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8 魔法の練習
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食事は改善されてリーズ達が食べているものとほぼ同じものが僕の食事として出されるようになった。
全般的に薄味なのがちょっと釈然としないんだけどね。
よし、この調子でどんどん食べて早く大きくなるぞ!
…と、意気込んてはみるけれど、現実はそんなに甘くはない。
リーズ達が寝静まった頃を見計らって人型に変化してみたけれど、相変わらず赤ん坊のままだ。
それでも少しは成長してハイハイが出来るようにはなっているけどね。
兄さん達は一月で一歳のペースで大きくなっていたのに対して僕は人間と同じスピードでしか大きくなれないなんて…。
リーズと同じ大きさになるにはあと10年はかかるって事だよね。
そんなにも待ってられないよ。
一刻も早くここを抜け出して父さん達の元に戻りたいのに…。
手っ取り早く大きくなるにはどうしたらいいんだろう。
何か魔法で成長出来ないかな。
せめて兄さん達と同じくらいの成長速度が欲しい。
そもそも僕に魔法が使えるのかどうかも怪しいのに、いきなり体を成長させるなんて無理な話だよね。
まずは自分に魔力があるかどうかを見極めないといけないな。
僕は昼間のリーズの様子を思い出していた。
リーズも魔力の勉強を始めたばかりみたいで、家でも学校で習ったことを復習していた。
体の中の魔力の流れを感じ取る事。
僕は赤ん坊の姿のまま、床に座り込むとお腹に手を当てて魔力の流れを探っていた。
血液の流れとは別に何かが体中を駆け巡っているような流れを感じる。
どうやらこれが魔力みたいだな。
この流れを手のひらに集めるように集中させると、徐々に魔力が集まってきた。
まだ喋れないので僕は心の中で唱えてみる。
【ライト】
すると手のひらが少し熱くなりぼうっと明かりが点いた。
しばらく明かりを点けたり消したりしていたが、不意に頭がクラっとしてきた。
ヤバい!
これが魔力枯渇と言うやつか?
このままの姿で気を失うわけにはいかない。
僕は慌てて狐の姿に戻るとそこでようやく安心して意識を手放した。
「狐さん、狐さん、生きてる?」
翌朝、僕の体を揺すりながらリーズが心配そうに呼びかける声で目が覚めた。
半目を開けてリーズを見上げると、ホッとした表情のリーズの顔がそこにあった。
何でこんなに心配されてるんだ?
よく見るとロジェとパメラも僕を心配そうに見つめている。
どうやら今朝は僕がなかなか目を覚まさないので、皆が心配していたようだ。
夜中に魔力枯渇を起こしたせいで、回復するまで眠っていたからだろう。
出された食事を勢いよく食べだすと、皆は呆れたような顔で見ていた。
魔力枯渇まで起こすのは時々にしたほうが良さそうだ。
ロジェとリーズが出かけて家にはパメラ一人になった。
パメラが家事で忙しそうにしている間、僕はこの部屋の中をウロウロして情報収集に励んだ。
何でもいい。
この場所の地名が書かれた物とか、この辺りの地図とか、僕が住んでいた場所に関する物とか…。
だが、特にめぼしい物は何もなかった。
ただ、何故か書いてある文字が理解出来るのが不思議だった。
いわゆる異世界補正と言うやつかな。
テーブルの上に置いている書物をガサガサいじくっていると、不意に扉が開いてパメラが入ってきた。
「あらあら、こんなに散らかして。これはあなたのおもちゃじゃないわよ」
パメラは僕が散らかした書物をひとまとめにすると、テーブルの上に乗っかっている僕をひょいと抱き上げた。
「ふふっ。モフモフで可愛いわ。少しは大きくなったかしら?」
母さんとは少し違うけれど、パメラに抱かれてもいい匂いがする。
気持ち良さについウトウトしてしまうんだな。
いつの間にか寝てしまった僕はパメラの手によって自分の寝床へと寝かされていた。
目が覚めると間もなくリーズが帰ってくる時間になっていた。
今日は学校で何を習って来たんだろう。
僕にも役立てる事だったらいいのにな。
夜中にまた皆が寝静まった頃、僕は寝床から起き出すと赤ん坊の姿になり、また魔法の練習を始めた。
【ライト】
昨日よりは明るい光を灯すことが出来た。
他の魔法も使ってみたいけれど、火魔法は流石に部屋の中では無理だな。
風魔法もやはり却下だ。
そうすると後は水魔法だな。
【ウォーターボール】
心の中で詠唱してウォーターボールを出してみた。
ピンポン玉位の大きさのウォーターボールが出来上がる。
このウォーターボールを移動させて僕の水入れの中に落としてみる。
ポチャン!
しまった!
落とした位置が高すぎたせいか、反動で水しぶきが水入れの周りに飛び散ってしまった。
ありゃりゃ、何か拭くものはないかな。
辺りを見回すけれど、生憎とそんなに都合のいいものは何もなかった。
仕方がない。
風魔法を使って乾かしてみようかな。
【ウィンド】
ほんの少しの風を起こすつもりが思ったよりも強い風が吹いた。
バサバサ!
ガシャーン!
風の強さで何かが倒れたようだ。
ヤバい!
皆が起きてくる!
しかし、僕が思っていたよりも早く部屋の扉が開いて明かりが点いた。
赤ん坊の姿のまま固まる僕と、僕の姿を見て固まるリーズ達の視線が絡まる。
…とうとう、バレちゃったかな?
