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包囲されたはじめての街
1590年6月10日・山中城の戦い1
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山中城は元々北条氏が築いた城であり、今回の小田原攻めに際して西の守りの拠点として大規模な改修が行われていた。
豊臣方に奪われた後は清水港に届く補給物資の中継拠点として機能し、城兵はさほどいなかったが、小田原を包囲していた蒲生氏郷隊4千と宇喜多秀家隊1千が入り元の城兵と合わせて6千で守備していた。
蒲生隊、宇喜多隊も当初は山中城で休憩した後、国元に戻る予定だったのだが、物流の中継拠点だけあって、兵糧・武器・弾薬とも豊富にある。
北条の追手が来た場合、逃げる途中で追いつかれ野戦になるより、ここに留まって抵抗した方が良いという結論になったのだ。
一方、北条方は御屋形様・北条氏直の本隊と、一門の北条氏房隊、北条氏光隊にご隠居様の兵も一部借り山中城の奪還に向かった。未だ小田原の周辺は混沌としている中で御屋形様直々の出陣に止める意見も多かったが強行した。氏直としては、一刻も早く山中城を取り返し、さらに、駿河に向かい、駿府に戻った妻の督姫を早く保護したかった。
氏直以下北条軍総勢1万が山中城に迫る。氏直の相伴衆の一人、間宮直元は山中城めていた時期もあり城・周辺に詳しく、道案内の役を果たしていた。
この時点では、北条方は山中城にはそれほど兵はいないと思っていたのだ。
街道に面した南櫓を突破しようとしたところで、突如、城内から銃撃を受けた。
本丸へと続く本城三の丸と後ろの出丸から挟撃されたのである。
思いもよらぬ敵の攻撃に、氏直は一時討ち死にを覚悟したが、何とか体制を立て直し、箱根方面に退却した。
北条側も種子島は装備している上、新型炮烙玉5玉とバリスタも持って来ていたが、山中城は名前の通り駿河への街道の斜面に作られた山城であり、銃撃戦となれば上から下に狙える城側が有利だ。
この時、山中城は本丸に宇喜多秀家隊1千と蒲生氏郷本体1千、南櫓に近い三の丸に蒲生分隊2千、街道をはさんだ出丸側に旧来の守備兵と蒲生分隊合わせて2千を配していた。大筒こそないものの鉄砲や弾薬は十二分にある。
北条方では軍議を繰り返した結果、小田原に援軍の使者を派遣する一方、本丸南下の虎口を攻めようという結論になった。というのは山中城は西からの攻撃に備えた城であり、今回のように東側からの攻撃は想定されていなかったからである。
南虎口から入れば、容易に本丸まで行ける。実際、豊臣の攻撃にさらされた際、間宮直元が父によって逃がされたのは、この南虎口だったのだ。
城内の地理に明るい間宮がいるので、南虎口から夜襲をしかけることになった。
夜間であれば、敵の抵抗も弱まっているに違いないと思われた。
日付が替わった11日の0時頃、北条軍から選抜された千の兵が南虎口に向かった。皆、闇に眼をならしており松明は使用していない。
予想通り南虎口の守りはあまり固くなかった。さしたる戦闘もなく虎口裏に潜入城門を開け、北条軍は城内に侵入した。同時に使者を本隊に派遣、虎口を突破したことを伝えた。
豊臣方に奪われた後は清水港に届く補給物資の中継拠点として機能し、城兵はさほどいなかったが、小田原を包囲していた蒲生氏郷隊4千と宇喜多秀家隊1千が入り元の城兵と合わせて6千で守備していた。
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この時点では、北条方は山中城にはそれほど兵はいないと思っていたのだ。
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この時、山中城は本丸に宇喜多秀家隊1千と蒲生氏郷本体1千、南櫓に近い三の丸に蒲生分隊2千、街道をはさんだ出丸側に旧来の守備兵と蒲生分隊合わせて2千を配していた。大筒こそないものの鉄砲や弾薬は十二分にある。
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南虎口から入れば、容易に本丸まで行ける。実際、豊臣の攻撃にさらされた際、間宮直元が父によって逃がされたのは、この南虎口だったのだ。
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夜間であれば、敵の抵抗も弱まっているに違いないと思われた。
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