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お茶汲み秘書の話すのやめときたい秘密
より深くキュンと来る
しおりを挟む「いやいやいや」
とあまりは手を振る。
「騙されそうなんで、結構です。
うっかり情にほだされて結婚して、盆暮れ正月に愛人に菓子折り持って挨拶に行けとか言われたら嫌ですから」
「なに時代の話だ、それは」
「うちのお母さんも情にほだされて、あの悪魔みたいな父親と結婚しちゃって」
「泣いてるのか?」
「いや、幸せそうなんですけど。
父親の言動を見るたび、お母さん、この人でよかったの? って思うんですよね」
と言いながら、海里のグラスに酒をそそいでやったが、あまり上手くはいかなかった。
「じゃあ、いいじゃないか。
お前も情にほだされて結婚してみろ」
「うーん。
でも、確かに、貴方の写真見たとき、いいなと思いましたけど。
写真見て決めるとか、顔だけで決めたみたいなんで嫌だったんです」
「顔以外は嫌いなのか?」
「いや……最初の印象と違って、結構しょうもないこと言い出したりするし。
たまに、莫迦なんじゃないかなーとか思ったり……」
「お前が言うなーっ」
と言われたが、
「いや、そういうところが可愛いかな、とは思います」
と本音を告げた。
うーん、とグラスを手に唸っていると、また、たいして減っていないそれに酒をそそがれる。
つがれた酒はすべて呑み干せという父親の、それ、女子に対しての教育としては、どうなんだという言葉に従い、全部頂いた。
その教えがあったからこそ、秋月の酒もすべて呑んでしまって、あのような事態になってしまったのだが。
女子としては、可憐に結構です、というべきだったか。
まあ、おそらく秋月が許すまいが。
「でも、人間って、格好いいとこより、駄目なとこを見たときの方が、より深くキュンと来るような気がするんですよねー」
「そうか。
じゃあ、俺はお前にべた惚れなはずだな」
どういう意味だろうな、と思いながら、次の酒もいただいた。
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