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一年生・秋の章 <エスペランス祭>
いっぱい甘えたいの①★
しおりを挟むエスペランス祭前の慌ただしさは無く、久しぶりにゆっくりと時間が流れる夜を過ごすフィンとリヒト。
二人でゆったりとお風呂に入った後、リヒトはベッドの上でフィンの大好きなチョコレート(超高級品)を一粒食べさせた。
「美味しい……?」
「わーおいしいっ!もっとちょーだい?」
チョコレートを食べたフィンは、枕を背にし寛ぐリヒトの上にまたがる様に座っており、甘えた声を出してチョコレートをねだった。
昔であれば“もっと”と言うこともなく遠慮がちだったフィンが、リヒトには自然と甘えることが増えてきたため、リヒトはその変化を内心大いに喜んでいた。
「(可愛すぎる……)フィンは今日たくさん頑張ったから、いくらでもあげるよ。おいで」
フィンはにこーっと嬉しそうに笑みを浮かべると、顔を近づけてあーんと口を開く。
リヒトはチョコレートを摘んでもう一度フィンの口元に運ぶと、フィンは目を輝かせながら、今度はリヒトの指ごとパクッと頬張る。
リヒトはぴくっと反応を示し、少し目を見開いた。
「ん……俺の指まで食べてくれるの?」
リヒトは可笑しそうに笑ってフィンの舌を指でつつくと、フィンはそれに返事をするようにリヒトの指に舌を絡ませた。
フィンは丁寧にリヒトの指を舐めてから口を離すと、照れ笑いを浮かべながらリヒトに思い切り抱き付く。
「えへへ……リヒトの指もチョコレートついてたから、一緒にたべたー」
フィンはそう言ってリヒトの胸板あたりに顔を埋め、左右にすりすりと頭を動かして笑みを浮かべる。
「(可愛すぎる……どうしたものか)」
リヒトはフィンをぎゅっと抱き締めると、体がぽかぽかと暖かくなっていることに気付く。
フィンは眠くなると体がかなり暖かくなる特徴があったため、リヒトは笑みを浮かべてフィンを抱き上げ表情を確認した。
少し眠そうな目でリヒトを見るフィン。
「フィン、今日は一日頑張ったから眠たいね……?今日は早く寝たほうがいい」
リヒトはそう言ってフィンを自身の横に寝かせて腕枕をすると、フィンはリヒトを見上げ何か言いたげな表情を浮かべる。
「どうしたの……?可愛いフィン」
リヒトはフィンの額に唇を落とすと、フィンは目を細めリヒトの首に顔を埋めながら口を開いた。
「あのね……ちょっとだけ眠たいんだけど……でもちょっとだけなの」
「……うん?」
リヒトはフィンの辿々しい言葉を聞き首を傾げる。
「あのね、眠たいんだけど、僕もっとね……」
「?」
フィンはリヒトの服をぎゅっと掴むと、目をぱちっと開き少し顔を赤らめてリヒトを見上げる。
「今日は、もっといっぱい甘えたいの……っ」
フィンの大人になりきれない少年っぽさを残した声色で放たれる、リヒトへ向けられた精一杯の愛らしい我儘。
リヒトは一瞬固まったように動かず、やがて顔を赤らめて自身の額と目を手で押さえ冷静を取り戻す。
「フィン……ごめんね。まだ眠りたくなかったんだね」
リヒトは柔らかい声色で微かに微笑みながらフィンを抱き締めると、そのままゆっくり優しく組み敷いて恋人繋ぎをしながら見下ろす。
フィンはあっという間にリヒトに自由を奪われるが、嬉しそうに小さく笑って「だいすき」と小声で言った。
「ふー……俺の方が好きだよ……ずっとこうしたかった」
リヒトはフィンの甘い言葉に心臓を高鳴らせ、落ち着くために息を吐きながらフィンの首元に唇を落とす。
「俺も、フィンのこと甘やかしたくて仕方ない……」
リヒトはフィンの耳元でそう囁くと、耳たぶを優しく吸って甘噛みをした。
「んんっ……みみ、ぞわぞわしちゃう」
フィンは目を潤ませながら小さくそう言うと、リヒトはふっと笑って耳にキスをしながら囁く。
「いや?」
「ん、ぇ、やじゃない……」
フィンはぎゅっと目を瞑り首を横に振ると、リヒトは耳に優しくキスを繰り返し、舌を耳の穴に入れて丁寧に舐め始める。
「ひゃっ……」
鼓膜に響く水音と、全身を駆け巡る甘い感覚。フィンの陰茎が反応を示すのに時間はかからず、パジャマの上からでも分かるぐらいに反応を示していた。
リヒトは耳から口を離しそれを確認すると、恋人繋ぎをしていた手を離して両手でフィンのパジャマを脱がせ始める。
上についている淡い青色のリボンを解き、ぷちぷちと小さなボタンを外していく。
「ぁ……」
ボタンを外し終えたリヒトは、そのまま服を左右に開いてフィンの上半身を晒した。
ここ二週間は、この真っ白な肌にまともに触れることが無かったため、リヒトがつけた愛の証は消えている。
「痕が消えちゃってるね……」
リヒトはそう言いながら、フィンの手首を押さえつけ今度はフィンの淡いピンクの乳首に息を吹きかける。
フィンはピクッと体を震わせて反応を示すと、すぐに訪れた乳首への甘い刺激と温かい感触に思わず声を漏らした。
「ふ、うっ……ぅぅっ」
舌で優しく押し潰し、時折優しく吸い付いて舌で転がす。淡いピンク色から、充血した濃いピンク色に変化すると、もう片方の乳首も同じように丁寧に愛撫するリヒト。
「ひゃあっ、あっ……」
その後は、ようやく胸元に唇を移動させて強く吸い付き痕を何個もつけて独占欲を主張していった。
フィンはその間、吸われる度に体をピクッと動かし息を荒くさせ、蕩けた表情を浮かべながら、最早眠気を忘れ快感だけが脳内を支配している状態。
久しぶりの甘い時間に、リヒトはフィンを甘やかすことにすっかり没頭する。
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