落ち武者・歴史は知らない理系リーマン、化学チートで戦国を駆ける

ディエゴ

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包囲されたはじめての街

1590年6月11日・山中城の戦い3

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やがて三の丸と本丸との間で銃撃戦が始まった。

つまり、伊達と豊臣方が戦っているということである。

依然困惑する北条軍だが、氏直本陣に伊達の使者が現れた。南虎口の突破に成功し登って来たらしい。

氏直は使者と面会することにした。

使者は留守政景るすまさかげと名乗った。使者というが相伴衆10名も含め、身に着けている武具などからかなりの人物とわかる。

『伊達家先代御屋形の弟・留守政景と申します。現在は当代御屋形様の旗下で主に外交を担当しております』

先代の弟、つまり当代の叔父というわけか。これは大物だ。

その後、留守政景から今回の経緯を聞いた。

伊達の当主政宗は箱根に確かに参陣したが、秀吉に遅参を責められ、面会を許されず底倉温泉に蟄居させられていたこと。

政宗も秀吉を信用しておらず、箱根には小勢で参陣したが、万一に備え甲斐に一万の兵を置いていたこと。留守はその甲斐に残した兵をまとめていたそうだ。

伊達の忍び黒脛巾組が風魔から秀吉奇襲を知らされ、政宗一行は底倉を脱出甲斐に逃げ本隊と合流したこと。

その後、小田原城の合戦で豊臣方が大敗したことを黒脛巾組から知らされ、清水港の物資を狙いに南下していたこと。

黒脛巾組の調べで清水港には秀吉方の大型船が多く停泊しているのが分かっており、一万の大軍でも分散すれば乗船可能だったので、物資を略奪してそのまま船も徴発して帰国するつもりだったらしい。

佐竹、宇都宮という関東勢と仲の悪い伊達としては陸路で帰るより安全と考えていたそうだ。

因みに往路は関東勢の領地を避け、越後、信濃、甲斐を経由してやって来たという。

成程、豊臣の大軍の歴史的大敗を知れば、一刻も早く国元に帰りたいと思うのも当然だろう。

その南下の途上で先行していた黒脛巾組から山中城で合戦が有りそうなこと。しかも北条方の大将は当主氏直と知って加勢に来たとのことだった。

到着後は南櫓にも出丸にも兵がいないので容易に入城、合わせて銃声がしている方向に斥候を出したところ蒲生軍が城内に発砲してることがわかり、別動隊を編成して蒲生軍が横から急襲、虎口を確保し、北条への使者隊を編成し面会にきたとのことだった。

やがて、伊達軍・北条軍の攻撃を受けてついに本丸は降伏開城した。

勝軍の将は北条氏直・伊達政宗、敗軍の将は蒲生氏郷・宇喜多秀家

本作には極めて珍しい、有名戦国武将の御揃いである。
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