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第 2 章
第 113 話
「……俺たちが前に出ます」
「あぁ、そうだな……」
エルヴィーノに殴られた男と蹴られた男が、デルフィーノとバンディーノの前へと立った。
先程エルヴィーノが言った言葉が本当だったとしたら、残っている【黒蛇】の仲間は自分たち4人しかいない。
ずっと日陰の存在だった自分たち【黒蛇】が、この国において重要な地位を築くために第一皇子に賭けたのだ。
こんなところで全滅するわけにはいかない。
そのためにも、頭領のデルフィーノとその右腕であるバンディーノを死なせるわけにはいかない。
目の前の化け物(エルヴィーノ)を倒すために、自分たちは命を懸けることを決意した提案だ。
「チプリアーノ、エフィージオ……」
デルフィーノの呟きから、エルヴィーノに殴られたのがチプリアーノ、蹴られた方がエフィージオという名前らしい。
彼らの決意に対して何を言っていいか分からないらしく、渋い表情をしている。
「俺らの命を使って、イッポーリトや仲間たちの仇を討ってください」
「お願いします」
「…………分かった」
先程エルヴィーノに止めを刺された男(イッポーリト)や他の仲間たちの仇を討つため、チプリアーノとエフィージオは覚悟を決めたようだ。
目の前の男(エルヴィーノ)は、自分とバンディーノと戦っていた時も全力ではなかったらしく、殺気の上昇と共に動きが洗練されている。
この4人で戦うにしても、勝てるかどうか微妙なところだ。
これ以上仲間を失うわけにはいかない。
しかし、勝つためには誰かが犠牲になる事も考えなければならなかった。
そんなところで出た2人の提案。
本当の所は断りたいところだけれど、勝つためには仕方がない。
そのため、デルフィーノが渋々その提案を受け入れた。
「行くぞ!!」
「「「おうっ!!」」」
ここ最近、皇帝争いは第二皇子派閥の方が優勢になりつつある。
このイーノ平原での戦いで、第一皇子派閥の勢いを取り戻さなければならない。
そのためには勝つしかない。
何としても勝つため、【黒蛇】の4人は全身に纏う魔力を最大にしてエルヴィーノに剣を構えた。
『これが奴らの全力か……』
4人の全力の魔力を向けられ、ビリビリとエルヴィーノの肌に響く。
離れた位置にいるというのに、ユーオー軍・ウルンパ軍の兵たちは顔を青くしている。
『面白い!』
「こ、こいつ……」
常人なら気を失いかねない状況だというのに、エルヴィーノはどこか嬉しそうだ。
自分たちの全力を見ても平然としているだけでなく、笑みすら浮かべている。
そんなエルヴィーノに、デルフィーノは言い知れぬ畏怖を抱いた。
「クッ!」
「ウオォー!!」
「「っっっ!!」」
恐れを抱いたのはデルフィーノだけではなく、他の3人も同じだった。
エルヴィーノに向かって行く足がすくむほどだ。
しかし、動かずにいたら何も変わらない。
そう考えたチプリアーノとエフィージオは、心を奮い立たせて動き出す。
その2人の動きに合わせ、デルフィーノとバンディーノも動いた。
「くらえ!!」
「ハァッ!!」
エルヴィーノの前方左右から襲い掛かるチプリアーノとエフィージオ。
自分たちの攻撃は、エルヴィーノに当たるとは思えない。
しかし、攻撃を躱したところで、自分たちの背後にはデルフィーノとバンディーノが存在している。
2人の攻撃こそが本命だ。
「フッ!!」
「「っっっ!?」」
2人の躱す必要はないと言っているような余裕の態度を崩さないエルヴィーノに、チプリアーノとエフィージオは戸惑いつつも攻撃の手を止めない。
“ドンッ!!”
