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ダンジョンの外
73気づかれた?
しおりを挟む俺はいつも慎重に進めて来たランズの行動だったけど、今回は間違ったんじゃないかと疑問に感じてしまう。
それも相手はご馳走してあげるというのだ。
なにか食べ物や飲み物に何かを入れられて、荷物を盗んでやろうという魂胆が見え見えなんだけど、なんせ大人数だからランズも断れなかったのか?
そんな事を考えていると、ランズは風魔法を唱えた。
「ウインドウォール」
「んっランズ、この風魔法は何?何も変化してないようだけど……」
「ウインドウォールで風の壁をつくったんだ。
外から私達はしっかり見えているが2人だけの空間には防音機能が付いている。ロジェ、今から言う事を驚かずに聞いてくれ。私が急に誘いに乗ったのは、あの悪党達にダンジョンからお宝を持って帰ってきたと気づかれていたからだ」
「ええっ!!」
「しっ、ロジェあんまりびっくりするな。多分どこからかずっと私達を監視しているだろうからロジェは魔法の練習をしていて、私が確認しているフリをしながら話そう」
「あっごめん」
そうだ、びっくりするなと言われたのにびっくりしてしまって申し訳なくなる。早速魔法で小さな火を出し、それを固めるような仕草をして魔法の練習をランズに見て貰っているフリをし始めた。
この火を固める練習は実際に自分の出した火の耐久性や持続性を高める為に大変効果的で、ポピュラーな火魔法の練習方法だ。
「それで……ランズはアイツらがどうして俺達がダンジョンからお宝を持って帰って来たと気づいたの?」
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