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99 発覚
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王都に戻るとすぐに僕はテオの家に向かい、呼び鈴を押した。
扉を開けて出てきたのはテオのお母さんだ。
「あら、シリル。いらっしゃい」
ニコニコとした笑顔で迎えられて僕もほんわかとした気分になる。
「こんにちは。テオはいますか?」
いつこちらに来るとも伝えていなかったので、とりあえず家を先に訪ねてみた。
「テオ? 今はエリクの家にいると思うわ。行ってみたらどう?」
お母さんはなおもニコニコと笑っている。
いつも笑顔の人だけど、何か良いことでもあったのかな?
深く追求するのは止めて、僕はお母さんに一礼するとエリクの家に向かった。
手土産でも持って行こうか迷ったけど、今更そんな取り繕うような相手じゃないなと思い直して止めにした。
エリクの家に着いて呼び鈴を押すと玄関から顔を出したのは何とテオだった。
「あれ? テオ?」
「よお、シリルか。随分早かったな。まあ、上がれ」
妙に仏頂面のテオに首をかしげつつも中に入ると、リビングのソファーにエリクとジャンヌさんが座っていた。
「何だ、シリルかー。いらっしゃい」
てっきりエリクとジャンヌさんがいないからテオが出てきたのかと思ったら、二人共ちゃんと家に居た。
どうしてジャンヌさんが出てこなかったんだろう?
不思議に思いつつも「こんにちは、お邪魔します」と声をかけて二人の向かいに座る。
「シリル、いらっしゃい。今、お茶を…」
そう言って立ち上がろうとしたジャンヌさんをエリクが押し留める。
「ジャンヌ、大丈夫だよ。そんな事はテオがやってくれるさ。テオ。シリルにお茶を頼んだよ」
エリクに指図されたテオは「チッ」と舌打ちしながらもキッチンに向かった。
「あ、ついでに僕達のも頼むよ~」
脳天気なエリクの声にガチャンと荒々しくカップを置く音が響いてくる。
一体何があったんだ?
エリクは喜々としてジャンヌさんの側にいるが、当のジャンヌさんは少々うっとおしそうだ。
そのうちにお茶を載せたトレイを持ってテオが戻って来る。
エリクの前に置くときだけ妙に荒々しかったのは気のせいじゃないな。
お茶を飲みながら正面に座っているエリクとジャンヌさんを見ていたが、ジャンヌさんのお腹が少しふっくらしていることに気がついた。
…あれ?
もしかして?
「…あのー、もしかしてジャンヌさん、お腹に赤ちゃんが?」
間違っていたらどうしよう、と思いながらも聞いてみると、エリクがぱあっと明るい笑顔を見せた。
「そうなんだよ、シリル。この前シリルと別れて帰って来た時にジャンヌに聞かされたんだよ。もう、嬉しくて嬉しくて!」
ニコニコと笑うエリクにジャンヌさんは、ハアっとため息をつく。
「帰って来て知らせた途端、私にベッタリになって片時も離れないのよ。家の事はやってくれるんだけど、今日みたいにテオが来るとこんな状態なの」
ジャンヌさんはかなりうっとおしがっているが、エリクはそんな事はお構いなしだ。
まあ、初めての子供だから仕方がない部分もあるんだろうな。
テオもジャンヌさんには甘いから、ここに来てはジャンヌさんの世話を焼いているんだろう。
結果、エリクに良いようにこき使われているんだろうけど。
「それは、おめでとうございます。いつ頃産まれるんですか?」
人間だと約十ヶ月は妊娠期間があるけど、獣人の場合はどうなんだろう?
