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新しい扉
37鍵は?
しおりを挟む「俺が鍵穴って事は鍵は何処にあるの?」
俺はそのまま自分肩にとまっている妖精さんに質問した。この妖精さんは人間の俺を怖がっていないのかずっと肩にとまったままだった。鱗粉である妖精黄金が少しずつ俺の肩にくっついて溜まっていく。
「綺麗な人が鍵になって扉の鍵を開けるの。2人で一緒に汚れた時に一回だけ扉が開くんだよ」
「はあっ?」
全然意味が分からないが……とにかくもう1人綺麗な人が必要って事なのだけは分かった。
じゃあ……今の俺って1人だけだしもう無理じゃん。
扉を開ける協力もできないし、壁からは抜け出せそうにもないし……
やっぱり俺はもう生きて帰れそうにないや……。
「うう……ランズゥ……うっうっ」
思わずランズを思い出して名前を呟いてしまった。
本当に俺はランズがいなければ何もできない新米冒険者だったんだ。
そんな自分が情けないが結局情けないまま俺の人生そのものも消えて無くなってしまうんだろう。
ランズも生きてはいると思うが、もうここには居なくて俺1人で何とかしなくちゃいけないのに、1人ではどうにも解決しそうにないこの現状に思わず涙が出てきてしまった。
ランズはもう居ないけど……何処かで生きてるはずだと願ってランズの幸せを祈る事しかできない。
本当にできる冒険者だったし、俺を1人の冒険者として対等に扱ってくれた優しい人。
オナニーが意外にも俺の尻を使ってがっついていたり、肉棒を俺に咥えさせて助けたりと多少はおかしな所もあったけど、幾つものトラップを助けれくれた俺にとってかけがえの無い人間で、見た目も無駄にカッコいい恩人でもある。
ランズには感謝してもしきれないよ。
「ロジェか?」
「ランズ……うっうっ……」
「なんだ?ロジェは泣いているのか?」
急に俺の願望なのか、遠くからランズの声が聞こえた様な気がしてあれっ?って思った。
しかもロジェは泣いているのかだって!!
まるで俺を心配してくれているいつものランズの言葉そっくりだ!!
ははっ幻聴でも嬉しかった。
「ランズ……声が聞こえてきて嬉しい!!俺、ランズの事が大好きだったよ!!今迄本当に有難う!!」
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