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3学年 後期
第249話
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綾愛たちが戦う場所から離れた場所では、魔人化した鷹藤文康と祖父で鷹藤家当主の康義の戦いが繰り広げられていた。
「フンッ!!」
「ぐうぅっ!!」
康義の上段からの袈裟斬り。
それを躱そうとする文康だが、完全には躱しきれず、僅かに斬れて頬から血が流れ落ちた。
「くそっ! ジジイ……」
手で頬の血を拭う文康。
その表情は怒りに満ち溢れている。
「魔力は上のはずなのに……」
魔人化したことによって、自分の魔力は膨れ上がった。
祖父の康義以上にだ。
その膨大な魔力を使用しているというのに、康義に勝つどころか自分の方が押され気味だ。
「どうした? 形勢逆転だな?」
「うるせえっ!」
最初は文康の煽りに乗っかり、冷静さを失ったまま戦い始めてしまった。
そのせいで、本来なら避けられる攻撃も避けきれず、所々斬られるような失態を犯してしまった。
しかし、戦っているうちに冷静になるよう努めたことで、ようやく自分に有利に戦うことができるようになった。
冷静になりさえすれば、文康を相手にすることなど脅威にならない。
むしろ、追い込まれ始めたことで、文康の方が冷静さを失い始めている。
それを利用しない手はない。
そう考えた康義は、文康を煽るように話しかける。
その煽りに簡単に引っ掛かり、文康はこめかみに血管を浮き上がらせて康義へと斬りかかった。
「フンッ!!」
「うっ!!」
刀を振り上げ、文康は唐竹斬りを放つ。
怒りに任せた攻撃のため、大振りになっている。
そのため、容易にその攻撃を防いだ康義は、がら空きになっている文康の腹を目掛けてミドルキックを放つ。
それが直撃した文康は、腹を抑えて距離を取る。
「相変わらず沸点の低い奴め!」
「…………」
少し離れた位置には、文康の父である康則が待機している。
父にもしものことがあった場合、息子であろうとも容赦なく切り捨てるつもりでいたのだが、段々と父に有利の状態になるにつれ、冷静に戦いを見ていられるようになっていた。
そんな康則からすると、「自分だって文康の煽りを受けて余計な傷を負っているじゃないか!」とツッコミを入れたいところだ。
しかし、戦いの最中に余計なことを言う必要もないだろうと、言いかけていたところでツッコムのをやめた。
「それに、お前が私に勝てないのは怒りによるものだけではない!」
自分が冷静さを失っていた状態ならば、今の文康でもいい勝負ができただろう。
しかし、冷静さを取り戻した今なら負けることはない。
それは、自分と文康の間に魔力量の差があったとしてもだ。
「何っ!? じゃあ、何で……?」
「昔から言っていることなのに、どうしてそれが分からないんだ……」
魔力量で優っている自分が、何故追い込まれているのか。
その理由を求め、文康は康義へ問いかけるが、康義は正解を答えない。
正解は以前に教えているというのに、どうして分からないのか不思議そうだ。
「うるせえっ! さっさと教えやがれ!」
「……敵に教えるわけがないだろ?」
「ぐっ!!」
ヒントのような答えをしているのに正解を教えない康義に、文康は焦るように答えを求める。
しかし、魔人と化した今では孫であっても人間の敵でしかない。
そんな存在に、自分に勝てる方法を教えるわけがない。
そんなことも忘れて正論を言われた文康は、ぐうの音も出なかった。
「シッ!!」
「っ!?」
どうすれば勝てるのかの答えは過去にある。
そのことを思い出そうと考える文康だが、その考える暇を与えるわけにはいかない。
そのため、康義は一瞬固まった文康の隙を逃さない。
一足飛びで距離を詰めると、文康の喉へ向かって突きを放つ。
康義の高速の突きに対し、文康は刀でギリギリ受け止めることに成功する。
「フンッ!!」
「うがっ!!」
康義の突きを防いだ文康だが、それによってまた隙が生まれる。
その隙を突き、康義は前蹴りを放つ。
それが鳩尾に直撃し、文康は吹き飛んだ。
「ぐぅ……」
観客席まで吹き飛ばされた文康は、腹を抑えて康義を睨みつける。
「……ら…だ!」
「んっ?」
睨み見つけたと思ったら、文康が何かを呟く。
その声が小さいため、康義は何を言ったのか聞こえないため耳を傾ける。
「勝てねえのは、まだ魔力が足りねえからだ!!」
「愚かな……」
何を言ったのかと思ったら、どうやら文康は魔力が足りないからだと導き出したようだ。
しかし、康義が言っていたのとは違う答えだ。
そのため、康頼は文康の呟きに嘆きの言葉を呟いた。
「フッ!!」
“ズッ!!”
「「っっっ!?」」
これまで自分が指導してきたとは違う答えを導き出した文康。
そんな文康のことを嘆いている康義と康則だったが、文康の次の行動に目を見開く。
文康が、近くにあった魔人の死体に刀を突き刺したからだ。
“ゴクンッ!!”
