はるよ こい。

たみやえる

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出会う

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 男子トイレをせっせと掃除している様子の上は学ラン、下はジャージ履きの背中に声をかけてみた。
 アヤと、大久保、二人での担当だから、彼以外に声をかける相手がいなかったのだ。
大久保は大人しめで発言も少ない地味系男子。そう考えると自分と似ていると思える。けれど、アヤより十センチほど背が低く、手も足も小さいから、共感より羨ましい気持ちが先に立つ。大久保本人にしたら男としてもっとゴツゴツした体型になりたかったりするかもしれない。不本意かもしれない。が、アヤにとっては、手足が小さくて可愛らしいなんて、うらやましいしかない。
(私なんて、女なのに足のサイズ26なんだもんね)と、ため息が小さな白い霧になる。
「寒いし、寂しいしさ、適当にやって帰ろうよ」
と、声をかけてみる。返事はない。
 こちらを見ようともしない。
——だから、ちょっと魔がさしたというか。


 先客がいるとは思わなかった。サボる目的で入った空き教室。窓際に座る学ランにとりあえず、
「どうも」
と声をかける。
「ちぇー、俺だけの場所だったのになぁ。ま。いっか。入れよ」
 先客は一見同じ学年に見えた。カゲと名乗ったその彼は、三年生だと言った。
「今、掃除なんじゃない?」
「……。気が、乗らなくて」
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