「医者が言うには一月以内には産まれるらしいよ」
エリクがニコニコと答える。
その笑顔を見て先程のテオのお母さんの笑顔を思い出した。
ジャンヌさんに子供が生まれるからあんなにニコニコしていたんだな。
「こんな調子だからな。ランベール樣から呼び出しがかかってもエリクは来ないだろうな」
「当たり前じゃないか。子供が生まれるのに立ち会わないなんて考えられないね」
エリクの断言にジャンヌさんはやれやれと肩をすくめる。
しばらくは僕とテオだけで行動するようになりそうだ。
扉を開けて出てきたのはテオのお母さんだ。
「あら、シリル。いらっしゃい」
ニコニコとした笑顔で迎えられて僕もほんわかとした気分になる。
「こんにちは。テオはいますか?」
いつこちらに来るとも伝えていなかったので、とりあえず家を先に訪ねてみた。
「テオ? 今はエリクの家にいると思うわ。行ってみたらどう?」
お母さんはなおもニコニコと笑っている。
いつも笑顔の人だけど、何か良いことでもあったのかな?
深く追求するのは止めて、僕はお母さんに一礼するとエリクの家に向かった。
手土産でも持って行こうか迷ったけど、今更そんな取り繕うような相手じゃないなと思い直して止めにした。
エリクの家に着いて呼び鈴を押すと玄関から顔を出したのは何とテオだった。
「あれ? テオ?」
「よお、シリルか。随分早かったな。まあ、上がれ」
妙に仏頂面のテオに首をかしげつつも中に入ると、リビングのソファーにエリクとジャンヌさんが座っていた。
「何だ、シリルかー。いらっしゃい」
てっきりエリクとジャンヌさんがいないからテオが出てきたのかと思ったら、二人共ちゃんと家に居た。
どうしてジャンヌさんが出てこなかったんだろう?
不思議に思いつつも「こんにちは、お邪魔します」と声をかけて二人の向かいに座る。
「シリル、いらっしゃい。今、お茶を…」
そう言って立ち上がろうとしたジャンヌさんをエリクが押し留める。
「ジャンヌ、大丈夫だよ。そんな事はテオがやってくれるさ。テオ。シリルにお茶を頼んだよ」
エリクに指図されたテオは「チッ」と舌打ちしながらもキッチンに向かった。
「あ、ついでに僕達のも頼むよ~」
脳天気なエリクの声にガチャンと荒々しくカップを置く音が響いてくる。
一体何があったんだ?
エリクは喜々としてジャンヌさんの側にいるが、当のジャンヌさんは少々うっとおしそうだ。
そのうちにお茶を載せたトレイを持ってテオが戻って来る。
エリクの前に置くときだけ妙に荒々しかったのは気のせいじゃないな。
お茶を飲みながら正面に座っているエリクとジャンヌさんを見ていたが、ジャンヌさんのお腹が少しふっくらしていることに気がついた。
…あれ?
もしかして?
「…あのー、もしかしてジャンヌさん、お腹に赤ちゃんが?」
間違っていたらどうしよう、と思いながらも聞いてみると、エリクがぱあっと明るい笑顔を見せた。
「そうなんだよ、シリル。この前シリルと別れて帰って来た時にジャンヌに聞かされたんだよ。もう、嬉しくて嬉しくて!」
ニコニコと笑うエリクにジャンヌさんは、ハアっとため息をつく。
「帰って来て知らせた途端、私にベッタリになって片時も離れないのよ。家の事はやってくれるんだけど、今日みたいにテオが来るとこんな状態なの」
ジャンヌさんはかなりうっとおしがっているが、エリクはそんな事はお構いなしだ。
まあ、初めての子供だから仕方がない部分もあるんだろうな。
テオもジャンヌさんには甘いから、ここに来てはジャンヌさんの世話を焼いているんだろう。
結果、エリクに良いようにこき使われているんだろうけど。
「それは、おめでとうございます。いつ頃産まれるんですか?」
人間だと約十ヶ月は妊娠期間があるけど、獣人の場合はどうなんだろう?
「医者が言うには一月以内には産まれるらしいよ」
エリクがニコニコと答える。
その笑顔を見て先程のテオのお母さんの笑顔を思い出した。
ジャンヌさんに子供が生まれるからあんなにニコニコしていたんだな。
「こんな調子だからな。ランベール樣から呼び出しがかかってもエリクは来ないだろうな」
「当たり前じゃないか。子供が生まれるのに立ち会わないなんて考えられないね」
エリクの断言にジャンヌさんはやれやれと肩をすくめる。
しばらくは僕とテオだけで行動するようになりそうだ。
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