全般的に薄味なのがちょっと釈然としないんだけどね。
よし、この調子でどんどん食べて早く大きくなるぞ!
…と、意気込んてはみるけれど、現実はそんなに甘くはない。
リーズ達が寝静まった頃を見計らって人型に変化してみたけれど、相変わらず赤ん坊のままだ。
それでも少しは成長してハイハイが出来るようにはなっているけどね。
兄さん達は一月で一歳のペースで大きくなっていたのに対して僕は人間と同じスピードでしか大きくなれないなんて…。
リーズと同じ大きさになるにはあと10年はかかるって事だよね。
そんなにも待ってられないよ。
一刻も早くここを抜け出して父さん達の元に戻りたいのに…。
手っ取り早く大きくなるにはどうしたらいいんだろう。
何か魔法で成長出来ないかな。
せめて兄さん達と同じくらいの成長速度が欲しい。
そもそも僕に魔法が使えるのかどうかも怪しいのに、いきなり体を成長させるなんて無理な話だよね。
まずは自分に魔力があるかどうかを見極めないといけないな。
僕は昼間のリーズの様子を思い出していた。
リーズも魔力の勉強を始めたばかりみたいで、家でも学校で習ったことを復習していた。
体の中の魔力の流れを感じ取る事。
僕は赤ん坊の姿のまま、床に座り込むとお腹に手を当てて魔力の流れを探っていた。
血液の流れとは別に何かが体中を駆け巡っているような流れを感じる。
どうやらこれが魔力みたいだな。
この流れを手のひらに集めるように集中させると、徐々に魔力が集まってきた。
まだ喋れないので僕は心の中で唱えてみる。
【ライト】
すると手のひらが少し熱くなりぼうっと明かりが点いた。
しばらく明かりを点けたり消したりしていたが、不意に頭がクラっとしてきた。
ヤバい!
これが魔力枯渇と言うやつか?
このままの姿で気を失うわけにはいかない。
僕は慌てて狐の姿に戻るとそこでようやく安心して意識を手放した。
「狐さん、狐さん、生きてる?」
翌朝、僕の体を揺すりながらリーズが心配そうに呼びかける声で目が覚めた。
半目を開けてリーズを見上げると、ホッとした表情のリーズの顔がそこにあった。
何でこんなに心配されてるんだ?
よく見るとロジェとパメラも僕を心配そうに見つめている。
どうやら今朝は僕がなかなか目を覚まさないので、皆が心配していたようだ。
夜中に魔力枯渇を起こしたせいで、回復するまで眠っていたからだろう。
出された食事を勢いよく食べだすと、皆は呆れたような顔で見ていた。
魔力枯渇まで起こすのは時々にしたほうが良さそうだ。
ロジェとリーズが出かけて家にはパメラ一人になった。
パメラが家事で忙しそうにしている間、僕はこの部屋の中をウロウロして情報収集に励んだ。
何でもいい。
この場所の地名が書かれた物とか、この辺りの地図とか、僕が住んでいた場所に関する物とか…。
だが、特にめぼしい物は何もなかった。
ただ、何故か書いてある文字が理解出来るのが不思議だった。
いわゆる異世界補正と言うやつかな。
テーブルの上に置いている書物をガサガサいじくっていると、不意に扉が開いてパメラが入ってきた。
「あらあら、こんなに散らかして。これはあなたのおもちゃじゃないわよ」
パメラは僕が散らかした書物をひとまとめにすると、テーブルの上に乗っかっている僕をひょいと抱き上げた。
「ふふっ。モフモフで可愛いわ。少しは大きくなったかしら?」
母さんとは少し違うけれど、パメラに抱かれてもいい匂いがする。
気持ち良さについウトウトしてしまうんだな。
いつの間にか寝てしまった僕はパメラの手によって自分の寝床へと寝かされていた。
目が覚めると間もなくリーズが帰ってくる時間になっていた。
今日は学校で何を習って来たんだろう。
僕にも役立てる事だったらいいのにな。
夜中にまた皆が寝静まった頃、僕は寝床から起き出すと赤ん坊の姿になり、また魔法の練習を始めた。
【ライト】
昨日よりは明るい光を灯すことが出来た。
他の魔法も使ってみたいけれど、火魔法は流石に部屋の中では無理だな。
風魔法もやはり却下だ。
そうすると後は水魔法だな。
【ウォーターボール】
心の中で詠唱してウォーターボールを出してみた。
ピンポン玉位の大きさのウォーターボールが出来上がる。
このウォーターボールを移動させて僕の水入れの中に落としてみる。
ポチャン!
しまった!
落とした位置が高すぎたせいか、反動で水しぶきが水入れの周りに飛び散ってしまった。
ありゃりゃ、何か拭くものはないかな。
辺りを見回すけれど、生憎とそんなに都合のいいものは何もなかった。
仕方がない。
風魔法を使って乾かしてみようかな。
【ウィンド】
ほんの少しの風を起こすつもりが思ったよりも強い風が吹いた。
バサバサ!
ガシャーン!
風の強さで何かが倒れたようだ。
ヤバい!
皆が起きてくる!
しかし、僕が思っていたよりも早く部屋の扉が開いて明かりが点いた。
赤ん坊の姿のまま固まる僕と、僕の姿を見て固まるリーズ達の視線が絡まる。
…とうとう、バレちゃったかな?
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