【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

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本編3

32アンジュside3

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 早くにあんな王子の婚約者に決まってしまった為に、自由な時間を奪われて王族の為に自分を犠牲にしてきた兄上。


 それでも真面目な兄上は今日も侯爵家に貢献しようと僕の教えを一生懸命自分に取り入れようとしてさ。


   兄上、知ってますか??『正直者はバカをみる』って遠い国ではそんなことわざがあるんですって。



   兄上のバーカ。



「アンジュ、いつも有難う!!」


 兄上なりに僕の教えた「おねだり法」を身につけると兄上は嬉しそうに僕に感謝を伝えてくる。


 何なの??

   僕に「おねだり法」を実践しているの??僕は騙されないのは分かっているでしょう??僕をいくら喜ばせたって何もプレゼントしませんからね。


 そして、お茶会当日になった。

   今迄出来る限りおねだりのシュミレーションをしてきた兄上は僕に


「アンジュがしっかり僕に教えてくれたから、王子から高価な物を貰ってくるからね!!」


   と意気揚々と出かけて行った。


 まあ、兄上は頑張ってましたよ。それは認めます。僕も教えた身としては一体どんな物を王子から貰ってくるだろうと少し楽しみにしてましたからね。


 でも貰って来たのは特に高価そうでもない本一冊。


 兄上は


「折角アンジュが色々教えてくれたのに高価な物じゃなくて……済まない……」



 と、とても辛そうにに父上と僕に報告していた。
 


 はあ……あのクセの強い王子とのお茶会でしょ??失敗して当たり前じゃないてすか。それに兄上はきっとおねだりも一生懸命やったのはお茶会を見なくたって分かってますよ。


 むしろあの王子とお茶会に出席しているだけで尊敬に直しますしね。言わないけど。


 それにしてもあの王子は本当に見る目がないんだな。

   こんなに綺麗で真面目な兄上が念入りに準備を重ねてお茶会に挑んでいると言うのにさ。

   僕が王子だったら兄上に家や山の1つや2つプレゼントしたいぐらいだ。持ってないけど。


 そして貰った本の内容に兄上が王族の嫁がないと兄上が死ぬなんて書いてあったらしい!!


 はあっ??兄上が死ぬだって!!


 こんなに王族に対して自分の身を捧げている兄上を何処まで縛れば気が済むんだ!!


    父上もそう思っているのか、本を読みながら身体をワナワナ震わせている。


 僕の中でハッキリと王族は敵だ!!とそう認識した。
   すると侯爵家の色んな出来事が急に理解出来るようになる。

   そうか……父上の今までの言動の意味もようやく全貌が分かる。

 父上も僕と同じで僕よりずっと前から王族の事を敵とみなしているんだ。


 これは婚約者である兄上本人にはあまり知られない方が兄上の命をお守りできるかも知れない。


 兄上は今の所王族への「生贄」みたいなものだ。


 それでも知ってか知らずか兄上はそれを静かに受け入れようといている……。



 はあーーまったく……。



 本当にバカな兄上。



 仕方がないので僕も父上と母上の様に兄上が自由に生きられる様に手伝ってあげますよ。


 父上も本を持って席を立ったし、「僕達も部屋に戻りましょう」と兄上に言うと、兄上は嬉しそうに僕にプレゼントを渡してきた。王子にプレゼントした高級ハンカチと同じ物!!



「えっ!!兄上!!どうしてこんな物を……」



 それに僕の名前にちなんだ天使の刺繍が施してあった。



「いつも有難う!!」


 兄上だって日頃から節約していて、自分の物を買うにもいつも本当に必要かどうか考え直したり躊躇しているっていうのに……。もっと自分の為にお金を使えばいいのにさっ!!


 つい、いつもの様に勢いに任せて怒ってしまったから嬉しそうにしていた兄上が珍しくしょんぼりしてしまった。



 しまった!!僕だって本当はハンカチを貰って嬉しかったのに!!



 普通の貴族達からプレゼントを貰っても「有難う!!大切にしますね」って素直に言えているのに何故か兄上には素直に言えなかった。



   最後には怒りながら「有難う!!大切にすればいいんでしょ!!」と言ってしまった……自分もまだまだ未熟だな。

 




 ……兄上有難う。



    まぁ……プレゼントを貰ったからじゃないですけど、兄上の事が嫌いだった僕は、もう嫌いじゃ無くなった程度には兄上の事が大好きですよ。



 このハンカチはずっと大切に使います。



 そして……兄上をあの王子や王族から必ず自由にさせてみせますからね!!



 僕はハンカチに刺繍された天使に向かい、兄上を自由にすると誓いつつ、侯爵家の行く末が幸せになる様に祈った。





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