34 / 117
新しい扉
35妖精さん
しおりを挟む
しかしランズが契約を破棄するかも知れないと考えても特に腹が立つなんて事は無かった。
失敗はつきもの。
これが冒険者の世界なんだから。
そもそもお荷物である弱い俺をランズは誘ってくれて、俺の装備も先行投資してくれた事だけでも俺はかなり得をしているし、道中は俺の魔法の練習にも付き合ってくれた。
そして俺は初めてダンジョンに入り、俺ばかりがトラップや敵に対してとんでもない危機に陥っているのに、その都度助けてくれたランズ。
ここまで来れたのもランズのお陰だったんだから感謝こそすれ恨みなんて全くない。
俺に残された最後の道はとにかくここから1人で生きて帰る方法を見つける事だけだ……しかしこの目の前のお花畑の世界は一体何処なんだろう。
ほのぼのとした幻想的なお花畑とヒラヒラと飛んでいる沢山の妖精達を眺めながらこれからの自分のやるべき事を頭で整理していると、1匹の妖精が俺の元に近づいて来る。
妖精が七色に光る羽を羽ばたかせ、黄金の鱗粉が羽を羽ばたかせる度にキラキラと落ちていた。
あれは妖精黄金と言われる代物で少量でも高値で取引されるんだとか……
今迄の俺なら「凄い凄い」と言って何とかして妖精黄金をかき集める事しか考えないが、しかし今の俺にはそこまでの魅力は無かった。
今の俺が生きて無事に帰る方法も全くないのだから鱗粉黄金を今貰ったって何の意味もないじゃないか。
やはり自分が生きて帰ってこそのお宝なんだ。
大秘宝をゲットしても帰れずに死んでしまったら意味がない。
すると近づいて来た妖精は動けない俺に何か話していると思うが、小さな声の為に聞き取る事が出来なかった。
「んっ?妖精さん?今何か俺に言ったかい?声が小さくて聞き取れ無かったけれど、もしかして壁穴から抜け出せる方法を教えてくれるのかい?」
俺は自分にとって都合の良い言葉を投げかける。
はは……そんな都合良く妖精さんが教えてくれる訳ないかと思っていたけれど、妖精さんは俺が聞こえないのを理解したのか、俺の肩にとまって俺の耳元でもう一度囁いてくれる。
「貴方綺麗な人。だからユニコーンは鍵穴にした。大きなユニコーンを救って」
失敗はつきもの。
これが冒険者の世界なんだから。
そもそもお荷物である弱い俺をランズは誘ってくれて、俺の装備も先行投資してくれた事だけでも俺はかなり得をしているし、道中は俺の魔法の練習にも付き合ってくれた。
そして俺は初めてダンジョンに入り、俺ばかりがトラップや敵に対してとんでもない危機に陥っているのに、その都度助けてくれたランズ。
ここまで来れたのもランズのお陰だったんだから感謝こそすれ恨みなんて全くない。
俺に残された最後の道はとにかくここから1人で生きて帰る方法を見つける事だけだ……しかしこの目の前のお花畑の世界は一体何処なんだろう。
ほのぼのとした幻想的なお花畑とヒラヒラと飛んでいる沢山の妖精達を眺めながらこれからの自分のやるべき事を頭で整理していると、1匹の妖精が俺の元に近づいて来る。
妖精が七色に光る羽を羽ばたかせ、黄金の鱗粉が羽を羽ばたかせる度にキラキラと落ちていた。
あれは妖精黄金と言われる代物で少量でも高値で取引されるんだとか……
今迄の俺なら「凄い凄い」と言って何とかして妖精黄金をかき集める事しか考えないが、しかし今の俺にはそこまでの魅力は無かった。
今の俺が生きて無事に帰る方法も全くないのだから鱗粉黄金を今貰ったって何の意味もないじゃないか。
やはり自分が生きて帰ってこそのお宝なんだ。
大秘宝をゲットしても帰れずに死んでしまったら意味がない。
すると近づいて来た妖精は動けない俺に何か話していると思うが、小さな声の為に聞き取る事が出来なかった。
「んっ?妖精さん?今何か俺に言ったかい?声が小さくて聞き取れ無かったけれど、もしかして壁穴から抜け出せる方法を教えてくれるのかい?」
俺は自分にとって都合の良い言葉を投げかける。
はは……そんな都合良く妖精さんが教えてくれる訳ないかと思っていたけれど、妖精さんは俺が聞こえないのを理解したのか、俺の肩にとまって俺の耳元でもう一度囁いてくれる。
「貴方綺麗な人。だからユニコーンは鍵穴にした。大きなユニコーンを救って」
15
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる