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悪役令嬢だと言われ、国を追い出されました
ココガ魔王ノ森ダ
しおりを挟む結局、フェリシアがその剣を持つことになった。
「それにしても、一体、誰が私の荷物にこれを紛れ込ませたんでしょう」
「誰がやったか、わかったらどうするつもりだ」
「そうですね。
私はふだん、やられる前にやりますが」
「……やられる前に」
「やろうとしただけでやります。
やる気配を感じただけで、やります。
妄想の段階でやります」
「……恐ろしい娘を拾ってしまったな」
と魔王は言うが。
いや、あなたを滅ぼせる剣を持っている時点で、充分恐ろしい娘だったと思いますよ、とフェリシアは思う。
過酷な環境がフェリシアを強くし、順応性のある娘に育ててくれていた。
「それにしても、これ、シンプルで美しい剣ですね」
太陽の光に輝く白い剣を空に向かって突き上げ、フェリシアは言う。
魔王はおのれの権威を失わない程度に微妙に後ろに下がりながら、
「私を死へと誘う剣だがな……」
と言った。
「武器に装飾がついているのは、平和な時代だけだと聞きました。
では、これは戦乱の時代に作られた、シンプルに敵を倒すための剣ですね」
「シンプルに私を倒す気か。
威力がありそうで怖いな……」
そう魔王は震える。
そのまま、フェリシアは魔王の森へと連れて行かれた。
絶品のピザ屋が……と思いながら。
「ここが魔王の森だ。
呪われた土地だと人は言う」
「何故ですか?
こんなに祝福を受けたような景観なのに」
魔王の森の木々が開けている場所には花が咲き乱れていた。
人ならこんな風には配置しない、と思う感じの色の洪水が、この世ではないかのような美しさを醸し出している。
これが呪われた土地? とフェリシアは小首をかしげる。
「ここは呪われた土地なのだ」
可憐な花々を見ながら、重々しく魔王はそう繰り返す。
「なにを置いておいても、すぐ腐るのだ。
なんでも腐る」
「単にここ、あったかいのでは?」
湿度も高そうですし、とフェリシアは見回す。
温泉とかありそうだ。
湿地帯もありそうだ。
なんかむしむししてるし。
よくこの人、こんなごっついマント着てるな。
……まあ、人じゃないからな。
魔王は暑さ寒さを感じないのかもしれない。
人のような心もないのかも、と思うが。
何処となく言動が人間臭い。
あのできすぎたトレラントの国王様より人間っぽい、とフェリシアは思っていた。
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