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#7-②
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バタバタな朝なのはひとえにパルテン王の用意した侍女のせいだった。準備していたものを片付けてしまった、に始まり、手が滑って今日の為に作ったアクセサリーを壊してしまった、終いには今日のためのドレスに紅茶をひっくり返してしまった。
侍女の三人が三人とも悪びれもせず、謝罪の言葉も軽い。アーシェンを軽んじているのは聞かずともわかった。ドレスもなく、それに合わせて作ったアクセサリーはすべて壊れ、靴さえ履けない状態になっている。帝国に帰らせないためにここまでやるかと呆れて言葉も出ない。
「あなたたちもういいわ。下がりなさい」
「え、でも私たちがいないと準備できませんよ?」
「あなたたちがいるから出来ないのです。下がりなさい」
「ですから! 私たちがいないと、」
アーシェンの冷たい視線に耐えられず、三人の侍女は部屋を出て行った。
「シーア。頼めるかしら?」
「もちろんです。お嬢様。準備は出来てますよ」
手際よくドレスを着つけていくシーアは、帝国から連れてきた侍女である。乳母の実の娘で乳兄弟でもあった。念には念を、とはいうが、ここまで姑息なことをやるとは思っておらず、さすがに驚いた。もっと言うと彼女たちの態度にも驚いている。おそらく、今回のはパルテン王の指示ではない。およそ第一王妃かそのほかの妃にどれかだろう。
20分とかからず支度は終わり、いつでも帝国へ出立できる準備が整った頃。優雅に紅茶を飲むアーシェンの前に三人の侍女は跪いていた。
「どうしてこんなことをするんですか!」
「どうして?」
鋭い視線に侍女のひとりは押し黙った。震えながらも別の侍女は言う。「す…少し失敗しただけではないですか!」
「そう…、そうです! 人間なら間違いは誰にでもあることでしょう??」
「わ、私たちはもう謝っております。どうか寛大なお心で、」
「ほう? 謝れば許されるの?」
「ひっ…」
「それとねぇ…」
頬に手をあて、アーシェンは息をつく。「お前たちが言うその言葉は、お前たちの立場で言えること?」
「それは…、私たちは侍従でお嬢様とは天と地ほどの身分さがございますが…」
「第一王妃様はそのようなことをおっしゃいません! 身分隔てなく、」
「言い方が悪かったわね」
紅茶をのむ。カップを握る手には力が入った。。
「わたくしの言う立場は身分のことではないわ。お前たちはわたくしに加害したのよ? お前たちの口から出てきた言葉は本来、被害者が言う言葉ではなくて?」
「…」
三人とも、口をつぐんだ。一様に俯くが、それは不貞腐れた子供のように思えた。
「…もし、わたくしがお前たちの大切な者を害しても、無条件でお前たちは許すというのね。衣服を汚して、装飾品を壊して…。試してみようかしら? シュート、行ける?」
「すぐにでも」
はっとして顔を上げた三人は、顔色が青ざめていた。ようやく理解したのか。アーシェンは三歳児に道徳を教えているような感覚で、ひどく疲労を感じた。
「さて。あなたたちの罪はいくつかしら?」
時を待たずして王宮の王座の間の方から地鳴りとともに爆発音が響いた。
「きゃぁ!!!!」
侍女たちが騒ぐ。黙りなさい、とシーアが𠮟責しアーシェンは紅茶を飲み干した。「始まったわね」
侍女の三人が三人とも悪びれもせず、謝罪の言葉も軽い。アーシェンを軽んじているのは聞かずともわかった。ドレスもなく、それに合わせて作ったアクセサリーはすべて壊れ、靴さえ履けない状態になっている。帝国に帰らせないためにここまでやるかと呆れて言葉も出ない。
「あなたたちもういいわ。下がりなさい」
「え、でも私たちがいないと準備できませんよ?」
「あなたたちがいるから出来ないのです。下がりなさい」
「ですから! 私たちがいないと、」
アーシェンの冷たい視線に耐えられず、三人の侍女は部屋を出て行った。
「シーア。頼めるかしら?」
「もちろんです。お嬢様。準備は出来てますよ」
手際よくドレスを着つけていくシーアは、帝国から連れてきた侍女である。乳母の実の娘で乳兄弟でもあった。念には念を、とはいうが、ここまで姑息なことをやるとは思っておらず、さすがに驚いた。もっと言うと彼女たちの態度にも驚いている。おそらく、今回のはパルテン王の指示ではない。およそ第一王妃かそのほかの妃にどれかだろう。
20分とかからず支度は終わり、いつでも帝国へ出立できる準備が整った頃。優雅に紅茶を飲むアーシェンの前に三人の侍女は跪いていた。
「どうしてこんなことをするんですか!」
「どうして?」
鋭い視線に侍女のひとりは押し黙った。震えながらも別の侍女は言う。「す…少し失敗しただけではないですか!」
「そう…、そうです! 人間なら間違いは誰にでもあることでしょう??」
「わ、私たちはもう謝っております。どうか寛大なお心で、」
「ほう? 謝れば許されるの?」
「ひっ…」
「それとねぇ…」
頬に手をあて、アーシェンは息をつく。「お前たちが言うその言葉は、お前たちの立場で言えること?」
「それは…、私たちは侍従でお嬢様とは天と地ほどの身分さがございますが…」
「第一王妃様はそのようなことをおっしゃいません! 身分隔てなく、」
「言い方が悪かったわね」
紅茶をのむ。カップを握る手には力が入った。。
「わたくしの言う立場は身分のことではないわ。お前たちはわたくしに加害したのよ? お前たちの口から出てきた言葉は本来、被害者が言う言葉ではなくて?」
「…」
三人とも、口をつぐんだ。一様に俯くが、それは不貞腐れた子供のように思えた。
「…もし、わたくしがお前たちの大切な者を害しても、無条件でお前たちは許すというのね。衣服を汚して、装飾品を壊して…。試してみようかしら? シュート、行ける?」
「すぐにでも」
はっとして顔を上げた三人は、顔色が青ざめていた。ようやく理解したのか。アーシェンは三歳児に道徳を教えているような感覚で、ひどく疲労を感じた。
「さて。あなたたちの罪はいくつかしら?」
時を待たずして王宮の王座の間の方から地鳴りとともに爆発音が響いた。
「きゃぁ!!!!」
侍女たちが騒ぐ。黙りなさい、とシーアが𠮟責しアーシェンは紅茶を飲み干した。「始まったわね」
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