Disaster special rescue forces

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第1章 「Emergency from the future」

災害特殊救難救急隊

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2016年、12月24日
俺は、この日を忘れない・・・

消防官になり憧れだったオレンジ(ハイパーレスキュー隊員)になってから3年は過酷な現場や悲惨な場面に今まで以上に追われていた。その日は、彼女と大型商業施設で映画を観る予定だった・・・

雄太郎「ごめん!待たせた・・・」

香織:「待ったよ!彼女とのデートには5分前行動はないのかな?」

雄太郎:「お前が、早く来られてると待たせた感じになるのが嫌だと言うから・・・」

彼女:「あぁ~私が悪いんだ。やっぱりあれ?最近、多発してる爆破事件の?」

雄太郎「あぁ・・・ でも悪かった謝るから許してな」

彼女:「わかったよ 仕事じゃあ仕方ないな、許す(笑)じゃあ行こう。映画始まっちゃうよ」

香織が駆け出し映画館に姿が見えなくなり、慌てて香織を追いようとしたその時、映画館から炸裂音が響き強い衝撃波を受け雄太郎の身体は後ろに吹き飛ばされた。
背中をホールの柱に強か打ち付け意識が遠のく中、映画館の中から黒煙が上がり遠来のような爆音が背後で響く。

雄太郎「香織・・・」

雄太郎「ん・・・」

雄太郎「か・身体が・・動かない」

???B「身元の確認が取れました。」

???A「内容はどうだった?」

???B「それなんですが64年前の2016年12月24日に起きた      爆破事件で亡くなってる事になってます。ですが遺体は発見されておらず当時は焼けてしまって本人確認もできなかったと記録がありました。」

???A「なに?どうゆうことだ今、目の前に居るこいつは、64年前に死んだ人間だと言うのか!」

雄太郎「ん・・・64年前・・・なんの話だ・・・」  

???A「お!目が覚めたな ここが何処だか分かるか?」


雄太郎「・・・・・・」

???A「ここは、病院だ! 俺は刑事の村岡だ、こっちが崎村だ、あんたは火災現場の中で救助されて来たんだ。分かるか?」

雄太郎「・・・・火災現場? 俺は・・確か、映画を観る予定だったはず は!
香織は?! 彼女何処ですか! 」

村岡「残念だが現場に居たのはあんただけだ、彼女連れだったのか?」

雄太郎「俺だけ・・・! 本当に・・・」

村岡「あぁ、こんな時に聞くのは悪いが仕事なんで、話を聞かせてもらう あんた あそこで何してた?」

雄太郎「・・・・・」

村岡「聞いてるか?
あんた、記録では64年前に亡くなってる事になってるんだが?これはどういう事か説明してくれないか?」

雄太郎「64年前に亡くなってる?!どういう事ですか!」

村岡「こっちも分からないから聞いているんだよ。記録では64年前に起きた大型商業施設で爆破事件があった際に亡くなってるって記録にはあるんだよ  悪いが、彼女さんもな」

雄太郎「そんな馬鹿な・・・なんかの冗談だろ なんだよ64年前って・・・行方不明って・・・」

村岡「今は、2080年だ」

雄太郎「2080年・・・・?!」

村岡「あんた、消防官だったんだってな」

雄太郎「・・・・・」

俺は、自分の身に起きている事に理解するのでいっぱいだった・・・・
訳がわからない なんで、どうして
気が可笑しくなるのを感じていた

村岡「オイ、聞いてるか?」

雄太郎「・・・はい、すみません」

村岡「混乱するのは分かるが、あんたの身元からして怪しいのは事実だ」

俺の置かれた状況は、爆破事件の影響でタイムスリップしてきている事 そして身元が64年前に亡くなってる 彼女と共に

どう説明すればいいんだ・・・自分はタイムスリップしてきました。そんな事、誰が信じる・・・


村岡「まぁ、目も覚めたばかりだ混乱していても仕方ないな 今日は引き上げる、明日また事情聴取させてもらうからなじゃあ崎村引き上げるぞ」

俺は・・・彼女の姿を思い返していた
なぜ待ち合わせに遅れた どうして直ぐに追いかけなかった・・・ 自責の念と後悔 自分自身の状況 これからどうしたらいい・・・・ その日は一睡もできずに一夜を過ごした

