地球育ちのおっさんが異世界で商売するようですよ?

もみじ

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第三章:魔境でのんびり商売します。

フルボッコにされても商売します。(その2)

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 土竜もラグレスも凍ったように固まる。

 なに?どうした??なんでそんな驚いてるんだ???

 突然土竜が鳴きだす。


 グォォォォ!!!・・・グォォォォ!!!


 と何度も何度も吠える。

 うっせぇな、こんな大声で鳴かれたら商売できないじゃねぇか?

 すると遠くの方から同じ鳴き声が木霊した。決して山びこなどではない、この土竜に呼応して何かが鳴いている。そして巨大な砂柱が二つたち、猛スピードでこちらに向かってくる。

 もしかしてこいつ、仲間呼んだ?

 アーシェが俺達の前に立つ。

「ついに私の出番ですね?」

 誇らしげに言う。

「ラグレスさん、私が三体のドラゴンを食い止めている間にその剣を買うかどうか決めて下さい、高い買い物ですからね、よく考えて。それと・・・」

 アーシェは俺達に微笑んだ。

「勢い余って一、二体倒してしまっても許して下さいね?」



 何この子!超カッコいいんだけど!?



 すると後ろにいた土竜が尻尾で地面をえぐり、イシツブテを飛ばしてきた。
 大量の岩石が俺達を襲うがこの程度へでもない。
 俺は突っ立ち、ラグレスは身を伏せて交わし、アーシェは後頭部に岩が当たって気絶する。

 ちょっと待て!さっきまでの威勢はどうした?
 弱っわ!魔力にばかりステ振ったせいで耐久が紙じゃねぇか!?

 倒れるアーシェにあたふたしていると俺は二体目の土竜に高々と突き上げられた。そして三体目の土竜に体当たりされて吹っ飛び、一体目の土竜に叩かれる。
 また地面にめり込んでしまう俺、三匹はそんな俺を交互に尻尾で叩いていく。

 なんでこいつ等俺ばかり攻撃すんだろ?狙うならラグレスさんだろ?だって伝説の冒険者だよ?めっちゃ強いんだよ?先に倒さないと・・・

 あ、そっか!

 俺は気づいてしまう。こいつ等きっと俺をヒーラーだと思ってるんだ。さっきポーションかけてアーシェ回復させたもんね?だから狙ってくるんだ。
 ゲームでも先にヒーラーを攻撃するのは定石、連携してそれを潰そうなんて結構頭良いじゃん。

 ラグレスが叫ぶ。

「ゲンさん!このままじゃ君の体がもたない、早く俺にポーションをかけてくれ!!」

 おっとドラゴンに感心してる場合じゃなかった。商売商売♪
 俺がポーションを出すと土竜の一体がその長い体で俺を締め付ける。

 お客様がポーションお買い求めなのに邪魔すんなよな?

 フンッ!

 と、力を入れ巻き付いた土竜を吹き飛ばす。
 残り二体の土竜の口からまたドリルのような結晶体が出た。グルグル回転し始める。

 その技はさっき見た。

 吐き出されたそれを俺は素手で軽く弾く。

 だから危ないって、商品壊れたらお前等弁償してくれんの?

「ゲンさん上!」

 ラグレスに言われて上を見る。
 土竜が大きな口を開けて俺に突っ込んでくるのが見えた。

 え、まさかこいつ俺を食う気?

 バクンッ!

 逃げる間もなく丸飲みにされてしまう。




 ・・・

 ゴゴゴゴと土を掘って高速で移動しているのが分かる。
 俺は暗闇の中肉壁に揉みくちゃにされていた。

 あぁ~食われちゃったよ。しかもヌメヌメして気持ち悪い。

 すると段々エプロンが溶けてくる。

 まさかこれって消化液!?

 持っていたポーションまで溶け出す。

 不味い不味い不味い!このままじゃ商品まで溶けちまう。

 俺は慌てて肉壁にアッパーした。

 山の頂上に噴火でもしたかのような巨大な砂柱が立つ。
 そして大地に土竜の肉片がボタボタと降り注ぐ。

 たく、危なかったじゃねぇか?

 ちょっとイラつきながら俺が地上に出るとラグレスもアーシェも二体のドラゴンにやられていた。
 二体のドラゴンは信じられないとばかりに俺の方を向く。

 ラグレスは顔を上げ手を震わせて伸ばした。

「ポ・・・ポーションを・・・ポーションをくれ・・・」

 俺は二匹のドラゴンを他所にラグレスの下まで歩いていく。そして小瓶を逆さにひっくり返し彼の体にポーションをかけた。

 怒りに満ちた顔で言う。

「待たせたな、ご注文のポーションだ」

 九死に一生を得たラグレスはまるで人ならざるものを見るかのような目で俺に問う。

「ゲンさん、君は一体何者だ?」

 その問いに俺は答えた。

「俺はただのしがない商人です」



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