「がっ!?」
「なっ!?」
自分たちの剣による攻撃が、もう少しでエルヴィーノに当たる。
そう思えたところで、チプリアーノとエフィージオは突如強烈な衝撃を受けた。
エルヴィーノが動いた様子がないにもかかわらず、自分たちが攻撃を受けたことに、2人は戸惑いの声を上げなら血を吐き出した。
「魔法!?」
「いつの間に!?」
戸惑っているのはデルフィーノとバンディーノも同じ。
チプリアーノとエフィージオの2人が決死の思いで攻めかかったというのに、全く隙を作ることなく吹き飛ばした。
これでは4人がかりの意味がなくなってしまった。
今更急ブレーキをかけても無意味。
そのため、このまま攻めかかるしかない。
デルフィーノとバンディーノは止まることなく、エルヴィーノに斬りかかった。
「ハッ!!」
「ぐっ!!」
エルヴィーノも待っているだけではない。
自分から一歩前へ踏み出し、剣を振り上げる。
その剣が狙っているのはデルフィーノで、バンディーノを無視しているような状況だ。
しかし、エルヴィーノはバンディーノを迎撃する策をちゃんと用意していた。
先程の2人と同じく、どこからともなく出現した魔力の球が高速でバンディーノに直撃した。
「フンッ!!」
「ぐはっ!!」
3人が吹き飛び、エルヴィーノとデルフィーノは1対1の状況。
その状況での斬り合いなら、エルヴィーノにとって全く脅威にならない。
攻撃を躱して振り下ろした剣により、エルヴィーノはデルフィーノを袈裟斬りにした。
「あぁ、そうだな……」
エルヴィーノに殴られた男と蹴られた男が、デルフィーノとバンディーノの前へと立った。
先程エルヴィーノが言った言葉が本当だったとしたら、残っている【黒蛇】の仲間は自分たち4人しかいない。
ずっと日陰の存在だった自分たち【黒蛇】が、この国において重要な地位を築くために第一皇子に賭けたのだ。
こんなところで全滅するわけにはいかない。
そのためにも、頭領のデルフィーノとその右腕であるバンディーノを死なせるわけにはいかない。
目の前の化け物(エルヴィーノ)を倒すために、自分たちは命を懸けることを決意した提案だ。
「チプリアーノ、エフィージオ……」
デルフィーノの呟きから、エルヴィーノに殴られたのがチプリアーノ、蹴られた方がエフィージオという名前らしい。
彼らの決意に対して何を言っていいか分からないらしく、渋い表情をしている。
「俺らの命を使って、イッポーリトや仲間たちの仇を討ってください」
「お願いします」
「…………分かった」
先程エルヴィーノに止めを刺された男(イッポーリト)や他の仲間たちの仇を討つため、チプリアーノとエフィージオは覚悟を決めたようだ。
目の前の男(エルヴィーノ)は、自分とバンディーノと戦っていた時も全力ではなかったらしく、殺気の上昇と共に動きが洗練されている。
この4人で戦うにしても、勝てるかどうか微妙なところだ。
これ以上仲間を失うわけにはいかない。
しかし、勝つためには誰かが犠牲になる事も考えなければならなかった。
そんなところで出た2人の提案。
本当の所は断りたいところだけれど、勝つためには仕方がない。
そのため、デルフィーノが渋々その提案を受け入れた。
「行くぞ!!」
「「「おうっ!!」」」
ここ最近、皇帝争いは第二皇子派閥の方が優勢になりつつある。
このイーノ平原での戦いで、第一皇子派閥の勢いを取り戻さなければならない。
そのためには勝つしかない。
何としても勝つため、【黒蛇】の4人は全身に纏う魔力を最大にしてエルヴィーノに剣を構えた。
『これが奴らの全力か……』
4人の全力の魔力を向けられ、ビリビリとエルヴィーノの肌に響く。
離れた位置にいるというのに、ユーオー軍・ウルンパ軍の兵たちは顔を青くしている。
『面白い!』
「こ、こいつ……」
常人なら気を失いかねない状況だというのに、エルヴィーノはどこか嬉しそうだ。
自分たちの全力を見ても平然としているだけでなく、笑みすら浮かべている。
そんなエルヴィーノに、デルフィーノは言い知れぬ畏怖を抱いた。
「クッ!」
「ウオォー!!」
「「っっっ!!」」
恐れを抱いたのはデルフィーノだけではなく、他の3人も同じだった。
エルヴィーノに向かって行く足がすくむほどだ。
しかし、動かずにいたら何も変わらない。
そう考えたチプリアーノとエフィージオは、心を奮い立たせて動き出す。
その2人の動きに合わせ、デルフィーノとバンディーノも動いた。
「くらえ!!」
「ハァッ!!」
エルヴィーノの前方左右から襲い掛かるチプリアーノとエフィージオ。
自分たちの攻撃は、エルヴィーノに当たるとは思えない。
しかし、攻撃を躱したところで、自分たちの背後にはデルフィーノとバンディーノが存在している。
2人の攻撃こそが本命だ。
「フッ!!」
「「っっっ!?」」
2人の躱す必要はないと言っているような余裕の態度を崩さないエルヴィーノに、チプリアーノとエフィージオは戸惑いつつも攻撃の手を止めない。
“ドンッ!!”
「がっ!?」
「なっ!?」
自分たちの剣による攻撃が、もう少しでエルヴィーノに当たる。
そう思えたところで、チプリアーノとエフィージオは突如強烈な衝撃を受けた。
エルヴィーノが動いた様子がないにもかかわらず、自分たちが攻撃を受けたことに、2人は戸惑いの声を上げなら血を吐き出した。
「魔法!?」
「いつの間に!?」
戸惑っているのはデルフィーノとバンディーノも同じ。
チプリアーノとエフィージオの2人が決死の思いで攻めかかったというのに、全く隙を作ることなく吹き飛ばした。
これでは4人がかりの意味がなくなってしまった。
今更急ブレーキをかけても無意味。
そのため、このまま攻めかかるしかない。
デルフィーノとバンディーノは止まることなく、エルヴィーノに斬りかかった。
「ハッ!!」
「ぐっ!!」
エルヴィーノも待っているだけではない。
自分から一歩前へ踏み出し、剣を振り上げる。
その剣が狙っているのはデルフィーノで、バンディーノを無視しているような状況だ。
しかし、エルヴィーノはバンディーノを迎撃する策をちゃんと用意していた。
先程の2人と同じく、どこからともなく出現した魔力の球が高速でバンディーノに直撃した。
「フンッ!!」
「ぐはっ!!」
3人が吹き飛び、エルヴィーノとデルフィーノは1対1の状況。
その状況での斬り合いなら、エルヴィーノにとって全く脅威にならない。
攻撃を躱して振り下ろした剣により、エルヴィーノはデルフィーノを袈裟斬りにした。
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