次の日、身体には別状はなく
直ぐに退院できると言われた

村岡「夜は眠れたか?」

雄太郎「いぇ・・全く」 

村岡「今日はな、お前さんに会いたいって言う奴を連れて来た 火災現場からあんたを救出してくれた人だ。」

雄太郎「はい」

村岡「オイ、入ってくれ!」

そこには、50代くらいでなにか覇気を感じる男性だった

村岡「こいつはな、俺の友人でもある大神だあんたとは同業者で消防士だ」

雄太郎(消防官なのかだからすごい覇気を感じるのか・・・)

大神「すまないが、村岡席を外してくれないか?二人だけで話をしたいんでな」

村岡「わかった、部屋の外で待ってる」

大神「あぁ すまんな」

どうして消防の人間が俺に会いに来た?状況がまだ飲み込めずにいると男は話し始めた


大神「単刀直入に言う、お前 タイムスリップしてきてないか?」

俺は驚いた なぜタイムスリップしてきている事がわかった?警察が調べて分からない事を 

大神「どうやら図星か、まさかな・・・ お前を現場で発見した時
今の消防が知らない252と単音の信号を発していた まぁ無意識だったんだろうあれは、会話を部外者に聞かれるのを避けたりまた指示簡略化のため用いる)で、本来は『要救助者(要救)』、つまり「救助を必要とする者」「逃げ遅れ」を意味する。それを知っている奴はもう今の消防にはいない事 そこで俺は気づいた 過去から来た人間なんじゃないか しかもレスキュー隊員だと判断した 違うか?」

雄太郎この人なら話が通じるかもしれない・・・どの道 帰る手段も探さなければならない 俺はゆっくりと説明をした


大神「2016年から来てあの爆破事件の被害者だったか・・・」

雄太郎「なぜ、信じてくれるんですか?普通ならタイムスリップしてきましたなんて言えば頭がおかしな奴だと思うのが普通ですが・・・?」

大神「その額の傷だよ。怪我を負いそれでも救助を求める人の元へ向かう そんな仕事をしている奴に悪い奴は居ない 俺は仲間を信じるからだ」

この人、平賀隊長に似てるな
俺がまだ新人でレスキューに憧れ目指すきっかけになった 一番尊敬するレスキュー隊員だった

雄太郎「・・・ありがとうございます」

大神「とりあえずだな ここからが本題だ、お前はこれからどうするつもりだ? 」


雄太郎「分かりません・・・昨日の刑事さんの話では親族はもう居ないそうで・・・」

大神「そうか・・・」

大神「俺は今、ある部隊の人材集めをしている 今2080年では消防庁が縮小化されて、新たに災害予防庁が設立され消防はその一部になり一部署になっている・・・」

雄太郎「縮小化された?災害予防庁?消防が一部の部署になぜ・・・?」

大神「混乱するだろうが聞いてくれ、2080年に起きた大規模災害が大きな原因だ」

雄太郎「大規模災害・・・」


大神「今の消防は人命救助及び消火活動はしない・・・ いや、できないが正しいだろう・・・」 


雄太郎「えっ?!人命救助も消火もしない・・・! どういう事ですか?!」

大神「大規模災害で救助する側が救出される側より上回る犠牲者を出してしまった事だ。それにより救助する側の遺族から訴えが起きてな 単純な話だ人を救いに行っているのに犠牲者の多くが救助する側では 意味がないという世論になったからだ」

雄太郎「そんな・・・俺たちの命が要救助者より優先されるなんて・・・」

大神「隊員はそれでいいが、遺された遺族や政府はそう思わなかったんだよ
だから、政府は人が人を救出する二次災害を防ぐ為に 人命救助及び消火活動を廃止し、災害予防庁を設立した。一人を救う為に二人失う事を避けた対策をな」

