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第1章 幼少期

転生編 1話

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…え? これまさか『転生』じゃない?
ホントにあるんだ。

「うわっ」
急に様々な記憶が頭のなかをよぎる。
今までの記憶か?
、、、

内容を整理すると、
俺はこの世界のなかで3つある大陸のひとつ、なかでも一番大きい大陸に唯一しかない王国『フローリア王国』の第一王子。名前はレイハルト。
しかも応対しになることが決まっている。
それと、この世界には魔法とか精霊とかが存在している。
魔法の属性は基本6つ。風、土、火、水、光、闇。
たまに派生したものがあったりする。
属性は髪・瞳の色に現れる。
ごく稀に魔力がとてつもなく多いと生まれた瞬間に属性の色に数秒光るらしい。
俺もその一例だとか。
このくらいか?
あと、今世の容姿は、髪が白銀、瞳が金色だった。

コンコン
「失礼します」
そう声がして女の人が入ってきた。20才はいかないくらいの。
確か俺の専属メイドのマリナだ。
「レイハルト殿下!お目覚めになっていたのですか!?」
俺を見て目を見開き、駆け寄ってきながらそうマリナは言った。
「うん。もう大丈夫」
子供らしさをなるべく保って言う。
「王妃殿下を呼んで来ますね」
マリナは焦ったようにそう言って部屋の外へ出ていった。
俺はすることがないので部屋を見渡す。
……部屋広いなぁ(遠い目)
子供用の大きさには見えないが子供用に作られているどデカイベッド。
ベッドとふかふかそうな一人用の椅子と装飾がこっているがきれいに見えるテーブル。
それしか部屋に置いていないのに有り余るほどの部屋の広さ。
バァン❗
「レイハルト!もう大丈夫ですの!?」
白銀の長い髪をした綺麗な女の人がすごい勢いで入ってきた。
今世の母親だ。俺は母上って呼んでたっけ。
母上は俺のそばへ駆け寄ってくると俺を抱き締めた。
とっさのことに思考が停止した。
前世はそんなことされた覚えが一度もないからどんな反応をしていいか迷った。
「無事でよかったですわ」
そう言われ、心配されていたことがわかった。
「心配をお掛けしてすみません。母上」
俺はそう言って抱き締め返し離れる。
「レイハルト、少し言葉遣いが変わりました?」
少し不思議そうに言う母上に俺はギクッとする。
3歳児がこんな言葉遣いするのはさすがにダメだったか…(あ、年齢は記憶の整理のときにわかった。)
まぁいいか。男児3日会わざれば刮目してみよ。だし。
「そうだったら嬉しいです」
俺はそう答えてはにかむ。
そしたらなぜか母上がベッドに顔を押し付けてなにか言った。
「か…す…で…!」(訳…可愛すぎですわ!)
顔を押し付けているから俺には何を言っているのかわからなかった。
「母上?」
そう声をかけると顔を上げて
「取り乱しましたわね。すみません」
と言った。
それはそうと…
「母上、また異母弟に会える機会をつくってもらってもいいですか?」
と、記憶を取り戻してからずっと思っていたことを伝える。
「もちろんいいですけれど…大丈夫ですの?」
「?」
母上の意図がわからず首をかしげる。
「この前の顔合わせで倒れたでしょう?」
心配だと言わんばかりに言われたが俺は
「大丈夫です!」
と元気よく言う。

そうなのだ。俺が倒れたのは異母弟との顔合わせの日だったのだ。俺が生まれた次の日に第2王妃から弟が生まれた。
その顔合わせの日。
俺たちは互いの顔を見て絶句した。
それは二人の妃もだった。
顔がそっくりすぎたのだった。
俺たちはしばらく互いを見つめ会ったあと猛烈な頭痛に見舞われ、気を失った。
そして今日目が覚めた。
俺は直感的に異母弟がシュンだと思った。
それを確かめるために俺は母上にもう一度会える機会をつくってもらおうとしたのだ。

「う~ん…では何故倒れたのか説明はできますの?

……あ!そうだ!
「実はその時に創世神様からのお告げがあったんです。夢の中では神力に俺たちのからだが耐えられなかったから倒れたらしく、熱も出したらしいです。」
この世界は神様を信仰しているから使わせてもらうことにした。
心のなかで創世神様に謝っておく。
今度王都て一番大きい教会につれていってもらおう。
ついでにこの嘘はばれない。あっちもこれと同じ嘘を使うから。
「創世神様が?!なんとおっしゃっていたのですか!?」
すごい勢いで肩を捕まれて聞かれた。
母上についてきたであろう侍女たちも興味津々にこちらを見ている。
「えっと…俺と弟を双子のように育てることを条件に国に幸福を与えるとおっしゃっていました。」
少し母上の勢いに戸惑いながらもシュンといたいがための嘘をつく。
「そうなのですね。わかりましたわ。陛下に伝えておきますわね。」
そう言って母上は立ち上がり部屋を出ようとする。
母上は扉を開けて振り向く。
…て言うか今から陛下に会いにいくのか、、、行動力すごいな。
…罪悪感もヤバイ。
「第2王子に会うのはいつがいいのか考えておいてくださいね。」
その言葉に我に返り 
「わかりました」
と返すと満足そうな顔をして母上は部屋を出ていった。

「レイハルト殿下、なにかお召し上がりになりますか?」
母上が残していった侍女とマリナが聞いてきた。
確かにお腹すいたな…
グゥ~
そう思った瞬間お腹がなった。
 …恥ず!
二人にも聞こえていたらしく少し微笑んだあと
「すぐに持ってきますね。」
と言って母上が残していった侍女の方が部屋を出ていった。
マリナは出入口ではない扉を開き中へはいっていく。
扉の隙間から見えたが、なかは衣装ルームになっていた。マリナはすぐに出てきた。手には俺の着替えを持っている。
「お召し物を持ってきたのですがお着替えになられますか?」
「うん!ありがと」
素直にお礼を言うと驚かれたような顔をした。
「マリナ?」
俺が声をかけるとすぐに
「いえ、お着替えをお手伝いいたしますね」
と笑って言った。
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