都市伝説探偵 イチ ~言霊町あやかし通り~

菱沼あゆ

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学校VR ~七不思議~

お化け階段

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「屋上へ続く階段って、数えるたびに数が違うとか言うじゃない。
 いや、うちでは聞いたことないんだけどさ、そんなの」

 乃ノ子は新たな七不思議の場所へと紀代に連れて行かれていた。

「お化け階段か。
 屋上じゃなくて、地獄へ続いてそうね」
と彩也子は笑うが。

 屋上へ出る扉の前には、やさぐれた感じの霊がたむろしていて。

 どちらかと言えば、カツアゲされる場所への階段といった感じだ。

 ヤンキー座りの彼らを見ながら、乃ノ子は思う。

 うちの学校では、ヤンキーとかお見かけしたことないんだが。

 何処から流れてきた霊なんだろうな、と。

 近くのコンビニの前とかにしゃがんでて、警官の霊にでも追い払われたのかもしれない。

 乃ノ子がそんなことを考えている間に、みんな階段を上がって、数を数え始めた。

「あ、私、十三段です~」
と風香が可愛らしく言い、

「私、十二」
と紀代が言う。

「そういうのって、一番上についたときに数えるかどうかとか、下に下りたとき、廊下を数えるかどうかで違うとか言わない?」
と彩也子は言ったあとで、

「あ、私、十段」
と上がり終えたらしく言っていた。

 下りてみよう、と今度はみんなで下り始めたようだ。

「私、十二段です」

「私、十三段」

「私、十四段。
 ……お化け階段ね」
と彩也子が言う。
 
 いや、それ、どう考えても数え間違い。

 そこの霊たち、誰も動いてないし。

 なにやってんだって顔で見てるし。

 そもそも、これ、私がVRゴーグル被ってる意味なくない?
と乃ノ子が思ったとき、

「……単にお前らが全員、適当だってだけだろ」
と言いながら、神川が上がり始めたようだった。

「六段だな」

「いやいや。
 何段で上がれるかとかいう話じゃないから、これ」
と彩也子が言い、

「なによ、神川っ。
 ちょっと脚が長いからって。

 そんなんだったら、イチさんなら一段よっ」
と紀代が無茶を言う。

 いや、てながあしながか。

 ……まあ、相当あやかし寄りの人ではあるが。

 紀代が、
「私だって、七段くらいで行けるんだからっ」
と叫んで、また数えながら上がり始めたようだった。

 なにか違う競争になっている……と乃ノ子が呑気に突っ立っていると、

「あーっ。
 よろけちゃって、全部一段飛ばしで上がれない~っ!」
と絶望した紀代が、

「ちょっと乃ノ子っ。
 あんたもやりなさいよっ。

 あんた、一番身長あって、脚も長いじゃないっ」
と言ってくる。

 いや、だから、なんの競争……と思ったが、下手に女子の集団に逆らうのも怖い。

「じゃあ、みんな退いて。
 生きてる人間は見えないから」
とVRゴーグルをつけたまま言って、

「なにが見えてるのっ」
と紀代に悲鳴をあげられてしまう。

 いやいや。
 見えても教えるなって言ったじゃん、と思いながら、乃ノ子は階段を数えながら上がってみた。


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