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冒険の始まり
5後悔
しおりを挟むランズが俺の事を可愛いって……まあ、初心者だからなぁ俺は……
上級冒険者のランズから見れば俺は確かに可愛いのだろうから言わせておこう……
だけどランズが有名人とはどういう事なんだろうか??
ランズは俺が知らないだけでセレブリティなのか??
「ランズは有名人なの??そりゃあ……ランズは背も高いし、カッコ良いとは思うけどさ……俺は全然知らなかったよ」
そう言えばランズはこの王国の聖騎士だと言ってたっけ。
だから聖騎士として名を馳せていたのかも。
俺がそう考えていた所でランズはかなり照れて恥ずかしそうな表情をしながら答えてくれた。
「うーんとね。私はずっと童貞を探していたと言っていただろう?
毎日色んな人に童貞かどうか聞いて回っていてね、いつしかこの街で「童貞狩りのランズ」とあだ名で知れ渡る様になったんだ。
そして今、ロジェが「童貞狩り」の異名を持つ私とゆっくりお話をしているということは、君が今世間からどう思われているか分かるだろうか……??」
なんかさっきから俺達を見てくる人達の表情が生暖かい様な何とも言えない表情をしているのが気になっていたが……
「そっそんな…うそだ…うわあああーーー!!」
俺はランズと一緒にいるだけで、自分達を見ていた通りすがりの人達に俺達が童貞だとバレた事に気がつき、その時から魔法使いのフードを深く被る様になってしまった。
そして「ロジェのうっかり屋さんっ」と笑って言い放ったランズを殴り飛ばして一刻も早く離れたいと思ったが、何度も何度も手にひらに付いている契約紋章を見て何とか踏みとどまった。
魔法契約を勝手に破棄すると手のひらにある契約紋様が紋様の色が黒くなり身体を侵食して大きくなっていく。
ちなみに契約をキャンセルするには、相手にキャンセルを了承して貰うか、違約金を持って正式に仲裁所で無効手続きをすれば紋様は取れる。
だから手のひら黒い紋様がある人は信用されないって訳だ。
だけど契約仲介所で手続きをする時の違約金は高いので、お金を少ししか稼いでいない俺は出来るだけ契約を成立させるか、相手に契約解消を了承して貰うしか方法が残されていないのだから、実質ランズと童貞ダンジョンに行くしか方法は無い。
その後、俺の装備を整えてくれる為にランズの懇意にしているという装備のお店に付いていく。
身体につける装備品はサイズを合わせる時にはどうしてもフードを取らなければならず、防具屋のおじさんがランズと俺を見比べてニヤニヤしているを見るのが辛かった。
はあ……確かに今の自分では到底買えない装備品を一式揃えてくれたランズには感謝しているが、ランズと一緒にいるってだけでこんなに気力が消耗するとはな……
確かに好条件で上級冒険者の様に強いランズと組めたのは嬉しかったけれど、やはり世の中そんな上手い話なんてある訳無かったと後悔ばかりが沸き起こった。
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