歳上同居人のさよなら

たみやえる

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新堂洸夜の誕生会

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 気がついたら時計代わりにつけっぱなしにしているテレビは、今年最強とかいう寒波の訪れについて話していた。どうやら少し眠っていたらしい。ガチャリと玄関のドアが開く音がして、ただいま」と聞こえたけれどぼんやりしていてすぐにおかえりと言えなかった。


 リビングダイニングの入り口から姿を現した冬木が、
「洸夜宛に届いてたよ」
と、ソファにもたれて座る俺に白い封筒を渡してきた。


「ありがと」
と答え受け取ろうとした途端くしゃみがが出た。ダイニングテーブルまで戻った冬木が椅子にあったカーディガンとティッシュを数枚手にして戻ってくる


「気をつけて……暖房がついてるからって薄着なんだから……」

 そう言いながらオレの肩に分厚いカーディガンを掛けてくれる。大切にされてる感じですごく嬉しいんだが、
「鼻も出ちゃったね。ハイ、ちーん」
とティッシュで鼻をつまんでこようとするから、片手で顔を隠したオレは慌てて冬木からティッシュをひったくった。


 鼻をかんでいるうちに冬木がキッチンから戻ってきて、
「今日はロールキャベツです」
と言う。昨日の夜から仕込んでいた鍋を確認してきたのだろう。


 黙ったままでいると冬木がこちらをじっと見てきた。


 え、何? 不満がダダ漏れなオレの態度に気分を害したのだろうか。だけど冬木、オレの方こそお前から漂ってくる甘い香水の匂いが鼻についてまたくしゃみが出そうなんだが。


 思ったままを口にしたらきっとケンカになるからオレは黙っていた。だって不満の本質はそこじゃない。だけどそれを突いた時、オレとコイツの関係がどうなるのか怖くて踏み入ることができないでいる。


 ……あぁそうさ、オレは臆病者だ。今も昔も。
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