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51 お兄様の相手
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お父様とセアラの結婚を後押しした私は、今度はお兄様に婚約者を見つけてあげる事にした。
だけどお兄様の婚約者と言っても簡単じゃないわね。
何しろお兄様はもう二十六歳。
同じ年頃の女性は既に結婚していて独身の女性なんてほとんどいないのよね。
だから私と同じくらいの年齢の女性を探すしかないのだけれど、そうそう都合良く見つかるかしら?
いいえ、弱気になってはダメよ!
私とエイブラムさんの輝かしい未来のためにもお兄様に婚約者を見つけて差し上げないとね。
私はさっそく婚約者の決まっていない女性を片っ端からお茶会に誘ったわ。
勿論、お兄様を引っ張り出す事も忘れてないわよ。
「アリス、今日のお茶会も私が一緒に行かないといけないのかい?」
流石に連日お茶会に誘っていると、お兄様から少々不満の声が上がってくる。
「ええ、勿論ですわ。こんなにカッコイイお兄様を皆さんに見せびらかしたいんですもの、一緒に来てくださいますよね」
ちょっと目をウルウルさせてお兄様を見上げると、お兄様はデレっと眉尻を下げて私の頬にそっと触れる。
「可愛い妹の頼みを無下にするほど私は薄情ではないからな。私が付き添えるお茶会は全て出席させてもらうよ」
勿論、お兄様のスケジュールに合わせてお茶会の日程を組んでいるから、当然全てのお茶会にお兄様が参加する事になるのよね。
何度かお茶会を重ねて行くうちに、私はお兄様に好意を持っていそうな令嬢を何人かピックアップした。
この中からお兄様も憎からず思っていそうな令嬢を厳選していくわよ。
そんな中、私より二つ年上の侯爵令嬢が、お兄様に好意を抱いているのを知った。
名前はステファニー・クリフォード侯爵令嬢で、金髪碧眼の見目麗しいお姉様だ。
こんな優良物件が良く残ってたわね。
おそらく父親のクリフォード侯爵がお兄様に嫁がせようと画策していたのかもしれないわ。
やはり「お姉様」と呼ぶ以上は私よりも年上の人がいいのよね。
だからこの機会を逃すと年下を「お姉様」と呼ばなくちゃいけなくなるのよ。
出来ればそういう事態は避けたいわね。
相手は決まったけれど、どうやってお兄様と急接近させるかが問題よね。
自慢じゃないけど、こういう恋愛に関しては私は疎いのよね。
何がいい手は無いかしら?
今日は庭園を開放してのお茶会で、皆は思い思いに庭園の花を楽しんでいる。
私も庭を散策しながら、お兄様とステファニー嬢をどうやって接近させようかと考えていたら、目の前の葉っぱの上にあるモノを見つけた。
私はそっとそれを手に隠し持つと、お兄様とステファニー嬢を手招きして誘った。
「お兄様、ステファニー様、こちらへいらしてくださいな。変わったお花が咲いていますわ」
私はお兄様とステファニー嬢の間に立つと、こっそりと手の中のモノをステファニー嬢のドレスに乗せた。
「あ、お兄様! ステファニー様のドレスにカエルが!」
私の言葉にお兄様とステファニー嬢はドレスの上のカエルに目をやった。
「ギャアアア!」
盛大な大声で叫んだのはお兄様の方だった。
ステファニー嬢は平然とした顔でカエルを摘むと、ポイッと植え込みの中に投げ入れて済ました顔をしている。
「アンドリュー様はカエルが苦手ですのね。私が追い払ったからもう大丈夫ですわ」
ニコリと微笑むステファニー嬢にお兄様は涙目でコクコクと頷いている。
「ありがとう、ステファニー嬢。私は子供の頃からカエルが苦手でね。これからはカエルに出会ったらステファニー嬢を頼ればいいのだな。気を取り直してあちらでお茶でもいかがですか?」
「ええ、勿論いくらでも頼ってくださいませ。お供いたしますわ」
お兄様はステファニー嬢の手を取るといそいそと四阿の方へ歩いて行った。
なんか思っていた展開とは違ったみたいだけど、一応結果オーライかしらね。
だけどお兄様の婚約者と言っても簡単じゃないわね。
何しろお兄様はもう二十六歳。
同じ年頃の女性は既に結婚していて独身の女性なんてほとんどいないのよね。
だから私と同じくらいの年齢の女性を探すしかないのだけれど、そうそう都合良く見つかるかしら?
