だ。
三日で甕5個=200リットル。硫化水素は水溶性だから梅雨前に出来るだけ確保して置きたい。
入梅まで、およそひと月弱、もう少しペースアップしたいところである。
と、この要望を三つ者に伝えたところ、クレーンをあと5つ増設してくれることになった。これで、採集量は二倍になる。
また、採集作業中の三日は見張り要員数名と護衛の狼使いに狼、危険探知役に籠に入れた鼠を置くことに決め、狼使いの護衛の下、採集場を後にした。
現代では絶滅している日本狼に会えたことでテンション爆上がりだったのはいうまでもない。
(史実での小田原陥落まで、あと82日)
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