俺は愕然とした、誇りを持ってしてきた仕事がこんなにも変わり果てるなんて その話を受け入れらなかった・・・・

大神「確かに、結果的に現在に至るまでの火災や事故での死亡数は少ない、だが・・・ 死なずに助けられた人が居たのは確かだ!」

俺がレスキュー隊に入隊してから
命を糧に命を救う 価値のある仕事だった タイムスリップしてきてそれだけでも混乱しているのに 俺は全てを失った失望感に包まれた 俺はこれからどうしたらいい

大神「それでだな、お前が元の時代に戻るまで、俺と一緒に新しい救助部隊を作ってほしい 少数精鋭のな」

雄太郎「少数精鋭の救助部隊を・・・? 」

大神「今や消防庁(消防部署)に居るのは俺だけだ お偉いさんは流石に全くなにもしないっていうのは世間体が悪いと言って消防部署を配置 以前から救助・消火活動の再度発足を訴え掛け煙たがっていた俺をなにも出来ない消防部署に閉じ込めた
それに伴い今は救助・消火の知識や技術を教えまた訓練できる人間が居ない、俺にはその体力もない そんな時現れたのがお前だ、俺は消防を無くしたくないお前にとっても悪い話ではないんじゃないか? 当てもなく 金も無いじゃあなにをするにも困るだろう、仕事をしながら 自身の時代に戻る方法と彼女の行方を探してはどうだ?」


俺は考えていた確かに、彼女の行方も俺の時代に戻る方法も考えなければいけないと・・・・

大神「それに身体も鈍って 元の時代戻った時に役に立たなくなるぞ(笑)彼女の情報収集にも あの村岡に頼んであるんでな」

雄太郎「本当ですか! 俺にも今やるべき事があるのかもしれない・・・ 分かりました」

俺は、この時
この先に起きる運命を受け入れ人を救う事を 決めた

大神「まず初めに、仲間集めだもう目星は付けている。一人はDMAT隊員のできる人間だ、DMATも廃止されたがそれはつい最近までだからな」

説*
DMATとは「災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム」と定義されており
 ※平成13年度厚生科学特別研究「日本における災害時派遣医療チーム(DMAT)の標準化に関する研究」報告書より

災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとって略してDMAT(ディーマット)
と呼ばれています。


医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームだ

大神「二人目は災害予防庁から若いのをスカウトする。」

雄太郎「若い子を?なぜ?」

大神「お前と若い奴には現場への進入救助・消火活動をしてもらう 場数を若い奴踏ませ お前が去った後にも仕事をさせる為だ」

雄太郎「そういう事か わかった」

大神「三人目はメカニックだな、これを観ろ」

それは、箱のような手のひらサイズの握りのない銃のようだった

雄太郎「これは?」

大神「これはな、そいつに超圧縮された水を留めたカートリッジを装填しトリガーを引けば消火をする事ができる、消火の用途によって消火方法変えて 粉末タイプもある、超小型携行インパルスってところだな」

俺の時代のインパルスは30キロもあり個人の身体能力にも左右されていたがこの道具を見るからに やっぱり未来にいる事を突き付けられた気分は今でも忘れられない

大神「あとこれだな、超小型酸素ボンベだ一本で約30分は持つ 、要救助者用だな」

雄太郎「大神さん、随分前から考えていたんですね、救助隊を作るのを」

大神「あぁずっと考えていた 俺も沢山仲間を亡くした
それから災害予防も悪くないと思っていた・・・・ 娘を火災の影響で寝た切りさせてしまうまではな、俺はもちろん現場に駆けつけ中に入ったが この時代に防火服も装備もなく なんとか救出はした俺自身もが身体に重度の火傷を負った その時に身に沁みてわかった レスキューの存在を、だからもうあんな気持ちになるのはごめんだ 誰かを家族や友人を失うかもしれないという恐怖から救う 存在を創ると誓った」
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