いいえ、弱気になってはダメよ!
私とエイブラムさんの輝かしい未来のためにもお兄様に婚約者を見つけて差し上げないとね。
私はさっそく婚約者の決まっていない女性を片っ端からお茶会に誘ったわ。
勿論、お兄様を引っ張り出す事も忘れてないわよ。
「アリス、今日のお茶会も私が一緒に行かないといけないのかい?」
流石に連日お茶会に誘っていると、お兄様から少々不満の声が上がってくる。
「ええ、勿論ですわ。こんなにカッコイイお兄様を皆さんに見せびらかしたいんですもの、一緒に来てくださいますよね」
ちょっと目をウルウルさせてお兄様を見上げると、お兄様はデレっと眉尻を下げて私の頬にそっと触れる。
「可愛い妹の頼みを無下にするほど私は薄情ではないからな。私が付き添えるお茶会は全て出席させてもらうよ」
勿論、お兄様のスケジュールに合わせてお茶会の日程を組んでいるから、当然全てのお茶会にお兄様が参加する事になるのよね。
何度かお茶会を重ねて行くうちに、私はお兄様に好意を持っていそうな令嬢を何人かピックアップした。
この中からお兄様も憎からず思っていそうな令嬢を厳選していくわよ。
そんな中、私より二つ年上の侯爵令嬢が、お兄様に好意を抱いているのを知った。
名前はステファニー・クリフォード侯爵令嬢で、金髪碧眼の見目麗しいお姉様だ。
こんな優良物件が良く残ってたわね。
おそらく父親のクリフォード侯爵がお兄様に嫁がせようと画策していたのかもしれないわ。
やはり「お姉様」と呼ぶ以上は私よりも年上の人がいいのよね。
だからこの機会を逃すと年下を「お姉様」と呼ばなくちゃいけなくなるのよ。
出来ればそういう事態は避けたいわね。
相手は決まったけれど、どうやってお兄様と急接近させるかが問題よね。
自慢じゃないけど、こういう恋愛に関しては私は疎いのよね。
何がいい手は無いかしら?
今日は庭園を開放してのお茶会で、皆は思い思いに庭園の花を楽しんでいる。
私も庭を散策しながら、お兄様とステファニー嬢をどうやって接近させようかと考えていたら、目の前の葉っぱの上にあるモノを見つけた。
私はそっとそれを手に隠し持つと、お兄様とステファニー嬢を手招きして誘った。
「お兄様、ステファニー様、こちらへいらしてくださいな。変わったお花が咲いていますわ」
私はお兄様とステファニー嬢の間に立つと、こっそりと手の中のモノをステファニー嬢のドレスに乗せた。
「あ、お兄様! ステファニー様のドレスにカエルが!」
私の言葉にお兄様とステファニー嬢はドレスの上のカエルに目をやった。
「ギャアアア!」
盛大な大声で叫んだのはお兄様の方だった。
ステファニー嬢は平然とした顔でカエルを摘むと、ポイッと植え込みの中に投げ入れて済ました顔をしている。
「アンドリュー様はカエルが苦手ですのね。私が追い払ったからもう大丈夫ですわ」
ニコリと微笑むステファニー嬢にお兄様は涙目でコクコクと頷いている。
「ありがとう、ステファニー嬢。私は子供の頃からカエルが苦手でね。これからはカエルに出会ったらステファニー嬢を頼ればいいのだな。気を取り直してあちらでお茶でもいかがですか?」
「ええ、勿論いくらでも頼ってくださいませ。お供いたしますわ」
お兄様はステファニー嬢の手を取るといそいそと四阿の方へ歩いて行った。
なんか思っていた展開とは違ったみたいだけど、一応結果オーライかしらね。
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