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本編9
100王子の快進撃
しおりを挟むこの話は王家でも直系しか知らない呪いという事で、僕が誓約魔法に同意の上でお話しされた。だからこれは僕も一切話せ無い事だけど、いくら王族内のいざこざであっても確かに王族が呪いにかかっている事が知られていたら国中がパニックになっていた筈だ。
エドワード王子まで呪いにかかっており、もう驚き過ぎて言葉にならない事がいっぱいだった。
とりあえず理解が追いつかないまま一通りの話を聞き、その日エドワード王子は陛下と共に王宮へ帰って行った。
それからの王子はかなりの快進撃だった。
留学から帰って来た事になっているエドワード王子は王宮でも家庭教師をつけて真剣に勉学に取り組み、僕の通っている学校の授業に追いついている上、学校での成績も優秀で王子の評判がうなぎ登りなんだ。
急に留学から戻ってきた王子はそれはモテた。優秀で見た目も麗しく立ち振る舞いも優雅な王子。
婚約者の僕がいても王子の心を射止めてしまえば必ずチャンスがあるとみた女子どころか男子生徒までもがキャーキャー言って王子と話すチャンスを虎視眈々と狙っているのが近くにいる僕でも分かった程だもの。
それでも王子は側近を常につけて特定の生徒と2人っきりにならない様に細心の注意を払っているし、僕に配慮してくれて一緒に行動する事も多いから難攻不落だったと噂になっているらしい。
丁度その頃王宮では第一王子と第二王子が貴族達も巻き込んでの次期王太子の座をかけて勢力争いをしていた時期だから、余計に勢力争いとは無縁の平和なエドワード王子の人気が上がったんだと思う。
ちなみに我が侯爵家はその勢力争いには加わっておらず中立だ。奇しくも第三王子であるエドワード王子の婚約者である僕のおかげで勢力争いに巻き込まれずに済んでいるそうだ。
エドワード王子は元々第一王子とも第二王子ともとても仲が良い。だから誰が次期国王になっても国王に忠誠を誓うと早々に宣言したので僕の侯爵家はそれに便乗する事にしたんだ。
そしてたまたま同学年だったと言うだけでエドワード王子の側近になった息子達がいる宰相と騎士団長の2つの家も王家自体にに忠誠を誓っているとの事で中立を通している。
だからエドワード王子は今の所争いから離れたうまいポジションに付いていて、今現在侯爵家はエドワード王子の存在のお陰で貴族のゴタゴタから護られていると言っていい。
王子はたまたま周りの取り巻きにも恵まれているし、本人も優秀だから立ち回りが上手なんだよね。
それにしても未だにエディとの日々を思い出してしまう………エディがエドワード王子だったなんて今だに信じられない……でも記憶を遡ると王子が突然居なくなった時期とエディと初めて会った時からの状況は考えたら全部辻褄が合うもんな。
僕はエディの事が大好きでいつも一緒に生活していた。
それこそ朝の剣術の練習から学校も一緒だったし、寝る時もずっとだったから、今こうして1人でランニングをした後は剣術の練習をしたり、馬の世話をしていると寂しさが募ってくるな。
だけど ………不思議な事も沢山あった。エディは最初から僕の唇をペロペロしてきたり、一緒にシャワーを浴びようとしたり……毎日僕の乳首をチュウチュウしようとして……。
ずっとエディの遊びだと思っていたけれど、あっあのエディの行動をエドワード王子として当てはめると……エドワード王子って僕の身体を舐めまくってたぞ。
時には僕のパンツの中まで忍び込んでジタバタしてた事もあったけど……あの時はいくら寝相が悪くてもどうしたら僕のパンツに入ったか不思議で仕方がなかったけれど……。
子猫だったからどんな行動も可愛いと思っていたのに、エドワード王子だったと思ったら急におかしな気持ちになってくる。
それに、僕の身体を全部エディに見られてしまっていたから今更ながら恥ずかしい!!
「うわぁ……」
自分でもエディとの出来事を思い出すだけで顔が赤くなったり、青くなったり、急に空気を沢山吸い込みたくなったり、息を止めて苦しくなってみたり……落ち着いていられなくなってくる。
「兄上何か顔色が悪いですけど大丈夫ですか?あれぇー?最近悪魔の使いは一緒にいなくなったんですね。あんなにベッタリくっついていたのに」
「ああ、アンジュッ久しぶりだね!!」
アンジュが久しぶりに声をかけてくれた。
アンジュとエディは何故か仲が悪くてアンジュが近づくだけでいつもケンカになっていたけれど、エディが大怪我でグッタリしてからはアンジュなりに気を遣って、エディを興奮させない様に僕に声は掛けずにいてくれていたんだ。
今僕に声をかけたのもエディがいないのを確認してから、わざとらしい言い回しで話しかけてきたのだろう。
それにアンジュも侯爵家の後継者として家庭教師からの勉強に励んだり、父上と貴族の会合に出席したりして忙しくはしているから最近はあまり顔を合わせる機会がなかったものな。
「ん?エディの事かい?実はもう僕は飼ってないんだよ」
「はっ??それは本当ですか?兄上があんなに大好きに思っていた悪魔をですか……?」
流石にアンジュは驚いていた。僕が大切に育てていたエディだもの。そういう反応になっちゃうのもわかる。
「そうなんだよ。もうエディは僕に飼われるのをやめて父上のマルコみたいに何処かに帰っていったよ。沢山探したけれど見つからなかったんだ。寂しいけれど……」
マルコも実は……陛下が呪いによって黒猫になった姿だったと陛下と王子から説明を受けていた。だけどそれも王家の呪いに関係する話は誰にも言ってはいけない約束をしたので言えないんだ。
僕が寂しそうな素振りを見せていると、それとは逆にアンジュは嬉々としてはしゃいでいた。
ーーーーーーー
明日も投稿予定です。
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