「「っっっ!?」」
文康は、魔人の死体に突き刺した刀で魔石を取り出し、口の中へと放り込む。
何をする気なのかと、康義と康則は驚きつつ首を傾げる。
「パワーアップするつもりだ!!」
文康が何を狙っているのか分からなかった康義と康則親子だったが、少し離れた位置で同じようなことをしていたオレガリオを見た柊家当主である俊夫の発言で理解した。
魔人の魔石を体内に取り込むことで、文康はパワーアップを計ったのだと。
「グウゥッ!! ガーーーッ!!」
魔石を体内に取り込んだ康義に、すぐに変化が起きる。
文康が求めていた魔力が、一気に膨れ上がったのだ。
「フンッ!!」
「ぐうぅっ!!」
康義の上段からの袈裟斬り。
それを躱そうとする文康だが、完全には躱しきれず、僅かに斬れて頬から血が流れ落ちた。
「くそっ! ジジイ……」
手で頬の血を拭う文康。
その表情は怒りに満ち溢れている。
「魔力は上のはずなのに……」
魔人化したことによって、自分の魔力は膨れ上がった。
祖父の康義以上にだ。
その膨大な魔力を使用しているというのに、康義に勝つどころか自分の方が押され気味だ。
「どうした? 形勢逆転だな?」
「うるせえっ!」
最初は文康の煽りに乗っかり、冷静さを失ったまま戦い始めてしまった。
そのせいで、本来なら避けられる攻撃も避けきれず、所々斬られるような失態を犯してしまった。
しかし、戦っているうちに冷静になるよう努めたことで、ようやく自分に有利に戦うことができるようになった。
冷静になりさえすれば、文康を相手にすることなど脅威にならない。
むしろ、追い込まれ始めたことで、文康の方が冷静さを失い始めている。
それを利用しない手はない。
そう考えた康義は、文康を煽るように話しかける。
その煽りに簡単に引っ掛かり、文康はこめかみに血管を浮き上がらせて康義へと斬りかかった。
「フンッ!!」
「うっ!!」
刀を振り上げ、文康は唐竹斬りを放つ。
怒りに任せた攻撃のため、大振りになっている。
そのため、容易にその攻撃を防いだ康義は、がら空きになっている文康の腹を目掛けてミドルキックを放つ。
それが直撃した文康は、腹を抑えて距離を取る。
「相変わらず沸点の低い奴め!」
「…………」
少し離れた位置には、文康の父である康則が待機している。
父にもしものことがあった場合、息子であろうとも容赦なく切り捨てるつもりでいたのだが、段々と父に有利の状態になるにつれ、冷静に戦いを見ていられるようになっていた。
そんな康則からすると、「自分だって文康の煽りを受けて余計な傷を負っているじゃないか!」とツッコミを入れたいところだ。
しかし、戦いの最中に余計なことを言う必要もないだろうと、言いかけていたところでツッコムのをやめた。
「それに、お前が私に勝てないのは怒りによるものだけではない!」
自分が冷静さを失っていた状態ならば、今の文康でもいい勝負ができただろう。
しかし、冷静さを取り戻した今なら負けることはない。
それは、自分と文康の間に魔力量の差があったとしてもだ。
「何っ!? じゃあ、何で……?」
「昔から言っていることなのに、どうしてそれが分からないんだ……」
魔力量で優っている自分が、何故追い込まれているのか。
その理由を求め、文康は康義へ問いかけるが、康義は正解を答えない。
正解は以前に教えているというのに、どうして分からないのか不思議そうだ。
「うるせえっ! さっさと教えやがれ!」
「……敵に教えるわけがないだろ?」
「ぐっ!!」
ヒントのような答えをしているのに正解を教えない康義に、文康は焦るように答えを求める。
しかし、魔人と化した今では孫であっても人間の敵でしかない。
そんな存在に、自分に勝てる方法を教えるわけがない。
そんなことも忘れて正論を言われた文康は、ぐうの音も出なかった。
「シッ!!」
「っ!?」
どうすれば勝てるのかの答えは過去にある。
そのことを思い出そうと考える文康だが、その考える暇を与えるわけにはいかない。
そのため、康義は一瞬固まった文康の隙を逃さない。
一足飛びで距離を詰めると、文康の喉へ向かって突きを放つ。
康義の高速の突きに対し、文康は刀でギリギリ受け止めることに成功する。
「フンッ!!」
「うがっ!!」
康義の突きを防いだ文康だが、それによってまた隙が生まれる。
その隙を突き、康義は前蹴りを放つ。
それが鳩尾に直撃し、文康は吹き飛んだ。
「ぐぅ……」
観客席まで吹き飛ばされた文康は、腹を抑えて康義を睨みつける。
「……ら…だ!」
「んっ?」
睨み見つけたと思ったら、文康が何かを呟く。
その声が小さいため、康義は何を言ったのか聞こえないため耳を傾ける。
「勝てねえのは、まだ魔力が足りねえからだ!!」
「愚かな……」
何を言ったのかと思ったら、どうやら文康は魔力が足りないからだと導き出したようだ。
しかし、康義が言っていたのとは違う答えだ。
そのため、康頼は文康の呟きに嘆きの言葉を呟いた。
「フッ!!」
“ズッ!!”
「「っっっ!?」」
これまで自分が指導してきたとは違う答えを導き出した文康。
そんな文康のことを嘆いている康義と康則だったが、文康の次の行動に目を見開く。
文康が、近くにあった魔人の死体に刀を突き刺したからだ。
“ゴクンッ!!”
「「っっっ!?」」
文康は、魔人の死体に突き刺した刀で魔石を取り出し、口の中へと放り込む。
何をする気なのかと、康義と康則は驚きつつ首を傾げる。
「パワーアップするつもりだ!!」
文康が何を狙っているのか分からなかった康義と康則親子だったが、少し離れた位置で同じようなことをしていたオレガリオを見た柊家当主である俊夫の発言で理解した。
魔人の魔石を体内に取り込むことで、文康はパワーアップを計ったのだと。
「グウゥッ!! ガーーーッ!!」
魔石を体内に取り込んだ康義に、すぐに変化が起きる。
文康が求めていた魔力が、一気に膨れ上がったのだ。
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