地球育ちのおっさんが異世界で商売するようですよ?

もみじ

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第四章:うちは自給自足で商売します。

なんか物騒なお客さんが来ました。

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 俺とアーシェは向かい合って黙々と飯を食う。

 話題がない。

 アーシェが働き始めてもう四日は経つというのに交わす言葉が何一つない、これは由々しきことだ。明るい職場づくりも店長としての務めである。
 俺はさり気なく話を切り出してみた。

「そういやアーシェ、家族は?」

 するとアーシェはニコっと笑った。

「いますよ、天国に」

 いきなり地雷踏んじまったぁぁぁ!!!やべぇ、どうしよう?気まずい。とりあえず謝るか?でも空気悪くしたままじゃいけないしここは前進あるのみ!

「病気か何か?」

「母は料理中に誘爆、父は仕事中に自爆、弟は私が誤爆してしまいました」

 皆ろくな死に方してねぇ~!料理中に誘爆はともかく、仕事中に自爆ってどういう状況?それと弟誤爆って何だよ!何をどうしたら弟爆殺出来るんだよ!!そういや俺も誤爆されたな。

「可哀想に、辛かっただろう」

「とんでもありません、爆裂魔導士にとって爆死はほまれです」

 何なのこの子!完全にイっちゃってるよ!!頭のネジ完全にぶっ飛んでる。会話が成り立たねぇ・・・いかん、話をそらさなくては。

「アーシェ彼氏とかいないの?」

「か、彼氏ですか!?そんなのいませんよ!」

 アーシェは頬を赤らめた。

 そうそう、年頃の女の子はそうでなくっちゃ。

「じゃあどんな男がタイプ?」

「タイプですか?そうですねぇ・・・童顔で肌が白くてスレンダーで、髪の綺麗な人。金髪青眼だとなお良いです」

 何それ、当てつけ?俺と真逆の人物像じゃねぇか。言っとくが男ってのは三十過ぎると大体ハゲてくるんだよ。

「そっか、なら性格はどんなのが好み?意地悪系とかグイグイ引っ張ってくれる系とか」

「あえて言うなら王子様系ですね、優しくされたいです」

 アーシェは手を太ももに挟んでもじもじした。

「はっ!ごめんなさい。私店長のことも好きですよ?そろそろ仕事に戻りますね」

 そう言って彼女は俺にペコペコ頭を下げながら後ずさりして食堂を出て行く。

 なぜ謝る?余計に理解できない。
 ほら、ちゃんと前見て歩かないと危な・・・

 ドン!

 とアーシェは扉の前で何かにぶつかり倒れた。

 アーシェの手を華奢きゃしゃな手が掴む。

 転ばずにすんだアーシェ、その前には金髪青眼の美少年がいた。

 少年が言う。

「ごめん、大丈夫?」

 アーシェは顔で湯が沸かせそうなくらい赤くなる。

 理想の王子様、キター!!!

 噂をすれば影とは言うがまさかこんなドピンポイントで来るとはな。

 少年はアーシェを立たせた。

「あ、あ、あ、あの、その・・・」

 礼を言いたいのに言葉がしろどもどろになるアーシェ。
 仕方ないので代わりに俺が挨拶する。

「いらっしゃい、お客さんですか?」

 ”フッ”と少年が怪しく笑う。

 と、次の瞬間、

 アーシェの横を風が吹き抜けた、そして俺の顔に剣が突きつけられる。
 まさに一瞬である、漫画で言うところの縮地とか瞬身とかそう言った類の速さ、この山を一人で登って来ただけのことはあると感じさせる。

 だが俺は二本の指で少年の剣を受け止めていた。
 
 アーシェはどうしていいか分からずわたわたしている。

 俺は相手の剣先をちょっとずらして威嚇気味に言った。

「遠路はるばる来てもらって何ですけどお客さんじゃないならお引き取りを、強盗って言うならカラーボールぶつけますよ?」



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